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普通にリスク高えだろ

それに考えてもみろ。こいつらを全滅させようとするってこたあ、それだけこいつらと戦うってことだぞ? 向こうから襲ってきたのを撃退するんじゃなくてこっちから殺しに行くんだ。普通にリスク高えだろ。馬鹿な俺でもそのくらいの損得勘定はできるっての。


で、<カマキリ女>の方は、俺を睨み付けたまま地面に這いつくばったままじりじりと下がり始めてた。まあ逃げるつもりなんだろうな。


と思って俺が一瞬視線を外すと、飛び掛かってきやがった。


だから俺は、今度は膝をそいつの顎に叩き込んでやる。まったく、油断も隙もねえ。けど、嫌いじゃねえぜ。そういうの。


俺自身、背中にさっきの冷たいのとは違う、ゾクゾクしたもんが奔り抜けたよ。


そいつの頭が爆発したみてえに弾けたが、それでも『死んだ』ってえ印象がなかった。ははは! ホントに頑丈だな、こいつ!


実際、そいつは体を回転させながら地面に落ちつつもしっかり着地して、態勢を整えてきた。いやまったく、大した奴だぜ。


だがさすがに二度の不意打ちが通じなかったことで不利だと悟ったか、今度はそのまま下がって茂みの中に消えていった。完全に姿が見えなくなってから、ザっと遠ざかっていったのが分かる。


と思わせてまた襲ってくるかもしれねえけどな。それにあいつだけとは限らねえ。油断はできねえな。


それでも、俺は逆になんだか楽しくなってきてた。あんなのが普通にいる世界ってことなら、俺のこの力はここじゃ特別じゃねえってことだ。いいのを二発も入れたってのに死なねえんだから、俺も存分に自分の力を発揮することができるってこった。


確実に殺すにゃ、首でもへし折ってやるしかなさそうだしよ。


もっとも、素直にそんなことをさせてくれそうにはねえな。地面に這いつくばってた時でも、勝ち誇ってとどめを刺しに行ったら逆襲されてた可能性が高い。迂闊に近付かなかったのは正解だったかもしれねえ。


まあなんにせよ、退屈はしなさそうだ。前の場所はどうにも退屈だったし、そっちよりゃマシか。


他の奴らはあっちの方がいいだろうけどな。


と、空が明るくなってきた。さっきまで雨が降ってたんだろうなって天気だったのが回復していってるってとこか。


だが、日差しはやっぱりそんなに強く感じねえ。元々の気温がそんなに高くねえ感じか。三十度はいってねえだろ。


ま、過ごしやすいのはありがてえ。


とは言え、まずは寝床を確保しなきゃならねえな。水も食料も確保できたんだしよ。


んじゃ、テントでも用意すっか。



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