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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十日目 / 水曜日 5月1日
73/104

♥ 依頼場所 2 - 5 / 廃神社 4 / 退魔師という仕事 7


 づるえいから聞いた声が、どんな声だったのかをげんに話した。


玄武

「 …………そうか。

  頭の中に響いていたのか… 」


厳蒔弓弦

げん、心当たりでもあるのか? 」


玄武

「 十中八九の所為だな 」


 げんは古井戸の中から回収したじゅづるに見せる。


厳蒔弓弦

「 ──これがじゅか?

  まるでガチャガチャの入れ物だな 」


玄武

「 入れ物はなんでもいいらしい。

  肝心なのは中に入っているじゅだからな。

  じゅを作る為に使われた材料に原因がある 」



厳蒔弓弦

なにが使われているというんだ? 」


玄武

「 信じたくはないが……、しじの遺体の一部だ。

  どうやらの遺体を掘り起こしたのは、悪徳陰陽術師らしい 」


厳蒔弓弦

しじ──、えいの前世の身体からだか?!

  しかし、千年以上も前なのだろう?

  遺体は骨と共に土へ還ったのではないのか? 」


玄武

「 いや、土葬はしてない。

  の遺体が朽ち果てぬようにと術式をほどこしたからな。

  式神こうりゅう霊魂たましいを移したを地上にとどめる為には、どうしてもの遺体が必要だったからだ。

  なにものかに遺体を掘り起こされ、の遺体は行方知れずとなり、式神こうりゅうから霊魂たましいは切り離されてしまった。

  霊魂たましいは輪廻の流れへ還り、なんか転生を繰り返した。

  今回で4度目の転生になる 」


厳蒔弓弦

「 4度目…か 」


玄武

「 まさか、回収した呪具に千年以上も行方知れずだったの遺体の一部が使われているとはな…。

  じゅは他にもある。

  じゅの全てにの遺体の一部が使われているかも知れない。

  腹立たしい限りだ 」


厳蒔弓弦

「 …………げんえいにしか聞こえない声は、の一部と共鳴したからなのか? 」


玄武

「 あるかも知れないな。

  の遺体を悪徳陰陽術師達の好きにはさせられない。

  ワタシはじゅを回収し、の遺体を集める 」


厳蒔弓弦

「 …………微力だろうが私も手伝おう。

  婚約者の前世の遺体をもてあそぶような輩は許せないからな 」


玄武

らくではないぞ。

  奴等は並みの陰陽師ですら歯の立たない強敵だ。

  えいれても、づるまではれない 」


厳蒔弓弦

「 それは承知している。

  それでも私は協力したい。

  げんが構わなければ──だが 」


玄武

「 ワタシは一向に構わないぞ。

  づるは戦力になるからな 」


厳蒔弓弦

「 そうか。

  足手まといにならぬよう精進する 」


玄武

「 足手まといか。

  なるまいよ、お前ならな。

 ( なんの因果かな……、せいめい── )」


厳蒔弓弦

げん、どうした? 」


玄武

「 いや。

  依頼場所へ戻るとしよう。

  “ のろわれた家 ” が待っているからな 」


 げんえいを抱き抱えたまま、づると共に廃神社をあとにした。


 廃神社から去ったげんづるは、依頼場所でもある “ のろわれた家 ” へ向かって歩き出した。

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