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♥ これは式神  作者: 雪*苺
七日目 / 日曜日 4月28日
41/104

♥ 瀬圉家 12 / 本家 12 / 本邸 3 / 応接間 3


 げんづるさんのひたいに判子を押す。


 づるさんのひたいに付いたのは青みがかった緑色。


 づるさんもセーフで、安心した。


 次は私の番。


 お父さんがセーフだっからと言って、私もセーフとは限らない。


 だって、お母さんの家系に≪ 祿ろくどう ≫の血が入っていたら、私はアウトだもの。


 づるさんの時よりもドキドキするぅ〜〜。


 げんが判子を私のひたいに付けてくれた。


 私のひたいに付いたのは────。


衛美

「 ──げん、私はなに色なの?

  赤色じゃないわよね? 」


玄武

「 安心するといい。

  えいも同じ緑色だ 」


衛美

「 セーフなのね?

  かった〜〜!! 」


玄武

「 判子はワタシの善意で貸し出してやろう。

  1本5万だ 」


衛美

「 コラぁ!

  なんでお金を取るのよ!

  非常事態なんだから、お金を取るなんて駄目だからね! 」


玄武

えいのお小遣いにと思ってな。

  お小遣い、欲しくないのか? 」


衛美

「 欲しいけど…。

  1本5万は高いでしょ? 」


玄武

「 高くはない。

  本来ならば10万は下らない品物だ。

  非常事態だからこそ、ワタシは善意で5万にしている。

  50%OFF、半額だぞ 」


衛美

「 …………お祖父様…げんが御免なさい… 」


鴇胤

「 構わん。

  5万でいなら、50本用意してくれ。

  判子の用意が出来次第、≪ ≫を総動員して2人1組で陰陽師と退魔師の元へ派遣さる。

  判子を押して回らせよう 」


衛美

「 大変な作業になりそう…。

  事情を話しても、素直に押させてくれるのかな… 」


鴇胤

「 ……むずかしいかも知れんな。

  ≪ 祿ろくどう ≫は≪ ≫より権力がある。

  ≪ 祿ろくどう ≫から圧力を掛けられると難しくなるかも知れん 」


衛美

「 そんな… 」


玄武

「 動く前に≪ こうはら ≫≪ ≫≪ えいぜん ≫の当主へ連絡した方がいだろう。

  ≪ 祿ろくどう ≫の当主がしょうれいの傀儡になってなければいな 」


衛美

「 …………ねぇ、なん祿ろくどうしょうれいは目覚めたの?

  今まで音沙汰なかったんでしょう?

  どうして今頃? 」


玄武

「 さぁな。

  ワタシはしょうれいではないから分からない。

  今、出来る事は近い未来の為に少しでも被害を減らす努力をする事だ。

  ときつぐ、残りの判子を用意したぞ。

  250万を忘れるな 」


鴇胤

「 分かった。

  えいの口座へ振り込んでおこう。

  づる君はげん殿とえいと共に別邸に泊まってくれ 」


厳蒔弓弦

「 分かりました 」


衛美

「 お祖父様……、私にもなにか出来る事はない?

  私に出来る事があるなら── 」


鴇胤

えい、それには及ばんよ。

  えいは陰陽師でもなければ、退魔師でもないんだ。

  どおりの生活を送ってくれたらいい。

  暫くは別邸から大学へかよってもらう事になるがな 」


衛美

「 大学へ行ってもいいの? 」


鴇胤

「 うむ、えいに関しては今までどおりに過ごしてもらいたい 」


衛美

「 お祖父様、がとう!

  別邸からでも大学にかよえるのは嬉しい(////)」


鴇胤

げん殿とづる君がそばてくれるなら安心だからな。

  づる君、えいを頼むよ 」


厳蒔弓弦

「 はい。

  退魔師として、婚約者として、えいを守ります 」


玄武

づるにはえいをストーカーから守ってほしい 」


厳蒔弓弦

「 ストーカー?

  えいはストーカーに悩んでいるのか? 」


衛美

「 えっ?

  …………まぁ、ストーカーと言うかなんと言うか……。

  アプローチをやたらとしてる学生がるにはるけど……。

  講義で会う事はないんです。

  登下校と昼休みに声を掛けられるぐらいで…… 」


厳蒔弓弦

「 そうなのか?

  登下校と昼休みだけでなく、講義も同席しよう 」


衛美

「 えっ?

  いいんですか?

  図書館でアルバイトはいいんですか? 」


厳蒔弓弦

「 構わない。

  婚約者がストーカー被害に遭っているのにアルバイトを優先させるわけにはいかない 」


衛美

づるさん(////)」


玄武

「 弁当は重箱を使えよ。

  ストーカーに男子力とやらを見せ付けてやる為にな! 」


衛美

げん、面白がってるでしょ〜〜 」


玄武

「 面白がってない。

  ストーカーの “ あわあわ ” する顔が見たいだけだ 」


衛美

げんぅ〜〜〜 」


厳蒔弓弦

「 腕に縒りを掛けて弁当を作るとしよう。

  は大学へ行くのか? 」


衛美

「 ううん、行かない。

  明日あしたげんと映画を観に行こうと思ってるんです 」


厳蒔弓弦

「 映画? 」


玄武

えいづる、別邸へ戻ろう。

  ワタシは料理を食べたい 」


厳蒔弓弦

「 分かった。

  なにか食べたい料理はあるか?

  リクエストがあるなら聞こう 」


玄武

「 そうか?

  それなら── 」


衛美

げん、ワタシが食べれる量にしてよ! 」


玄武

「 心配するな。

  ワタシがじかに食べれる 」


衛美

「 そう言えば…げんったら、お茶も飲んでたし和菓子も食べてたわね。

  式神なのに飲食が出来るのね 」


玄武

「 飲食の必要はないが、実体化していれば飲食も可能だ。

  ワタシは特別な式神だからな 」


衛美

「 それならそうと、もっと前に教えてほしかったわ… 」


玄武

「 言うのを忘れていた。

  今、分かったのだからいだろう。

  早く別邸へ戻るぞ 」


衛美

「 はいはい。

  ──お祖父様、お先に失礼します 」


  伯父さんとお父さんの姿は見当たらなかった。


 げんが 追加で出した50本の判子を持って、伯父さんと一緒に応接間から出て行ったみたい。


 お父さんと会えたのに一言も話せなかったな……。


 お父さんとお母さんも別邸に泊まるのかしらね?


玄武

「 ──えいなにをしている。

  早くないか 」


衛美

「 は〜〜〜い 」


 づるさんがドアを開けてくれている。


 私をかすげんと一緒にづるさんと応接間を出た。

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