117 ホテルの入口で
僕は送迎のバスには乗らず競技会場からホテルまで歩くことにした。
僕の言葉が足りなかったので佐季を怒らせちゃったから。
10分前後の帰り道だけど僕はどんな顔をして佐季のと形に座っていれば良いのか分からなかった。
会場から歩くと30分くらいかな?
歩きながら頭を冷やして佐季にかける言葉を見つけなきゃ。
それに最近の佐季がラス前に攻めてファールして最後の跳躍は足を揃えにいって失敗ジャンプを゙繰り返してるのは僕が1番知ってるんだから何かアドバイスしなきゃイケなかったんだ。
でどうする?
分からない。
分からないけどホテルに向かって歩くしかなかった。
攻めてファールして次に無難なジャンプで記録が伸びない。
どうすれば良い?
僕のやり投げの最後の投てきも攻めて力入って引っ掛けてダメだった。
力を抜く?
それが簡単に出来てたら最初から余裕を持って競技を゙進められるよね。
それが無理だから困ってる。
そっか。
練習の時から力みまくって攻めていけば良いのか。
なんのプレッシャーも無く何本も自由に跳んで自己ベストって単なる自己満足だよね。
練習から「これが勝負の1本だ。」と思って跳べば良いんじゃないかな?
後は謝るきっかけを゙どうしよう?
悩みながら歩いていてもホテルには近づいていった。
ホテルが見えてきた。
あれ?ホテルの入り口にいるのは佐季じゃない?
ウォーミングアップウェアってことはまだ着替えてないんだろ?
明日も競技なのに風邪引いちゃうぞ。
僕は佐季のところに走った。
佐季が僕に気づいた。
佐季も僕に向かい走ってきた。
「さっきはごめん。 取り敢えず着替えないと風邪ひくよ。」
と僕は言ったけど佐季は僕に抱き付いてきてただ泣きながら謝っていた。
取り敢えず僕も佐季を抱き締めた。
僕の肩に頭を埋めて泣いている佐季の頭を撫でた。
「もう大丈夫だから。 先ずは着替えないと風邪ひくよ。 それからご飯食べながら話そう。」
僕は佐季に言った。
佐季は顔を上げた。
泣き声は止まったけどまだ涙は流れていた。
「そうだ。 競技場では言えなかったけど3位おめでとう。」
と涙がこぼれる中で佐季は目一杯の笑顔で僕に言ってくれた。
「ありがとう。 佐季が陸上に誘って・・・」
僕が返事をしている途中でそのまま佐季は背伸びをして僕にキスをした。
「良し。 それじゃ着替えてご飯だね。
今日はしっかり食べるぞ。
と言うことで着替えたら一階に集合ってことで。」
固まってる僕を置いて佐季はホテルの中に駆けて行った。
僕は歩きながらホテルに入った。
ロビーには引率の森先生がいた。
「おぅ おめでとうな、鈴木。」
「ありがとうございます。 出来過ぎですけどね。」
「そんな事は無いだろ。 記録会の結果から見ても順当だ。 良くやったな。
あっ 飯まだだろ? 早く食ってこい。」
「はい いってきます。」
森先生と別れてエレベーターの前に行くと魚田さんや西部さんがいた。
「あっ 鈴木君 おめでとう。」
「ありがとう。 出来過ぎだけどね。」
「そんなことないよ。 そうそう佐季ちゃんと話しした?」
「さっきホテルの前で話したよ。」
「そっか良かった。 で鈴木君は今からご飯?」
「うん。 佐季と待ち合わせ中。」
「そうか。 お邪魔しちゃおうかな?」
「もう食べだけど乱入しようか?」
「そうだね。 食堂に戻ろうか。」
かしまし4人娘と色々話してると佐季がエレベーターから下りてきた。
もう佐季の目に涙はなかった。
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