75 愛生さんペース
「隼平君のために一肌脱ぐか。」
と言うと愛生さんは上着 ストッキングの順に脱いで行った。
「なにやってるの?愛ねー!!!」
「ちょっとシャワーを浴びようかと。」
全く紛らわしい。 って僕たちの反応を見て楽しんてるな。
「その 愛ねーのアレは最終兵器なんだから隼平をからかわないで!」
「隼平君より佐季の方が動揺してるけどね。」
「良いからシャワー浴びておいで。 あっ着替え持って行っててよ。 バスタオルで部屋を歩くとか禁止。」
「ヤバい。 バレてたか。」
愛生さんはペロッと舌を出した。
「あっ 良かったら山井情報仕入れとこうか?」
「良いんですか? 面白くない飲みなんででしょ?お姉さん。」
「まぁ でも隼平君の後輩に酷いことしてる奴らは許せないから。」
「ありがとうございます。 僕も周りに聞いてみます。」
「あーっ 洗濯物仕舞ったな。 ありがとう。 仕舞ったの隼平君?」
「仕舞っちゃダメなのかと焦ったじゃん、愛ねー。 それはノーコメントで。」
「はいはい あっ やっぱりシャワー浴びたらおにぎりと味噌汁よろしく
それとふたりでイチャイチャするなら私がシャワー浴びてる間に済ましてね。」
愛生さんって関西人だっけか?
僕はおにぎりを握りながら味噌汁を温めた。
「あっ 私達の洗濯物乾いてる?」
「多分 見てみるよ。」
僕はベランダに出た。
改めて触れる朝の空気に深呼吸をした。
それを見ていた佐季もベランダへ。
大きく深呼吸すると僕のほほにキスをした。
「えへへっ 誰かに見られたかな?」
「覗いてる人がいなかったら大丈夫じゃないかな?」
と佐季の方を向くと今度は僕の唇に。
「本当にしてんじゃねーよ、こっちはハズレ合コンの帰りなのに。」
シャワーを浴びTシャツとショートパンツの愛生さんはペロッと舌を出した。
「お姉さん、おにぎり出来てますよ。」
「サンキュー。」
「愛ねー 私達帰るからね。」
「ハズレ合コン帰りの私をふたりで慰めてくれないの?」
「慰める訳ないじゃん!!!」
佐季は結構怒ってるし。
「じゃー ありがとうございました。」
「帰るね、愛ねー。」
「はーい。 ホテル代より電車代の方が安いからまた使ってねー。」
最後までこの調子だった。
僕達は真っ直ぐ駅に向かい直ぐに電車に乗った。
土曜の朝の下り線はかなり空いてた。
僕達はとなり合って座った。
「隼平。 ごめん。 寝る。」
「佐季は寝てたんじゃないの?」
「あの状況で眠れた訳ないじゃん。 必死で寝たフリしてただけ。」
「まぁそうだよね。 僕も眠れなかったし。」
「それは気づいてたよ。 寝ないのにせっかくのチャンスでも襲ってこないし。」
と言いながら佐季は僕のほほを指でつついた。
「だからそれは。」
「うん。 分かってるよ。 隼平の気持ちが分かって嬉しかったんだから。 月曜からまた部活頑張ろう。」
「僕も ってか帰ったらフォーム固めしないと。」
「解析に行けて良かったね。 近藤さんは良い人そうだったし。」
「新津教授はあれだったけど。」
「あっ あの時ヤキモチやいてくれてありがとう。 ベタベタされるのイヤだったけど中々ねぇ。」
「佐季はイヤそうにしてたし、僕もモヤモヤしたし。」
「ヤキモチやかれるのって嬉しいねー。」
「佐季も愛生さんが僕をからかってるのに過剰反応してたし。」
「愛ねーをなめちゃイケナイ。 昔うちにいた猫のミーちゃんは愛ねーにとられたんだから。」
「僕は猫かよ。」
「例えよ。 例え。」
僕も佐季も眠いはずなのに全く眠くならない。
少しでも話していたかった。
「明日はゆっくり休むとして。」
「そうだね。 でも隼平は美礼ちゃんがうるさいんじゃないの?」
「塾の模試とかじゃなかったかな?」
「隼平って美礼ちゃんと仲良いよね?」
「愛生さんと佐季ほどじゃなくね?」
「同性の姉妹と異性の兄妹は違うでしょ?」
「最近はそうでもなくね?」
「てか中学生の頃は美礼ちゃんは隼平に抱きついたり腕組んだりしてたし。」
「あいつは胸も中身も男だから。」
「何それ? 美礼ちゃんに失礼。」
あれ?話が脱線し過ぎじゃね?
「佐季は来週の土曜日ひま?」
「予定ないよー。 ひょっとしてデートのお誘い?」
「うん。 せっかく水着買ったしプール行かない?」
「あの遊園地の花火が上がったプール? 行く行く。 あっ思い出したらニヤける。」
「そう言われるとニヤけるじゃん。」
「隼平って付き合いだして何日とかキスして何日とかの記念はしないの? 私はしないかな。」
「僕もしないかな。 そのうち毎日が記念日になりそうだし。」
「えっ? それってプロポーズ?」
「さすがに早くね? 別れる気は全く無いけど。」
「えへへっ 隼平と付き合えて良かった。」
それはこちらのセリフです。
あっと言う間に電車は駅に着いた。
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