♥ 瀬圉家 14 / 本家 14 / 別邸 2 / ダイニングキッチン 2
厳蒔弓弦
「 10時頃にモレットモールへ到着するなら── 」
玄武
「 ワタシの転移陣を使えばいい 」
衛美
「 えっ??
転移陣??
玄武、転移陣って何?? 」
玄武
「 行きたい目的地へ瞬時に移動出来る便利な術式だ 」
衛美
「 へぇ?
じゃあ、交通機関を使わなくてもいいのね。
交通費が浮いて助かるわね 」
玄武
「 そうだな。
モレルには屋上に駐車場があったな。
人気もないし、其処に転移するとしよう 」
衛美
「 有り難う、玄武。
どうせなら毎日の登下校も転移陣を使ってほしいんだけど? 」
玄武
「 それは止めた方がいい。
交通機関が使えないのは何かと不便だからな 」
衛美
「 それもそうね… 」
玄武
「 衛美、明日は気合いは入れるなよ。
お洒落はしなくていい 」
衛美
「 はぁ?
玄武、それが年頃の女の子に言う台詞ぅ?
大体、お洒落しようにもお洒落な服なんて此処には無いんじゃないの?
先に私の家に転移してからモレルに行きましょ! 」
玄武
「 分かった。
気合いは入れるなよ 」
衛美
「 もう! 」
厳蒔弓弦
「 ははは。
衛美は可愛いからな。
ナンパされないか心配なのだろう 」
衛美
「 ナンパなんてされませんよ。
弓弦さんと玄武が居るんだもの 」
玄武
「 ストーカー防止にはダサい格好をするに限る 」
衛美
「 美麗人2人と歩くダサい女子なんて、いい笑い者になるわ… 」
厳蒔弓弦
「 何なら私もダサい格好をしてもいい 」
衛美
「 弓弦さん(////)」
玄武
「 ダサい格好はしなくていい。
普段着だからな 」
衛美
「 は〜い。
──御馳走様でした。
弓弦さん、有り難う御座いました。
明日のお弁当も楽しみです(////)」
厳蒔弓弦
「 口に合って良かった 」
料理が盛り付けられていたお皿は何れも綺麗に空っぽ。
私も結構食が進んだけど、玄武が殆んど食べちゃった。
玄武ってば、念願の美味しい手料理を食べれて満足みたい。
今は弓弦さんが淹れてくれたお茶を飲んでいる。
…………弓弦さんと玄武が夫婦みたいに見えるのは私の気の所為よね?
普段の弓弦さんは無愛想だけど、笑うと素敵。
絶対にモテると思う。
同性に求婚されるぐらいなんだから、よっぽどなのかも知れない。
料理上手な弓弦さんに求婚する同僚の退魔師は、きっと脳内で弓弦さんをベッドの上にでも押し倒して攻めてるんだろうね。
嫌な同僚……。
彼女は居ないのかしらね??
弓弦さんって男性から見ると、攻めるよりも攻められる側なのかしらね?
それとも以外に攻める側なのかしら??
退魔師だから、モノノケ相手には容赦なくグイグイ攻める側だから、実は攻められたい願望を心の奥底で秘めてるのかも知れない??
男性にとっては攻められる側の弓弦さんでも、女性相手には攻める側になるのよね……。
弓弦さんに攻められるのは間違いなく未来の私。
………………夫婦になった後が恐怖いわぁ…。
でもでも、未々先の話よね?
私が大学生でいる内は結婚なんてしないと思うし!
弓弦さんの事、何も知らないから少しずつでも知りたいかも。
厳蒔弓弦
「 ──衛美、デザートは食べれるか?
食べれなければ明日の朝食に出すが 」
衛美
「 デザート?
デザートがあるんですか? 」
玄武
「 弓弦、デザートがあるならワタシは食べるぞ 」
衛美
「 玄武……。
本当に食い意地が張ってるんだから…。
弓弦さん、デザートって何ですか? 」
厳蒔弓弦
「 杏仁豆腐だ。
果物を入れている 」
玄武
「 杏仁豆腐!
ワタシの好物だ。
衛美、食べれなければワタシが食べてやろう。
もう食べれないだろう? 」
衛美
「 食べれるわよ!
明日の朝、食べるの!
私の分まで食べたら許さないんだからね!! 」
厳蒔弓弦
「 ははは(////)
衛美の分は別にしておくから安心してくれいい。
玄武は私の分も食べればいい 」
玄武
「 話の分かる奴だな、弓弦! 」
衛美
「 もう──。
杏仁豆腐で、はしゃいじゃって!
子供みたい 」
弓弦さんは冷蔵庫を開けると冷やしているタッパを取り出した。
タッパの中には弓弦さん特製の杏仁豆腐が入っているみたい。
玄武の為に杏仁豆腐を器に移して盛り付けている弓弦さんは奥さんみたい。
厳蒔弓弦
「 衛美の分は冷蔵庫に入れておく。
玄武、食べるなよ 」
玄武
「 考えておこう 」
衛美
「 食べんな! 」
弓弦さんがテーブルに置いた大きめの器の中には杏仁豆腐がたっぷりと入っている。
プルップルな杏仁豆腐は美味しそう。
私は弓弦さんが淹れてくれたお茶を飲みながら、気になる事を弓弦さんに質問してみる事にした。
衛美
「 弓弦さん、さっき『 退魔師は不規則な生活をしてる 』って言ってましたけど、退魔師って忙しいんですか? 」
厳蒔弓弦
「 派遣先では忙しいな。
不規則な生活になるぐらい目が回る 」
衛美
「 派遣されるのは1人ですか? 」
弓弦
「 人数は内容によって異なる。
私の場合は4人で1チームで派遣される事が殆んどだ 」
衛美
「 退魔師ってチームなんですね。
陰陽師は1人なのにどうして退魔師はチームなんですか? 」
厳蒔弓弦
「 陰陽師が1人で行動が出来るのは式神を使役する事が出来るからだな。
退魔師は式神を使役する事は出来ない。
代わりに魔具師の作った対もののけ用の武器を使い、モノノケを退治するのが退魔師だ。
物心つく前から高校を卒業するまで弓道部だった事もあってな、私は魔喰いの弓を使っている。
祓魔師も居るな 」
衛美
「 祓魔師って何ですか? 」
厳蒔弓弦
「 エクソシストみたいなものだ。
退魔師は退治が専門だが、祓魔師は祓うのが専門だ。
チームは退魔師3と祓魔師1の割合で組まれている 」
衛美
「 そうなんですか。
女性の退魔師や祓魔師は居るんですか? 」
厳蒔弓弦
「 数は少ないがいるぞ。
私は組んだ事がないから何とも言えないが… 」




