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♥ これは式神  作者: 雪*苺
七日目 / 日曜日 4月28日
36/104

♥ 瀬圉家 7 / 本家 7 / 本邸 6 / 裏庭 2


玄武

えいに危害を加えなければ、ワタシはなにもしない。

  安心していい 」


厳蒔弓弦

「 …………げんと言ったな。

  『 危害を加えなければ── 』と言ったが、正確にはどのような行動が危害に入るんだ?

  出来れば教えてほしい 」


玄武

「 気軽に “ げん ” と呼んで構わないぞ。

  づるえいの婚約者だからな。

  特別だぞ 」


厳蒔弓弦

「 …………感謝する… 」


玄武

「 そう緊張するな。

  えいれさえしなければころしはしない 」


厳蒔弓弦

「 ──ころす!?

  穏やかではないな…… 」


玄武

「 当然だ。

  今はだワタシのえいだ。

  えいは未婚だからな。

  現代で言えばプライベートSPエスピーとやらか?

  ボディーガードのようなものだ 」


厳蒔弓弦

「 …………そうか… 」


玄武

えいれたければ、えいと結婚とやらをして夫婦となる事だ。

  それまでは許さない。

  えいに怪我をさせるのも、()(),暴力のたぐいも駄目だ。

  物理的なものも精神的なものも当然駄目だな。

  ワタシにはえいの感情が浮き沈みが手に取るように分かる。

  仮にえいが否定してもワタシをめても、手元が狂って重傷を負わせてしまうかも知れないな。

  命は取らないでやるから安心はしていい。

  一生ベッドから離れられなくなるだろうがな 」


衛美

げん

  づるさんを脅さないでよ!

  婚約を解消されたらどうするの!

  責任取って相手を見付けてくれるんでしょうねぇ? 」


玄武

「 ワタシがる。

  必要ない。

  子は成せないが、ワタシが子供の姿でってもいい 」


衛美

「 …………そりゃどうも… 」


厳蒔弓弦

「 式を挙げる日がるかは兎も角、げんえいってくれるなら、がたい事だ。

  これまでどおり、出張には出れそうだな 」


衛美

「 出張ってなんですか? 」


厳蒔弓弦

「 退魔師は依頼主クライアントから依頼が入ると適任者が日本全国に派遣されるようになっているんだ。

  依頼には短期出張と長期出張があって、長期出張の依頼はあまりないが稀にある。

  殆んどが厄介な内容だ 」


衛美

「 派遣されるんだ…。

  退魔師って大変なんですね…… 」


玄武

づるとわを連れて避難しろ。

  一戦交える事になりそうだ 」


衛美

「 どういう事? 」


玄武

「 奴のお出ましだ 」


衛美

「 はぁ?

  奴って誰よ?

  めいしょうさんは子孫なんでしょ? 」


玄武

づるとわと家の中へ入れ 」


厳蒔弓弦

かった。

  えいはいいのか? 」


衛美

「 私が傍に居ないとげんが暴走しちゃうからます 」


厳蒔弓弦

「 暴走するのか? 」


衛美

「 やりたい放題、好き勝手に暴れちゃうって言うか──。

  私がればげんは加減してくれますから 」


厳蒔弓弦

「 そうか。

  げんから離れるなよ 」


衛美

「 任せて!

 ( げんとは離れられない関係なんだけどね… )

  ──げん、どういう事なの?

  ちゃんと教えて! 」


 づるさんがお祖母様を連れて家の中へ入ったのを確認したげんは、ひとがたをした真っ白くてうすっぺらいかみにんぎょうほうへ飛ばして結界を張ったみたい。


 げんが結界を張るなんて事、今までなかったのに──。


 なんかヤッバい展開になりそう。


 お母さんがなくてかったわ。


玄武

「 憑依陣だ。

  奴がた。

  盗人ぬすっとの──しょうれい!!!! 」


衛美

盗人ぬすっと??

  どういう事なの?? 」


「 ──盗人ぬすっと とは酷いなぁ…。

  はオレに譲渡してくれたんだよ。

  じょ・う・と──。

  意味、分かるかなぁ? 」


玄武

なにが譲渡だ、はなはだしい!!

  ワタシのを騙してモノにした事は知っている! 」


「 相変わらず暑苦しくてウザイのな、お前は…。

  お前みたいなウザくて嫉妬深い式神なんかを作ったんだか…。

  オレが傍にたのに…… 」


玄武

「 愛想を尽かされたのが分からないのか。

  しつこくて執念深いお前と友人でいる事に疲れたんだ。

  はワタシに癒しを求めたのだ 」


衛美

げんは癒し系と言うよりトラブルメーカーじゃないの?

  私…げんに癒された事なんて1度もないし… 」


玄武

えいは “ 女の子 ” だからな。

  ワタシも弁えているという事だ 」


衛美

「 弁える──ってなにをよ?

  ──でもまぁ、今はそんな事いいのよ。

  アンタは誰なの?

  身体からだめいしょうさんだけど、中身は違うわよね? 」


祿棠冥晶

「 あぁ…身体からだね。

  そうだね、身体からだは確かに祿ろくどうめいしょうのだよ。

  めいしょうには深く眠ってもらっている。

  今、祿ろくどうめいしょうの意識を乗っ取っている状態になるね 」


衛美

しょうれい…さん?

  どうして出てたりしたの? 」


霄囹

「 ……さて、かな?

  妙にムズムズしてしまってね。

  あぁ…オレの本体はにはないよ。

  オレを攻撃したら、祿ろくどうめいしょう身体からだが壊れるよ。

  あははははっ!! 」


衛美

「 本体は別にある──って、わざ(わざ)意識を飛ばしてたって事?? 」


霄囹

「 残念。

  意識ではなくて思念体だね。

  ふぅん…?

  きみの転生体なんだ?

  転生陣──完成してたんだ…。

  オレには不完全な転生陣を残して、自分は完成した転生陣を使うなんて酷いんじゃないのか、ぉ〜〜〜 」


衛美

「 私はじゃないわよ!

  アンタ(霄囹)なんか気持ち悪い!!

  私はじゃないから、アンタ(霄囹)と仲良くなる気なんて欠片もないからね! 」


霄囹

「 ──女に興味はないよ。

  前世で飽きる程、女で遊んだからさぁ。

  の生み出した術式は一生遊んで暮らせる程、重宝したよ 」


衛美

しょうれいって、最低じゃんね。

  きっとロクでもない陰陽師だったんでしょうね! 」

◎ 変更しました。

  転移陣 ─→ 憑依陣

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