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廃人によるボス戦

「……なんて事だ……」

 私の目の前には降り階段があった。

 hawk bridgeさんと合流する前に階段を見つけてしまった。

「どうする? 戻ってもいいが、流石にここに戻れるか分からないぞ」

 マッピングしているとは言え、完璧ではない。

 hawk bridgeさんにここまでの道順を教えたところで、入り組み過ぎていて来れそうにない。さらに言えば、一人で行動しているとこのダンジョンでは生き残れそうにもない。

「仕方ない……hawk bridgeは二階の村で待たせる」

 私はhawk bridgeさんに『村に戻れ』とメッセージを送った。

 すぐに『了解』と返事が来たので、そのまま私達は次の部屋に進んだ。

 次の階層は、教会を禍々しく改変した様な部屋になっていた。

 紫の禍々しい壁に、同じ様な床。赤い絨毯が敷かれ、その先には立派な王座があり、そのさらに後ろには美しいステンドグラスがある。部屋の端には大きなピアノがある。

 そして無数に用意された長椅子が存在し、その一つに痩せ細った男が座って祈りを捧げていた。

 その男は私達に気付いたのか、話をしてきた。

「お前達も祈りに来たか? この邪神様に」

 邪神様は多分、ステンドグラスに描かれた悍しい魔物だろう。

 邪神なんて信仰しているなら、相当な敵だと思う。この層のボスか何かだろうか?

「この邪神様への逾医j縺ッ雋エ讒倥?豁サ繧剃サ・縺ヲ螳檎オ舌繧」

「また文字化けか……アンブラァ。とりあえず倒すぞ」

「ああ」

 敵のレベルはバグっていて分からないけど、他と雰囲気も違ってかなり高いだろうと予想できる。

 でもこっちだってMPは満タンだし、戦えない事はないだろう。

 戦闘開始と共に、RKさんは抜刀して斬りかかった。

「雋エ讒倥?陦檎ぜ繧貞?縺ヲ辟。轤コ縺ォ」

 敵は斬られる直前に奇声を発したと思うと、刀の軌道上にグラフィックバグが発生した。刀はそれに阻まれてしまった。

「なんだあれは?」

「見たらわかるだろ。バグだ。多分防御系魔法のグラフィックがバグってるんだ」

 RKさんは冷静に言っているけど、またバグか。バグは何が起こるか分からないから怖い。警戒は怠らずに戦おう。

「雋エ讒倥◎縺ョ繧ゅ?繧ら┌轤コ縺ォ縺励※繧?k」

 また奇声を発したと思い警戒した。

 でも攻撃らしい攻撃が出なかったので、魔法を使おうとした瞬間、私は急に弾き飛ばされた。

「ウグッ」

 どうやらバグで魔法が透明化しているらしい。

 このグラフィックバグばかりの敵と対峙したのが私でよかった。

 私は大きく深呼吸をして、プログラムを覗いた。

「うわっ! ひっどいプログラム。適当でごちゃごちゃね。デバッグも何もしてないのかな?」

 驚いて現実でそう呟いてしまった。それにしてもこれで正常に動くのは奇跡とも言える。

 まあでも、攻撃判定を見る分には十分かな。

 プログラムを見る限り、敵は剣を取り出した様だ。

「ウェポンチェンジ『弓』」

 私の武器は弓に変わった。思いっきり引っ張り剣目掛けて矢を放った。矢は剣に命中すると同時に、その剣を二つに折った。

「蟆冗飭縺ェ」

 表記は相変わらずだけど、内部データではしっかり『小癪な』と言っていた。

 そして魔法を展開し、私に攻撃を仕掛けてきた。透明化していても、私には見えている。

 私は魔法を弓で撃ち抜いた。

「攻撃は防ぐ。お前は攻めろ」

「ああ、分かった!」

 RKさんは刀で滅多斬りにしている。反撃しようとした敵の攻撃は、事前に私が全て撃ち落とした。

 そんな攻防を繰り返していると、敵が再び奇声を発して変形し始めた。ラスボスなんかによくある第二形態だ。

 背中からコウモリのような翼が生え、額から禍々しく捻れたツノが伸び、体も段々と人型を保たなくなる。

 そして、巨大な龍へと変貌を遂げた。

「気持ち悪いな」と言ってRKさんは敵の羽を切り落とそうとした。

 敵はその巨体に似合わない俊敏な動きで刀を防ぎ、そのままRKさんを投げ飛ばした。

 私は近づくのは不味いと思い、遠距離から弓を放った。

「辯戊ソ斐@」

 そのセリフの内部データに私は驚愕した。『燕返し』と言っていたのだ。

 矢は途中で砕け散った。

 プレイヤーの使えるスキルを使えるのか。

邵ョ蝨ー(縮地)

 敵が目の前に瞬間移動していた。咄嗟に弓のスキル、バックステップを使おうとしたが、間に合わずに攻撃を受けてしまった。

繝ゥ繝シ繧ッ(ラーク)

 目の前にいると思った敵は、突然姿を消した。刀のスキルだけでなく弓のスキルも使えるなんて……いや、おそらく全スキル使えるんだろう。

 NPCとしては最強クラスの敵を目にして、かつて無い緊張感で戦闘を再開した。

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