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ヤバいもんを察知する能力も高え

エドナの姿をした<クモの怪物>に、俺はまったく容赦のねえ崩拳を叩き込もうとした。


ある程度ぶちのめしゃ記憶が戻ったりするかもしれねえと思ったけどよ、残念ながらそういうのじゃなさそうだって察しちまったんだよ。


本気の殺気がとんでもねえしよ。エドナが正気に戻る前に俺が殺されちまったらそれこそ意味ねえしな。


だってのに、クモの怪物は、何かを察したのか後ろに飛びのきやがった。


こいつ、強え!


単純な力とか身のこなしだけじゃねえ。ヤバいもんを察知する能力も高え。そういう奴が一番厄介だ。しかも、単純な力も速さも身のこなしもかなり高えレベルで持ってやがる。


こりゃ一筋縄じゃいかねえぞ。


別に舐めてたわけじゃねえが、見た目が知ってる奴なだけに、正直、気が散ってたのはあるだろうよ。


まったく、厄介だぜ!


それでも引き下がるわけにゃいかねえなあ!


俺は自分から突っ込んで掌打を食らわそうとした。そうしたら今度はそいつは真上にジャンプして、そのでけえ体で木の上に乗りやがった。


さすがにその図体じゃ枝一本にゃ乗れねえから他の枝にも体重を掛けてたけどよ。六本の脚で。


脚が六本ってこたあ、クモじゃねえのか。昆虫ってヤツか。


まあでもそんなのあどうでもいい。図体の割にゃ体は軽そうだ。あのクモみてえな昆虫みてえな体は、中身はそんなに詰まってねえみたいだな。


それでも二メートル以上は軽々飛び上がり上がったから、体重と筋力の比率はとんでもねえことになってそうだ。


しかも、上を取られた。が、そのでけえ図体じゃあ、死角も多いだろ。


と一瞬は思ったが、待て待て、本当にそうか? 本当にそんな単純な相手か?


そんな予感が頭をよぎる。それを確かめるために俺は、そいつの真下に入ると同時に、方向転換した。


自分の真下に行こうとした俺をそのまま追ってりゃ見失っちまうそれだ。なにそのエドナそっくりの怪物は、しっかりと俺が移動した先に頭を向けてきた。死角のはずの位置で俺が方向転換したのをしっかりと察知してやがったんだ。


間違いねえ。こいつは、どうやってかは分からねえが、目で見る以外の方法でも相手の動きを見てやがる。まったく、どいつもこいつも驚かせてくれる。


でも、だからこそ面白えよなあ! 生きるってのはよお!


てめえの持ってるもんをとにかく活かして何とかしようってことだからなあ!


それを試しもしねえで、


『自分には何もできない』


だとか、寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ!


もったいねえじゃねえか!



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