♥ 瀬圉家 8 / 本家 8 / 本邸 7 / 裏庭 3
霄囹
「 酷いなぁ、そんな言い方するなんて…。
オレは真面目に陰陽師をしていたのに。
そうだろう?
玄武ぅ〜〜〜〜 」
玄武
「 気持ち悪い呼び方をするな!
転生陣は四聖獣の力を使わなければ完成しない。
眞小呂がそうしたのは、お前に悪用させない為だ 」
霄囹
「 あぁ、そう…。
じゃあ、君達を手に入れないと転生陣は不完全のままなんだ?
ふぅ〜〜〜ん。
じゃあ、要らないや。
取り敢えず転生は出来たわけだし。
…………時間切れだ。
もっと話したかったけど、残念だなぁ。
眞小呂、また会おう。
次、会えた時は記憶を呼び起こしてあげるよ 」
衛美
「 そんな事されたくないし!
眞小呂の人生は終わってるんだから、眞小呂の記憶なんて要らない!
私は瀬圉衛美なんだから!!
瀬圉衛美として人生を謳歌して生きるの!
アンタなんて、お呼びじゃないんだからね! 」
霄囹
「 前世の記憶は思い出した方が良いよ。
今後の為にはねぇ。
じゃあね 」
冥晶さんの意識を乗っ取っている霄囹が玄武と私に向かって「 バイバイ 」と手を振る。
足元に光っていた魔法陣みたいなのが消えると、冥晶さんの身体が崩れ落ちた。
私は玄武と一緒に地面に倒れた冥晶さんの元へ駆け寄ると、子供の姿をしていた筈の冥晶さんは老人の姿に変わっていた。
衛美
「 どういう事なの……これって…?
今にも死にそうなヨボヨボの老体に変わってるわよ! 」
玄武
「 霄囹は憑依陣を発動させている間、冥晶の霊能力を消費させていたのだろう。
霊能力を1度に吸い尽くされた末路だ。
冥晶の最後だな 」
衛美
「 そんな!
こんな所で死なせられないよ!
何とかしなきゃ! 」
私は家の中に避難していた弓弦さんに駆け寄って冥晶さんの容態を伝えた。
お祖母様はショックで倒れてしまって、冥晶さんだけじゃなくて、お祖母様も運ばないといけなくなった。
お祖母様とヨボヨボの御爺ちゃんになってしまった冥晶さんが大人に何処かへ運ばれて行った後は色々と大変だったみたい。
当事者の筈の私は、お祖父様の指示で別邸に泊まる事になっちゃった。
霄囹って人が言っていたけど、「 前世の記憶は思い出した方が良い。今後の為には 」みたいな事を言ってたけど、どういう事なのかしらね?
衛美
「( …………何か最悪な日曜日になっちゃったわね…。
ねぇ、玄武……あの霄囹って奴、『 次、会う時は── 』って言ってたけど、本当に会う事になるのかしらね?
激しく会いたくないんだけど… )」
玄武
『 ワタシも出来るなら会いたくはなかった。
殺しそびれてしまった 』
衛美
「( 物騒な事、言わないでよ…。
でも……冥晶さんを攻撃しないでくれて有り難う、玄武 )」
玄武
『 冥晶の息の根を止めても彼奴は何のダメージも受けないからな。
冥晶の実力を確かめて見たかったが残念だ。
このまま息を引き取った方が冥晶の為にもなる 』
衛美
「( どうして?
助けられないの? )」
玄武
『 抑だ、冥晶は自然の摂理から外れている。
とっくに天寿を全うしていてもおかしくない年齢を迎えていた。
このまま死なせてやるのも優しさだ。
無理に生かす必要もない。
それに冥晶は霄囹の直系の子孫だ。
霄囹の使った憑依陣は子孫にしか使えない。
霄囹に憑依陣を使われた冥晶は、生きていれば霄囹に傀儡とされ利用される事になる。
霄囹の子孫は皆、霄囹の傀儡にされる可能性がある。
厄介な事だ 』
衛美
「( ──じゃあ、霄囹は此から子孫達を探しだして憑依陣を使いまくるかも知れないって事なの? )」
玄武
『 あるだろうな 』
衛美
「( 私の花の大学生活はどうなるの??
霄囹に邪魔される事になるの? )」
玄武
『 衛美を狙う刺客はワタシが片付ける。
安心して大学生活を謳歌すればいい 』
衛美
「( 玄武……有り難う(////) )」
玄武
『 別邸へ行くか? 』
衛美
「( そうね。
何か…無駄に疲れちゃったし……。
少し横になりたいかも… )」
私は玄武と一緒に裏庭を出る事にした。
そう言えば、お昼ご飯未だ食べてなかったけ…。
何か食べたいかも〜〜〜。
傍から見ると私は1人で裏庭を出て行くように見えるんだろうけど、ちゃんと玄武が傍に居るんだよ。
◎ 変更しました。
転移陣 ─→ 憑依陣
◎ 訂正しました。
足下 ─→ 足元