65 不安と思いと
僕は視線を泳がせていた。
自分でも動揺してるのが分かっていた。
佐季が口を開いた。
「隼平ってさ。」
「うん?」
「本当に私のこと好きなの?」
「えっ?」
「誤解しないでね。」
「どうしたの?佐季。」
「私が抱きついたりこんな格好でも隼平は・・・ あっ誘ってる訳じゃないの。」
「う うん。」
「紳士過ぎると言うか 私のことをラブじゃなくライクなのかと心配なの。」
佐季は伏せ目がちに言った。
「えっとねぇ。」
僕は佐季を見つめて言った。
「僕は佐季を愛しています。
それは間違いない。
でも僕らはまだ17歳だし。
それに佐季は来年が最後のインターハイじゃん。」
「うん。」
「僕は男だからその場の勢いで佐季を求めちゃって。
それでもし佐季の最後のインターハイのチャンスを奪ったらと思うと。
それに焦らなくても僕は佐季とずっと一緒にいるからまだねっ。
ガマンしてないかと言ったらアレだけど無理はしてないから。」
僕の話をうなずきながら聞いていた佐季が涙をこぼした。
「えっ ごめん なんか あれ?」
僕はどうして良いか分からなかった。
「ううん。 違うの。
ちょっと考えたら分かるのに、私は空回りして。
ううん。 分かってはないか。
隼平が優しくて人の気持ちを大切にしてくれるのは分かってた。
でも隼平がそこまで私のことを考えてくれてるのは分かってなかった。
あれ? 何言ってるか分からなくなって来きちゃった。
でもこの涙は嬉しいからだから。」
「僕こそ。 言わないと伝わらないのにまた佐季を不安にさせてた。」
「いいえ。 私こそ。
でもね、隼平。 今は優しく抱きしめてキスして欲しいの。」
と佐季が言い終わる前に僕は佐季をだきしめて唇を重ねていた。
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