115 衝突
僕が幅跳びの待機所に行くと佐季は座り込んでうつむいていた。
完全に落ち込んてるな。
なんと声を掛けたら良いんだろうと思いなら
「お疲れ様。」
と言った。
「うん・・・」
佐季はうなずいてはいるが心のここに有らずって感じだった。
そして会場を後にしながらボソボソと話しだした。
「インターハイの時も勝負に行ってファールしてその次はビビッて踏み切りそろえに行って記録が伸びなかったんだよね。 隼平も見てたでしょ?」
「うん テレビで見てた。」
「あのミスり方 もう何回やったんだろ。」
「僕も最後の投てきは力入り過ぎて引っ掛けて記録伸びなかった。」
「隼平はまだ初めてのミスだから。 私は高跳びはこんなことないのに幅跳びは良くやっちゃう。 幅跳びの方が得意なハズなのに。」
「そうだよね。 だって国体選手だし。」
「そうなんだけどね。 毎回毎回全国大会で同じミスをするとイヤになる。」
「毎回毎回全国大会に出れるってスゴいと思うんだけどな。」
「で 隼平はどうだったの? 途中首位だったよね?」
「最後にふたりに抜かれて3位だった 最後の投てきは力入り過ぎて引っ掛けてダメだったし。」
「イキナリ3位か。 さすがだね。 それに比べてて・・・」
「佐季がやり投げ勧めてくれたから。 それに佐季は幅跳び本職じゃないじゃん。」
「それを言ったら隼平はやり投げ何投目?」
「何投目だっけ? 記録会も゙入れて3試合目。」
「やっぱり才能ある人は違うね。」
「何言ってるんだよ。」
「だってイキナリ全国3位とか才能の塊じゃん。」
「そんなことは・・・」
「そんな人に同じミスを繰り返す人の気持ちなんか分からないのよ。」
「それ 本気で言ってる?」
「だって全国デビューでいきなり3位じゃん。」
「じゃあ 佐季は自分がやってたことを人に否定されて辞めさせられたことある? 性別じゃなく成績で。」
「あっ・・・」
「試合に勝つ負ける以前に練習試合も゙組めないとか言われたこと・・・」
「ごめん そんなつもりじゃ・・・」
沈黙が続いた。
魚田さんや西部さん達がいた。
「佐季 お疲れ様。 残念だったね。 鈴木君はおめでとう。」
「ありがとう。 で ちょっと佐季を゙頼む。 今は僕はいない方が良いみたいだから。」
「えっ? ちょっと何があったのよ?佐季。」
「隼平の言う通り。 ちょっと一緒じゃない方が良いのも。」
「何言ってるの? ふたりとも。」
「ごめん。 佐季を゙お願い。」
俺はそう言ってみんなに佐季を゙頼むと引率の先生を探した。
ちょっと親類がいたので食事して帰りますと伝えてホテルに向かい歩き出した。
その頃の佐季達は。
「どうしたのよ?」
「最近の゙幅跳びの試合はラス前に攻めてファールに鳴って最後は踏み切りを゙合わせにいって失敗ジャンプばかりでさ。」
「あー気持ちは分かる。」
「で 隼平は全国デビューデビューいきなり3位で。 ちょっと八つ当たりしちゃった。」
「鈴木君 最終投てき始まるまで首位だったんだよね。」
「えっ そうだったの?」
「で 佐季が最後のジャンプで記録伸びなくてフラフラしてたじゃん。」
「そうだっけ? 正直 そこら辺の記憶は自信ない。」
「スタンドから見てもフラフラしてたから鈴木君はの所からでも見えてたんだろうね。 鈴木君の最終投てきは走り出しから硬かった。」
「そんな・・・」
「分からないけど佐季の分もって力が入ってたっぽいけどね。」
「私はそんな隼平に才能が有る人は違うとか言っちゃった。 隼平は好きだった野球を゙周りに辞めさせられたのに。」
「そうだったんだね。」
「謝らないと。 って隼平は?」
「バスには乗ってなかったね。 先生と話してたし何かあったのかな?」
「そんな・・・」
「って泊まる所はここしかないし帰って来るよ。」
「でも門限過ぎたら話せないし。 あっスマホ。 って充電切れてるし。」
成績や記録以上に佐季の周りは変な空気感だったらしい。
俺も少し頭を冷やす時間が欲しかった。
評価ブクマありがとうございます。
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