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114 やり投げと幅跳びの決勝を終えて


国体一日目午前中が終わり決勝に進んだのは僕のやり投げと佐季の走り幅跳びだけだった。

決勝を前に佐季の仲良し女子グループが幅跳びのあるメインスタンド側に集合してた。

佐季は

「決勝で戦えそうなのは私より隼平だからあっちを応援してよ。」

と言っていたが女子グループは

「私達が応援するより佐季のアイコンタクトが必要なんじゃない?」

と言っていた。


予定に反して佐季の走り幅跳びが先に始まった。

佐季の話だと良くて10位くらいかな?とのこと。

確かに予選の記録や自己ベストを見ても佐季より記録が良い選手が12人いる。

てか本職に混じって7種の選手が決勝に残るだけでもスゴいと思うんだが。


やり投げの選手がフィールドのテントに集まった。

ここからだと幅跳びのスタート地点が死角になるんだよなぁと思っているとテント後ろのウォーミングアップゾーンからははっきり見えた。


スタート地点に向う佐季と目が合った。

軽く微笑む佐季。

緊張はしていないようだった。

まぁ本職に混じっているんだから当たって砕けろ精神か。


佐季が助走を始めた。

相変わらずキレイなフォーム。

スピードに乗った助走から美しいアーチを描く跳躍。

多分フォームやスピード感は本職に混じっても遜色無いんだろう。

ただ幅跳びにしろ高跳びにしろ跳躍系の選手に混じると佐季の小柄さが目立つ。

かと言ってもっと大きかったらあのスピードが出せたか分からないから難しいんだろうな。


そうこうしてる間にやり投げが始まった。

知った顔が多いのか意外に和やかな雰囲気で話し声が響くテント内。

とは言え僕は話す相手はいない。

僕の一投目。

幅跳びの控えの場所を見ると佐季が笑顔でうなずいていた。


助走を始める。

思い通りのステップに腕の動き。

狙い通りの角度に投げ出してやりに回転も入ってる。

少ない経験ながら過去一の手応えだ。

ほぼ風もない中落ちかけたやりがもう一伸びしたように感じた。

スタンドから歓声が上がった。


記録を待った。

個人的には自己ベストの手応えだが。

記録が出た。

自己ベストどころか予選を通じて全体で一位、今シーズンでも一位の記録が出た。

幅跳びの控えの場所からも記録が見えたのか佐季はこっちを見るとガッツポーズをしていた。

僕も小さく拳を握った。

とは言え予選で僕より記録が良い2人は一投で決勝を決めて後は投げていない。

まだまだ余力があるはずだし何と言ってもインターハイの一位と二位の選手。

記録は伸ばして来るだろう。


と思っていたらその2人は予選の記録を下回っていた。

ひょっとして俺の記録がプレッシャーを掛けたのかな?


と思っていたら視線を感じた。

佐季がこちらを向いてた。

小さくうなずく佐季とそれに応えてうなずく僕。

僕の後ろから

「今さ 島井さんがこっち向いてなかった?」

「そう? 見てなかったや。 この後ろのスタンドに誰か居るんじゃね?」

「視線の高さはこの辺な気がしたけどな。」

「少なくとも俺やお前を見てる訳ないから心配するな。」

「確かにな。」

「しかし今やり投げの1位のヤツ誰だよ? あんなぽっと出って近くにいた・・・」

「・・・」


そりゃ顔知らないからどこにいるか分からないよな。

と思ってたら佐季はファールだったみたいだった。

やっちゃったってペロッと舌を出してた。

攻めたんだろうな。近くにいたら気にするなって言えるのにと思ってる間に僕の二投目。

今度も手応え有る投てきだ。

記録も一投目を゙上回った。

佐季は驚いたように固まっていた。

この投てきが少しでも佐季に力を与えたら良いのだがと思った。


佐季の最後の試技。

視線を合わせて同時に何度かうなずいた。

佐季が走り出した。

が、踏み切り前にスピードが落ちた。

さっきのファールを゙気にして踏み切りを゙合わせにいったのだろう。

ここから見ても全然飛んでいない。

佐季は記録も見ずにスタート地点に戻ろうとして慌てて止まっていた。

全く冷静じゃないのが丸分かり。

その後もフラフラと待機所に戻っては座り込んでいた。


佐季の分まで頑張ろう。

と気合を入れた三投目。

ちょっと力が入ったのか引っ掛かり気味に左側にやりが出た。

高さも出てないし本日最低の記録。

その後はインターハイ一位二位の選手が底力を゙出して僕より良い記録を゙出した。

結果僕は三位。

全国デビューとしてはまぁ良い感じか。

「やるな 新人。」

「ああ 優勝されるかと思った。」

「これからもよろしくな。」

数人に話し掛けられながら握手をした。

でも次に会った時に覚えてるかな?と心配になった。


それより早く佐季のところに行かないと。

評価ブクマありがとうございます。

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