コンパス
丁寧に切り取った円の内側を
大切にしながら
粗雑に扱った円の外側を
捨てている
分けることは簡単だ
大きさも自由だ
個人単位に
好き嫌いをいくらでも乗せ
それで自己完結したら良い
間違えるということは無い
誰でも出来る部分である
あなたが嫌いなものへ向けた
それっぽい論理を使って
あなたの好きなものへ向けて
衝撃を与えることは可能だ
誰も割って入って来ないのは
自分の好きなものを守りたいからだ
誰でも繰り返し使える手法だから
自分へ向かないようにしている
自分の円が歪になることを
嫌っているのである
声がデカいというのは
好きなものを
戦場に持っていくのと同じである
大切にしていない訳ではないが
銃弾が当たれば諦めが付く状態
諦めてからは縛られることは無い
大切にすることも
手法は自由であって
千差万別である
危険に晒すことが
愛情表現であると
認識しているように見えたりもする
それを利用した声がデカいの形は
途中から
何かが分離したと分かるのだ
好きだったものが被弾し
煙が上がったから
被害を最小限にする為に
自分からパージする
それに近い形なのだ
だからといって
趣向が変わる訳ではないから
また次の好きを
小脇に持ってくる
最初に描いた円の大きさ分
パーツが幾らでもあるのだ
他人に通用する好きを
他人に決めさせる為に
使い捨ての好きを無数に用意する
他力本願に近いが
自分でも決めている
後で、他人に通用した好きに
心底、心酔する為である
正しさに適するとは
そういう形に近いのだ
自らの根幹から出ている好きとは
かなり違う好きになる
純度が低くなっているからだ
円が小さく変化した
知識と経験と他人が
それを変えるのである
仕方ない部分と
そうではない部分
それを決めるのも自分ではあるが
最初に描いた円は死んでいる
ズレてもいるし
縮小もしている
せっかく内側と外側に分けたのに
その意味が全く無い
想定外でもある
誰にも決められていない正しさを
誰かが決めるということは
一人一人に
それだけの物事が起こってしまう
誰かが小さく纏まることを
容認もしている
無言であったとしても
その場が確立する
空間に干渉して
浮き沈みするのである
縮小しているとは
誰も指摘はしない
定義が逆だからである
拡大しているとするなら
何かをいう必要は無い
それが最初からの目的である
小さくすると操り易くなる
運び易くなれば
一ヶ所にたくさん纏められる
簡単である方が
制御し易いのだ
子供の頃なら当てはまったものを
大人になっても当てはめている
選択肢を増やすのではなく
選ばれ易いように
限定しているのだ
それは増えたように見えるが
簡単に選べるくらいに少ない
本来なら
簡単に選べないほど多いものである
新しいが付くだけで
数や方向を勘違いするのだ