96 元野球部員逮捕の余韻
山井達が逮捕された翌日の昼
学校で校長先生と教頭先生が会見を開いた。
一応山井達は逮捕される前に退学届を出していたので元東城高校の野球部員がひったくりを働き逮捕されたと元生徒を強調して会見をしていた。
同時に東城高校のある生徒の目撃証言が有力情報でタイホに繋がったこととその生徒は被害者の女性の元に駆け付け一緒に交番へ行き捜査に協力をしたとも強調していた。
物は言いようだなぁ。 大人って怖いなぁ。と思った。
事実でもどこを強調してどこをぼかすか?
この会見だと素行不良で退学した元生徒が犯罪を犯し現役の生徒が逮捕に協力したように見える。
実際は山井達は退学してなかったし僕が山井達とすれ違ったのも僕が外出禁止時間まで街をフラフラしていたからだし。
会見は県内では生で放送されてた。
会見が終わると佐季と山崎からライン外出入っていた。
山崎には後で電話すると返信し、佐季に電話をした。
「捕まったんだってね、山井君達。」
「昨日すれ違ったのはやっぱり山井達だったらしい。」
「野球部はどうなるの?」
「退学した元野球部員扱いだから奴等がいた時の恐喝の処分で半年の対外試合停止だって。」
「そしたら来年の夏には間に合うんだね。 良かったね。」
「本当に良かった。 色々な理由があるにしろ僕が絡んで山崎達の夏が終わるのは耐えられない。」
「で 隼平が野球部に戻ることは?」
「それはないから安心して。」
「分かった。 でも隼平はそれで良いの?」
「もう何度も考えて決めたことだから。 僕は佐季とインターハイに行く。」
「そしてインターハイが終わったら私達は。」
「それはそうなりたいけどインターハイ終わって福岡のホテルでとかそこまでリアルな話ではないから。」
「確かにそこまでリアルだと照れると言うかなんと言うか。」
「そう。 だから確定は佐季のインターハイを邪魔するようなことはしたくないってこと。」
「そうだね。」
「それとごめん。 山崎からもライン有ったからちょっと話してみる。」
「山崎君って1年制の別働隊を作って山井君たちから切り離した人だっけ? 最後の夏をも目指せるようになって良かったね。」
「本当にそれは良かった。 下手したら僕が山崎達の最後の夏を取り上げるところだった。」
「それは違う気がするけど。 じゃあまた明日ね。 おやすみ。」
「うん おやすみ。 2日続けて長く話せなくてごめん。」
「ソレは気にしなくて良いから。 またね。」
山崎にラインをしたらすぐに電話がかかってきた。
「おつかれ。」
「おつかれ。 山井達のこと、ありがとな。」
「いや 本当にたまたまだし。 でも野球部は半年の対外試合停止で最悪は避けられたな。」
「おぉ 現実的には無理でも最後の夏を楽しめる。」
「本当に良かった。」
「で、エースの枠空いてるんだが。」
「僕の高校野球はもう終わってる。」
「本当に悔いはないのか?」
「てか、僕をおいだした山井達の逮捕に協力して僕が野球部に戻ってヤバくね?」
「確かに・・・ 変な人が見たらお前がハメたのかと思えなくもない。」
「だろ? だからどの道復帰は無理ゲー。 元々戻る気なかったし。」
「そうか。 俺はお前のマウンドさばきすきだったんだけどな。」
「ありがとな。 数少ない味方だったもん。」
「そんなにやり投げ面白いのか?」
「実はまだ全力でやり投げたことなくて分からない。」
「なんだよ それ。」
「やりも無ければシューズも無ければ場所も無い。」
「南米やアフリカで野球流行らない理由みたいだな。」
「ホント 日本の野球は恵まれてるよ。」
「ところで1年2年関係なくロングティーやろうと思うんだ。」
「僕はロングティーとかひとりノックとか好きだった。 全身を使わないと打球飛ばないし。 空振り怖くて当てにいくことがないから。」
「言われてみたらその通り。 俺も1年生に見本でロングディーやってたらスイング大きく力強くなった気がする。」
「半年の対外試合停止長いけど頑張れ。」
「どうせ冬は練習試合ないし実質3ヶ月の対外試合停止みたいなもんだ。」
「そうだな。 ところで山崎 お前家庭教師やる気ない? まだ本決まりではないが」
「家庭教師かぁ。 将来先生になりたいから良い経験になるかな。」
「分かった。 ちょっと進めてみる。」
「って美礼ちゃんか? それは また話してくれ。」
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