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ある朝、曇りのち雨の憂うつ

作者: 神凪
掲載日:2023/05/19

気分が乗らず、誰にも相談できない今朝、文章に書いてみました。

 気分が乗らないのはお年頃のせいか。

 私がそう感じるときには、きっと脳内の化学物質が私にそうそうさせているのだ、と思う時がある。

 自我というか理性は、間違いなく体内の代謝と分泌をコントロールできない、と信じる。

 できるのはヨガの行者のような限られた人たちなんだろう。

 とりとめのない思考は、もちろん回ったりしないのだけど、現れては消え、消えては浮かび、また言葉になって頭の中に現れる。

 50歳になって、中年期の更年期障害があるということも理解している、もちろん理性で。

 これもきっと男性ホルモン分泌の低下などからくるものなんだろうし、その分泌量の低下というものも疑いなく老化といってよいだろう。

 となると、ただ老化によって気分が乗らないのだろうか?

 私の気分が乗らないのは、自己肯定感と自己重要感が落ちていることなのだが、いずれも自分の内面をきっかけに始まるものではなく、外部からの刺激に応じて生まれ、育ち、縮み、傷つき、再生し、と、目まぐるしく変化するのだろう。つまり、いきなり自己は肯定も否定もしない、ただ自己というか自我がある、というところから始まっているように思う。

 老化と外部からの刺激はどう関連するのか?リアクションとしての内分泌が以前と比べて変化している、といえるのではないか。老化のみならずその日の睡眠の状態とか飲酒喫煙、まあしていないけど、していればそうなるだろう。


 普段は4時30分に起床、出勤なら。在宅勤務の場合は寝られるだけ寝るのだけど、それもおおむね6時30分まで。起きて顔を洗い歯磨きをして普段通り神棚でお礼のお参り。結構時間をかけてぶつぶつと手を合わせる。お願いごとも予祝も多く、守ってもらいたいと思う大切な人々のことも丁寧にお願いしている。食洗器から洗い終わった食器を取り出して食器棚に片づけ、自室へ。着替えて玄関を出る。まだベッドにいる妻に玄関から聞こえないようにこっそりと「いってきます」と「今日も一日いいことがあるように」という祈りの言葉をかけて出勤。

 重く薄い灰色の雲はのしかかるように空を覆って、もうこの時期なら見える太陽を隠している。向かいの古いビルを取り壊したところの地盤を整備しているようで、「リスクアセスメントで安全作業」の文字が高らかと掲げられている。そのとおり。人生リスクしかないよ。

 駅に到着して改札を抜け、始発電車の次の電車で職場の最寄り駅まで。途中で快速電車に乗り換えるようにしているが、数分到着が変わるだけなので、本当は始発電車に間に合うように出勤するのがいいだろう。最近は観光客も増え、大きなキャリーバックを引いた人たちが待っていたり下りてきたりすることもある。彼らはどこからきてどこに行くのか、まったくもって気にもならないが、自分もノンビリと時間が取れると本当にうれしい。このゴールデンウイークも時間が取れなかった。取り立てて理由もなく。

 始発の次の電車でも乗客はそこそこいる。転職して数年、ほぼ同じ時刻の同じ車両に乗っていることもあり、似たような顔に出会う。季節によっていなくなったり、曜日によっていない人もいるが、一風変わった方もいる。同年代の会社勤め風のスーツの方で、日経新聞を座席いっぱいに広げて読んでいるが、私の降車する駅の二つ前から乗り込み、私の降車駅で降りて、さらにまた逆方向、上りの快速に乗り込んで戻っていく。私が思うに、彼は明らかに前に進んでいないのだけど、電車に乗り新聞を読むことを目的とすれば、それで目的は達成されているのだろう。

 降車後改札を出て出社前にコンビニに寄る。以前はローソンに通いつめていたが、少し前からミニストップに変更している。ただ、今日はファミリーマートに立ち寄る。ここも理由はなく、なんとなく足の向いた感じ、歩いている感じで決めている。駅前にバスターミナルが広がっていて、そこを通らねばならず、時々早朝にもかかわらず人がならんでいることがある。高校生か中学生くらいのジャージ姿が大きな荷物を抱えたり背負ったりして行列を作る様子は時々ぎょっとするが、これを見ると何となく通り過ぎて、先のファミリーマートに行きたくなる、というのはある。

 コンビニで買うものもほぼ同じ、こういう生活は脳科学的、このような学問体系が存在するかどうかしらないけど、少なくともライフハック的には、同じ行動を継続するのは良くないらしい。新しい刺激、は常にある方がいいとか。新しい刺激ばかりだと気持ちが落ち着かないと思う。やっぱり、一緒に下りの快速を降車して、直ちに上りの快速の乗車の列に並びなおすあのサラリーマン風を見ると安心する。

 小説なら事件でも起きたいところ、転生してもいいし、絡まれるなどあってもいい。

 なにも起こらず、というか、精緻に記述できるほど明確に記憶に残る出来事は起こらずに、オフィスに到着。そこで、いらいらと憂うつな気持ちが湧き上がってくる。全く気分が乗ってこない。

 まず昨日の自分のことが現れてくる。できるはずのことをせず、気を付けてみていれば気付いていたことに気づかず、気づいたときにうまく修正せずそのままにしておく。これは昼休みに同僚たちとプレイするフットサルのことなんだけど、私はこの程度くらいのサッカーバカ、ということ。で、このことは、自分の人生に対する態度と重くとらえていて、できなかったこと、というより、怠けてうまくいかないことでいらだつ自分に情けなさを感じ悲しくなった、というのが今の私。


 曇りのち雨、憂うつだけど、また今日もはじまった。

 憂うつなので小説に書いてみることにした。


最後まで読んでくださいまして、本当にありがとうございます。

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