106 山崎の家庭教師初日
今日は始業式だけで学校は午前中のみ。
とは言えおにぎり2つ食べて陸上部の部室に行った。
部室には2年生の阿部と河野がいた。
「夏休みの間に陸上部に入部した鈴木です。」
「よろしく。」
「阿部です。」
河野は100メートルと200メートル。
阿部はそれに幅飛びをやっているそうだ。
とは言え二人とも県大会にさえ行ったことがないとのこと。
進学するには部活してた方が良いかな?って感じらしい。
因みに二人とも100メートルのベストは僕と同程度だった。
1年生の部員が5人ほど居るが今日は夏休み明けのオリエンテーションの説明で部活には来れないと連絡があったらしい。
なるほど佐季が練習してるのにファンクラブ学校は一人もいなかった。
そう言えば今日から山崎が美礼の家庭教師に来るんだった。
朝から美礼は動きがロボットみたいだったし大丈夫なのかな?
家に帰ると美礼が山崎用のイスの位置をあっちでもないこっちでもないと落ち着きなく動かしていた。
家庭教師を受ける時の服もいっぱいベッドに並べては鏡の前で自分に当てて悩んでた。
「お前はデートにでも行くのか?」
と部屋の外から声をかける
「他人に見せるなら可愛い格好が良いじゃん。 こっちとこっち アニキならどっちが好み?」
「僕の好みは生まれたままの姿だな。」
「アニキにて聞いた私がバカでした。」
「男なんてみんなのそんなもんよ。」
「そんな人に家庭教師頼まないで。」
「思ってることを全部するわけじゃないから許してくれよ。」
「だからって妹の胸をチラチラ見ないで。」 「どこが胸だよ? まぁ山崎はおっぱい星人ではないからワンチャン有るかもな。」
「私はまだまだ発展途上です!」
まだ最初の一歩を踏み出してない気がするんだが・・・とは言わないでおこう。
それがアニキの優しさだ。
8時少し前に山崎が来た。
坊主頭でデニムにTシャツって僕と双子ルックでもするつもりか?
って僕と同じでファッション分からないんだろうな。
幸か不幸か半年間対外試合停止だから髪伸ばしても良いんだろうけど炎天下でヘルメット被ると考えたら坊主が楽だもんな。
山崎が美礼の部屋へ行く。
一応間違いがないように暫くは僕も美礼のヘヤにいることにした。
山崎がそうしたいと言っていたので。
「こんばんは 美礼ちゃん。」
「こんばんは この間ぶりです 山崎さん。」
やっぱり人見知りの美礼は「この間ぶり」とか不思議な挨拶をした。
社会の家庭教師。
僕は地理は高校野球の故郷紹介や国際大会の国の紹介などで覚えた。
日本史はテレビの歴史番組で。
だから社会の勉強の仕方は本当に分からない。
山崎の教え方が僕にも参考にならないかと思ってたので山崎に家庭教師の話を持っていったのもあった。
教科書や問題集の前に山崎はポケットサイズの要点まとめみたいな本を出した。
山崎はこれで勉強したらしい。
もう要らないから美礼にプレゼントするそうだ。
人が使って要点をもう一段階チェックしてあるのが楽だと言う美礼にはバツグンのプレゼントだと思った。
「ども ありがとう ございまっす。」
しかしなぜ美礼は日本語がカタコトになる?
緊張し過ぎだろ。
思わずニタニタしていたらしく美礼に怒られた。
「それともう一つ。」
と言いながら山崎は手作りの問題を取り出した。
日本史、世界史、日本の地理に世界の地理の基本を集めた問題。
定期的に部門別の問題を解いてどこを中心に勉強するか決めるらしい。
いくら好きだからと言ってどれだけ美礼のために時間割いてくれてるんだよ、山崎。
お前なら義理の弟になっても良いぞ。
って冗談はさて置き、これなら山崎に家庭教師頼んで良かったと思った。
人見知りの美礼はガチガチに緊張してるけど他の人ならもっと緊張してただろうし。
評価ブクマありがとうございます。
誤字脱字報告助かってます。




