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♥ これは式神  作者: 雪*苺
二日目 / 火曜日 4月23日
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♥ 登校中 1 / ナンパ…?


男子学生

「 ──あっ、おはよう! 」


 校門をとおり抜け、1人で歩いているえいの姿を見付けた男子学生は、にこやかに手を振りながら、えいへ駆け寄る。


衛美

「( うげげっ……昨日きのうのイケメン!?

   なんで朝っぱらから──。

   ………………よし、このまま無視しよう!

   私は知らない。

   なにも見てない。

   なにも聞こえないっ!! )」


 えいは男子学生を無視したまま歩き続ける。


男子学生

「 ……あれ?

  聞こえないのかな??

  よし、もう1度!

  ──おはよう、さん!! 」


 ひたすら無視を決め込んで歩き続けるえいに対し、苗字を呼んで元気に挨拶をする。


男子学生

「 ──さん!

  さんったら!

  …………あの…さん…で合ってるよね?? 」


 苗字を呼ばれても一向に振り向いて返事をしてくれない事に不安を感じた男子学生は、えいへ疑問系で尋ねる。


衛美

「( ………………はぁ……煩い…… )

  …………合ってるけど?

  なにか用なの? 」


男子学生

「 ──!!

  合ってた!

  かった〜〜〜!

  名前が合ってて安心したよ(////)

  全然返事をしてくれないから、違う名前を呼んでるのかと思って……ヒヤヒヤしたよ(////)」


衛美

「 朝っぱらからなんなの?

  私は貴方に用事は無いけど? 」


男子学生

さんには無くても、俺にはあるから(////)」


衛美

「 はあ? 」


男子学生

「『 校舎まで一緒に歩きたいんだ 』って言ったら……怒る? 」


衛美

「 はあ?

  …………別に怒らないけど?

  今、歩いてるし…… 」


男子学生

「 あはっ──だよね(////)

  あ、あのさ…昼食ランチだけどさ…かったら一緒に── 」


衛美

「 丁重に御断りするけど 」


男子学生

「 ………………え??

  でも、昨日きのうは── 」


衛美

昨日きのうのは……ちょっとした事故よ。

  もうあそには座らないから安心して 」


男子学生

「 え…いや……安心って………………。

  俺はさんと昼食ランチしたいんだけど…… 」


衛美

「 私は1人で昼食ランチしたいの 」


男子学生

「 ……………………寂しくないの? 」


衛美

「 全然。

  ──どうして?

  好きで1人で昼食ランチしたい人も居るんだけど? 」


男子学生

「 ……それは…そうだけど…… 」


衛美

なんなの?

  1人で昼食ランチしてる人は『 みんな寂しがってる 』とか『 ほんは誰かと一緒に昼食ランチしたいと思ってる 』とか本気で思ってるの? 」


男子学生

「 そんな事…ないよ!

  さんが1人で昼食ランチしたい気持ちなら、俺にも分かるし!

  俺もたまにだけど……、1人で食べたい時もあるし…… 」


衛美

「 そう…… 」


男子学生

昼食ランチが無理なら……あっ、講義が終わったらカフェに寄って帰── 」


衛美

「 寄らない。

  貴方とも帰らない。

  じゃあね 」


男子学生

「 あ……あのさ!

  俺の名前、けいたく──だから!

  たくって呼んでほしいな!

  さん、またね!! 」


 表情を変える事なくスタスタと前へ向かって歩くえいは、大声で自己紹介をしてくれたけいたくに返事をしなかった。

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