♥ 大学 1 / 昼休み 1 / 懲りずに…
境戸託司
「 瀬圉さん!
今から昼食だよね!
一緒に食べよう 」
衛美
「( …………また? )
境戸君……貴方と昼食したい女子学生が居るでしょ?
その子達を誘ってあげたら? 」
境戸託司
「 瀬圉さん…… 」
衛美
「 じゃあね 」
境戸託司へ「 バイバイ 」と手を振り、さっさと食堂へ向かう。
境戸託司
「 ──待ってよ、瀬圉さん!
食堂で食べるの?
オレも食堂に行こうと思ってたんだ。
一緒に行こうよ 」
衛美
「 …………勝手にすれば? 」
境戸託司
「 有り難う!
勝手にさせてもらうよ! 」
境戸託司は、嬉しそうに衛美の右隣を歩く。
予想外に背の高い 境戸託司と並んでいると、背の低い衛美の頭は、境戸託司の肩より少し下にある。
衛美
「 背…高いね 」
境戸託司
「 そうだね。
186cmあるからね。
瀬圉さんは…小さいね 」
衛美
「 大学の敷地外で並んで歩いたら、誘拐犯と間違われるんじゃない?
通報されたりして 」
境戸託司
「 大丈夫だよ。
俺達は若いし、兄妹に見られるよ 」
衛美
「 …………そう?
( イケメンには嫌味も通じないっていうの?? )」
境戸託司
「 瀬圉さんは何を頼むの? 」
衛美
「 関係無いでしょ… 」
境戸託司
「 瀬圉さんと同じの頼んでみようかな──って思って(////)」
衛美
「 真似っ子は止めてほしい 」
境戸託司
「 ………… “ 気になる子と同じメニューを食べたい ” って思ただけだよ(////)」
衛美
「 本当に止めて…… 」
境戸託司
「 瀬圉さん…………。
瀬圉さんが嫌がるなら…同じメニューを頼むのは止めるよ…。
何処に座ろうか?
陽当たりのいい窓側にする?
外も見れるし──あっ、日焼けするのが嫌なら窓から離れた席にしてもいいよ 」
衛美
「 はあ?
何で相席する事になってるの?
食堂に行く間だけでしょ? 」
境戸託司
「 一緒に食べたいんだ!
瀬圉さんともっと話したいし!
仲良くなりたいんだよ 」
衛美
「 …………私は無理!
異性は苦手なの。
男性不信で男性恐怖症なの。
分かる?
今、この瞬間も嫌悪感に襲われてるの!
私に構わないでほしいの!! 」
境戸託司
「 ──?!
……っ、ごめん!!
気付けなくて…。
…………そっか…だから、あんなにキツい言い方をしたり、拒否に似た態度を取っていたんだね…。
──良かった! 」
衛美
「 はあ?
何が『 良かった! 』の?
境戸君、おかしいんじゃないの? 」
境戸託司
「 ちっともおかしくないよ。
だって、瀬圉さんに嫌われてないって分かったんだから。
寧ろ嬉しいくらいだよ(////)」
衛美
「 う、嬉しい??
何で嬉しいの!
やっぱり変よ!! 」
境戸託司
「 変でもないよ。
瀬圉さんと仲良くなれるチャンスが未だあるって事だから(////)」
衛美
「 な、仲良く……??
──無理。
激しく無理!
仲良くなんて出来っこない!!!!
私に構わないで!!
金輪際、近付かないで!! 」
あらん限りの声で、境戸託司に怒鳴ると、衛美はそのまま1人で食堂へ走った。