37 ファンクラブと話し合う
「野球部を辞めたと思ったら陸上部に誘ってくれた佐季子先輩をイキナリナンパですか?
これだから日なたを歩いてる野球部員は軽いって言われるんです。」
リーダー格の女子が言った。
「野球部の人ってランニングしてるフリして他の部活の女の子に声かけてるじゃないですか?
あの山井さんとか言うグループ」
リーダー格の女子の後ろから声がした。
山井達ってそんなことしてたのか。
僕は学校の外を走ってたから知らなかった。
「だいたい貴方は佐季子先輩と面識なかっですよね?
休み時間や登下校時に話してる訳でもなかったし。」
他の女子も声を上げた。
「僕は佐季子さんの幼馴染だよ。
小学校の頃に一緒に野球をしてて、一緒に甲子園に行こうと約束をしていたんだ。」
僕は答えた。
「でも女子は甲子園には・・・」
リーダー格の女子が言った。
「僕達はそんなこと知らなくて。
小学校の野球のチームを引退した後に知ったんだ。
その時泣きながらキャッチボールをする佐季子さんと甲子園に行くって約束をしたんだ。」
女子達は僕の話を聞いていた。
「でもちょっとしたすれ違いで僕は野球部のみんなに追い出されてしまった。
これまでも何度か投手失格と言われたけど佐季子さんとの約束を守るため野球部を辞めずに頑張ってた。
けど今回はどうしようもなく。
それこそ、その山井君達のグループに追い出されたんだけどね。
それに僕は学校の外を走ってたから山井君達がそんなことをしてたのも知らなかった。
元野球部員として謝るよ。
すいませんでした。」
佐季ファンクラブの女子達は顔を見合わせていた。
取り敢えず山井達とは違うと思ってくれたらしい。
山井。
あいつはモテたいためにエースになりたかったのか?野球部のためではなく。
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