40/162
40 ブツリキライ
「そんなに余裕あった?」
佐季はファンクラブメンバーに聞いてた。
「スマホで動画取りましょうか?」
丸山さんが言ってた。
だから自分の練習は?
それから5本ほど跳躍をしたようだ。
ファンクラブメンバーと違い僕はダッシュしてたので正確な本数は分からないけど。
佐季と丸山さんがスマホを確認していた。
「こんなに余裕あるんだ。自己記録かも?」
「3本目からは佐季子先輩のベストの高さですよ。」
「そんなに高いの?」
佐季達は盛り上がっていた。
「隼平、隼平。」
佐季がこちらにかけ寄ってきた。
「隼平って名コーチ?
自己ベストだよ!」
と言いながら抱きついてきた。
いやいや人前だと照れくさいのハンパない。
「あー部活中にイチャついてる。」
ファンクラブの声がうるさかった。
当然の声なんだけどね。
「コーチと言うか。
陸上ってより物理の原理としてのアドバイスかな。」
僕は言った。
「物理・・・」
あれ?佐季の耳にフタがされた気がした。
「私は感覚派なので難しい話はワカリマセン。」
突然カタコトで話してるぞ、佐季。




