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第20話 ハイエルフとランジェリーと福沢諭吉

 そして――


 今度はパンツスタイルのアルマが試着室から現れる。


「……どうだ?」

「ああ、いいんじゃないか似合ってるぞ」


 そして次はワンピーススタイル。清楚な感じに仕上がっていた。


「ああ、いいんじゃないか似合ってるぞ」

「……こら、ナオ!」

「ん? 何だ?」

「お前さっきから同じ事ばかりじゃないか。ちゃんと見ているのか!?」

「見てる見てる。大丈夫だっての」


 これでも結構楽しんでるんだがな。

 美少女のフィギュアを着せ替えして楽しむ感覚か?


「……分かった。じゃあ今度は私が着たい物を選んでくるからな」

「お? そうか、じゃあそうしろよ」


 で、暫く待って――


「出るぞ、ナオ」

「ああ」


 そしてアルマが姿を現して――


「な……!? こらお前何て格好で出てくるんだよ!」


 黒とピンクのレースの下着姿なのである。


「ふん……お決まりの『いいんじゃないか似合ってるぞ』はどうした?」

「そういう問題じゃないっての! 何してんだお前は!」

「お前が同じことばかり言うから、驚かせてやろうと思ってな。どうせ私用の下着も必要になるだろう?」


 まあそれはそうなのだが――

 しかしここは下着も置いてるんだな。


「ふふん、顔を赤らめているな? お前、何のかんのと言うが私に欲情しているんじゃないか? このケダモノめ」

「違うわっ! 他の客に見られたら恥ずかしいだろ! さっさと着替えてこい!」


 とは言うものの、不覚にも少しドキッとしてしまったのは確かだった。

 中学生程度とは言え、がっつりランジェリー姿になると印象が違った。


「分かった分かった。では女、これと同じ形の色違いと、さっき見たあれも三色ほどもらおう」

「はいはい~♪」


 爆買いする俺達に、店員はすこぶる上機嫌である。

 更に家にいる時のための部屋着類をいくつか買い足し、買い物は終了。

 お会計は軽く十万円を突破していた。


 大量の買い物袋を抱えて店を出て、物陰に隠れてそれをアイテムボックスに突っ込んで身軽になる。


 更にモール内に宝石買取の店が出店していたので立ち寄る事にした。

 こういう買取の店は人の集まる所に顔を出して、手広く品物を集めたいだろうから、こういう所にあってもまあ不思議ではない。


 取り合えず、アイテムボックス内の宝石をいくつか買取に出してみる事にした。

 全部一気に換金するとウン億円にはなるだろうし、店舗にそれだけの金も無いだろう。

 それに宝石強盗か何かと間違えられそうで嫌だ。なので小出しに。


 宝石には鑑定書やら鑑別書やらが付属するらしいが――無論そういうものはない。

 おばあちゃんの遺品整理していたら出て来たので、書類とかは何も分からないと言い訳したが、そこは別に問題にされなかった。そういう奴は多いという事だろう。


 しかし異世界由来のものなので、よく分からない理由でケチが付くかもしれない。

 だとしたら厄介だ。換金のために何か手段を講じなければいけなくなる。

 普通に金になってくれ。頼むぞ――

 と祈るような気持ちで、俺は鑑定結果を待っていた。

 アルマは新しく買ってやったソフトクリームを両手に持って、嬉しそうに食べていた。

 ソフトクリームさえ与えておけば上機嫌なのだから、安いハイエルフ様だ。


「お待たせしました――」


 店の人がそう切り出してくる。

 ここで買い取れないとか言われると、大幅に予定が狂うのだ。

 俺の都会的スローライフのために頼む!

 少々ドキドキしつつ続きを聞くと――


「こちらで如何でしょう?」


 電卓で金額を出してくる。


「っしゃ!」


 金額を見る前に、買取拒否されなかった事にガッツポーズである。

 行けるぞ異世界の宝石!


「は?」


 と店のおじさんに怪訝そうな顔をされる。


「いやいや何でもないです」


 愛想笑いをしつつ金額を確認。

 おぉ315万だと、充分じゃないか!

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