107 家庭教師後の3人の会話
無事に山崎の家庭教師初日が終わった。
美礼のベッドでマンガを読んでいた僕は美礼に怒られて床に座った。
いつもはベッドで寝てても怒らないのに山崎がいるから気にしたのか?
家庭教師が終わると3人で雑談が始まった。
「ところで隼平は野球部に戻らないのか?
」
「えっ?アニキ野球部に戻るの?」
「だから山井とかのこともあるから無理だろ」
「俺はお前のマウンドさばき好きだったんだけどな」
「山崎さん 分かってる。」
なぜ僕の話になると人見知り出さずにノリノリで話すんだ?美礼。
「隼平は島井さんに奪われたからな。」
「お前のものだった記憶がないんだが。」
「佐季ちゃんはアニキの幼馴染で初恋の人ですから。」
「初恋とか言ったっけな?」
「ってアニキは否定してませんよ、山崎さん。」
「俺が隼平と仲良くなったのは中学になってからだからなぁ。」
「そうだ、美礼。 佐季と山崎で面白い話有るんだぞ。」
「やめてくれ、隼平。」
「美礼なら佐季には言わないから良いだろ。」
「何それ? 聞きたいし秘密は守る。」
「山崎は小六の佐季の野球してる姿見てちっちゃいけどセンスにあふれた男の子いるな、と思ったんだって。 それも中学や高校でもアイツがいたらうちの高校ならレギュラーと思ってたんだぞ。」
「えっ?佐季ちゃん可愛そう。」
「小六で野球してて真っ黒で小柄なら間違いもするだろ。」
「ここに未だに小柄な夢見る少女いるけどな。」
「他の男の人がいる前でツッコミ辛いコメントはやめて。」
「何だよ、照れてるのか?」
「んなわけじゃないけど・・・」
「どうした?美礼ちゃんをいじめるなよ。」
「やっぱり山崎さんは良い人ですね。」
「何だよ 山崎と美礼は相思相愛か?」
「何を言い出すんだよ。」
「何を言ってるのよ。」
「おっ ほぼシンクロ。」
あれ?ふたりとも静かになった。
少しからかい過ぎたか?
僕は話題を変えるために野球部の話にした。
「で新チームのエースは誰にするんだ?」
「それがいなくて困ってる。 俺が思ってたエース候補は隼平が言う通りナイスバッピーっぽい。」
「バッピーってなんですか?」
「あっごめんごめん バッピーってのはバッティングピッチャーのこと。 練習で打たせることを目標にしてる投手。 美礼ちゃんいるのに分からない言葉使って悪かったね。」
「良いバッピーって打ちやすい素直な球を泣けるんだよ。 試合で泣けるなら汚い球が一番。」
「アニキは球だけじゃなく性格も汚いけどね。」
「おっ さっきの反撃か?美礼。」
「言ってやれ 言ってやれ 美礼ちゃん。」
「ですよね!山崎さん。」
おっこの感じ。
美礼のスーパー人見知りが出てない。
案外このふたりは良い感じになれる?
と思ったけど今は静観するのが正解っぽいな。
「お前はシート打撃とかで投げないの?山崎。」
「俺は投手の器じゃないと言っただろ、隼平。」
「試す価値有ると思うけどな。 性格は素直だけどあの球はえげつない。」
「まぁ対外試合停止だから紅白戦をやって一通り投げさせるつもりだけどな。」
「対外試合停止 悪かったな。」
「半年で済んだのは隼平のおかげだよ。 ありがとな。」
「全く。 佐季ちゃんもだけど山崎さんも直ぐに私を忘れてふたりの世界に入るんですね。」
「ごめん ごめん。 今度の家庭教師の時にお土産持ってくるから許して。美礼ちゃん。 何が良い?」
「そしたら駅近のケーキ屋さんのフルーツタルト。」
美礼が遠慮してない。
やっぱり良い感じかも。




