表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
82/104

♥ 瀬圉家 1 / 本家 1 / 別邸 1 / リビング 1


──*──*──*── 瀬圉家


──*──*──*── 別邸


──*──*──*── リビング


 げんの転移陣で別邸のリビングに戻ってた。


 別邸の書斎には最新式のコピー機があるから、わざ(わざ)コンビニへ行ったり、コピー機を置いてあるスーパーへ行く必要はないから便利。


 リビングも地震の影響を受けていて、グチャグチャになっている。


 別邸の中を片付けるのは大変そうだけど、げんが式神を出してくれて、後片付けをするように指示を出してくれた。


 式神はげんに従順で、文句も言わずに素直に後片付けの作業を始めてくれた。


 式神は12体るから、もしかしたら十二支の式神に命令してるのかも知れない。


 また地震が起きても困るからって、げんづるさんに式神を1体付けて、守らせる事になった。


 げんは実体化をいて、私のそばにいる。


  私を守る為に付けていた式神をづるさんに付けたみたい。


 十二支中の十一支が別邸の後片付けと掃除に当たっている。


 づるさんは書斎へ行って資料本のコピーをするみたい。


 私はなにをたらいいのかしら?


 後片付けを手伝った方がいいのかしら??


 づるさんのコピーを手伝った方がいいかしら??


衛美

「 ──げん、私もなにかしようと思うんだけど、なにをしたらいいと思う? 」


玄武

なにもしなくていい。

  ソファーに座ってTVテレビでも見ればいい 』


衛美

「 …………そ、そうね?

  また地震が起きたら危ないものね?

  大人しくTVテレビでも見てるわ… 」


 げんに言われて、TVテレビを見る事にした。


 テーブルの上に置いてあるチャンネルを持って、TVテレビの電源を入れる。


 画面には地震速報が映っていたけど、チャンネルを変える。


 ニュースで地震の事が報道されている。


 画面に映っている光景を見て、私は愕然とした。


 だって初めて見る光景だから!!


 画面に映っているのは、木の太い根っ子──みたいなのが根上がりしていて、道路のアスファルトを持ち上げて、アスファルトを割って、地上に出てている。


 木の根っ子は幹みたいに太くて道路は滅茶苦茶になっていて、木の根っ子に妨害されている所為で、車が大変な事になっている。


 横転している車もあれば、上下が逆転してひっくり返っている車がある。


 どうやら元の根じゃなくて、2段根や3段根が車の妨害をして道路を使えない状態にしているみたい。


 現場を取材しているリポーターも初めての事でパニクってるみたい。


衛美

「 ──げん、地震の原因って…… 」


玄武

『 もしかしなくても、そうだろうな。

  面倒で厄介な植物が召喚されたな 』


衛美

「 召喚??

  げん、召喚ってどういう事??

  げんを知ってるの? 」


玄武

『 実物を見るのは初めてだが、遥か昔に資料でなら見た事はある 』


衛美

「 資料?

  遥か昔ってなの? 」


玄武

『 千年以上前だ。

  が生きていた時代だ。

  あれは “ ようじゅ ” という植物だ 』


衛美

ようじゅ??

  ようじゅってなんなの?? 」


玄武

ようの生まれるだ 』


衛美

よう??

  ようってなに?? 」


玄武

ようで構成された生物だ。

  を持たない野良式神は、れいかんの強い者にしか見えないが、ようれいかんの弱い者にもハッキリと見える。

  ようは共いはしないが、にくしょくだ。

  あらゆる生物を容赦なくらうのがようだ 』


衛美

「 人間をらう??

  そんな危険極まりないのが生まれるなの?? 」


玄武

「 そうだな。

  ようじゅにはようという花が咲く。

  ようが散るとようというみのる。

  ようが熟すと地に落ちる。

  地に落ちたようからようが生まれる。

  生まれたようは餌を求めて街中を徘徊し、あらゆる生物を襲う。

  勿論、人間もだ。

  大変な事になるぞ。

  見物だな 』


衛美

なにが『 見物だな 』っよ!!

  見物にしちゃ駄目でしょ!!

  なんとかしないと! 」


玄武

なんとも出来ないな 』


衛美

「 嘘、言わないで!

  げんには出来るじゃない! 」


玄武

『 ワタシにはようじゅを消滅させる事は出来ない。

  出来るとすればようじゅを召喚した者だけだ 』


衛美

ようじゅを召喚した者??

  どういう事なの? 」


玄武

『 あのようじゅを召喚するには、活きのいい大量の霊魂たましいを必要とする。

  活きのいい大量の霊魂たましいを入手するには、大量の人間を集める必要がある。

  大量の人間は赤い雪が降った日に行方不明になった500名近い人間達と言ったところか 』


衛美

「 ちょっと……なんでそんな事が分かるのよ? 」


玄武

ようじゅを召喚する事が出来るのは、1人しかないからだ 』


衛美

「 …………誰が召喚したのか知ってるの? 」


玄武

しょうれいだ。

  ようじゅの事を知っているのは、とワタシとしょうれいだけだからな。

  大量の活きのいい霊魂たましいを必要とするようじゅ召喚の術式をは破棄した。

  しかし、が破棄した筈の術式をしょうれいは人知れず盗んでいたのだろう。

  全く…やってくれたものだな 』


衛美

「 ……あのようじゅを消滅させる為には、いやでもしょうれいに会わないといけない──って事? 」


玄武

『 そうなるな 』


衛美

「 ………………仮に会えたとして、しょうれいようじゅを消滅してくれると思う? 」


玄武

『 しないだろうな。

  消滅させる気があるなら、初めからようじゅを召喚したりしない。

  交渉しても決裂するのは目に見えている 』


衛美

「 そんな……。

  じゃあ、どうするの?

  このまま知らん顔なんて出来ないわよ! 」


玄武

ようみのり熟して落ちるまで半年は掛かる。

  それ迄はようじゅは無害だ。

  普通に暮らせばいい。

  半年後はリアルな地獄絵図を見れるぞ 』


衛美

「 見たくないわ! 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ