第1回 車椅子の少女との恋(仮題)①
綺麗な恋愛小説を書きたいと思った時に、イマドキの子だと中学生くらいならまだお互いの言葉や、ちょっとした接触だけでもドキドキするもんかな? 等と思って設定を中学生と決めました。
こちらは小説ではありません。
今後の創作用のあらすじ等を書き留める場所です。
「トイレに…行きたいの…」
「えっ?」
電車の中、小声で話す中学生の男女。
少女は車椅子で、出入り口付近、ポールに掴まり隣に並ぶ少年と二人でいた。
二人はこの日、初デートの最中だった。
彼女の発した言葉と、それをどうすれば良いのか分からないという気持ちで、焦りドギマギする少年。
少女は恥ずかしさと、本当にトイレに行きたい心境で下を向いてモゾモゾしている。
そんなシーンが仕事中に浮かび、でもそれを直ぐに小説にする時間もなく。
そんな訳で忘れない様に軽い下書きを残す事にしました。
だからこれは、綺麗な話を久し振りに書きたいぞ用下書きです。
北関東、栃木県あたりの中学。
下校風景。
坂の上に建つ学校から歩道を下りて来る数人の女生徒のグループ。
下の大きな十字路で、「バイバイ~」「また明日♪」等と声を掛け合いグループは三つに別れ、各々の帰路へと向かう。
その中の一人の少女が信号が青になるのを確認して、交差点を渡ろうとしていた時だった。
「あぶない!」
分かれたばかりの友達の叫び声に振り返る少女。
「キャーッ!」
振り返った彼女の目に映る車。
後ろから来た青信号左折の車に内輪差でぶつかり、横倒しになったまま足を轢かれる少女。
中学校の会議室。
十人位の大人たちがテーブルを囲み、審議をしている。
「無理でしょう。どう考えても」
「でも今まで通っていたウチの生徒なんですよ」
「あの坂はどうします? 自力では上れない」
「もしかしたらご両親が、毎日車で送り迎えして下さるかも知れませんが、それにしてもウチの中学はバリアフリー化もされてませんからねぇ。大変ですよ」
「あの子の家は確か共働きです。とても毎日は無理でしょう」
「一人の生徒に、例えば一人の教師が付きっ切りという訳にも行きませんしね」
「そうそう、それに女の子だ。彼女の面倒を見るとなったら、体に触れてしまう時もあるでしょう。私の様な男性教員は無理ですよ。他の生徒が見ていて、親にでも言われた日には、直ぐにわいせつ行為だと騒がれてしまう」
「やっぱり無理ですかねぇ」
「後々の事を考えたら、その方が彼女の為でもあると思います」
こうして交通事故で車椅子の生活となった少女は、今ままで通っていた中学から別の学校へと転校を余儀なくされた。
しかしそれは、ある意味少女にとっても都合が良かった。
かつてのクラスメイト・友達、昔からの幼馴染等、かつての自分を知っている人達とは、今はとても会える心境ではなかったからだ。
つづく
続きはまた後で暇な時に書こう。