♥ 瀬圉家 2 / 本家 2 / 本邸 1
──*──*──*── 本邸
お母さんが本邸のインターホンを押してから玄関を開けてくれる。
本邸へ入って玄関で靴を脱いだら、用意されているルームシューズを履いて廊下を歩く。
衛美
「 お母さん、何処の部屋に行くの? 」
衛美ママ:美緒
「 応接間よ。
衛美に会わせたいお客様が待っているそうよ 」
衛美
「 私に会わせたいお客様ぁ??
何で私に会わせたいんだろうね?
( …………玄武の被害者じゃないわよねぇ?? )」
玄武
『 何を言う。
最近のワタシは大人しかったろうに。
被害者ではない。
断じてな 』
衛美
「( …………信じたいけど…。
会ってみない事には分からないわよね。
どうか、玄武とワタシとは無縁の人でありますように!! )」
玄武
『 衛美は心配性だな 』
衛美
「( 日頃の──って言うか前科があるでしょ!
前科が!!
前科の被害者が訴えに来たのかも知れないじゃないのぉ~~ )」
玄武
『 衛美には何も出来ないだろう。
ワタシの姿は衛美にしか見えないようにしている。
被害者の誰も衛美の犯行とは思っていない 』
衛美
「( ── “ 犯行 ” って言わないで!
まるで私が犯罪者みたいじゃないのよぉ〜〜 )」
玄武
『 そうか? 』
衛美ママ:美緒
「 ──お母様のお考えは母さんにも分からないわ。
衛美、呉々もお母様には失礼のないようにするのよ。
勿論、お客様にもね 」
衛美
「 は〜〜〜い。
余計な事さえ言わなければ直ぐ済むんじゃないの? 」
衛美ママ:美緒
「 そうだと良いんだけど…… 」
お母さんと話ながら廊下を歩いていたら、応接間に着いた。
お母さんが応接間のドアをノックしてから「 お母様、美緒です。衛美を連れて来ました。失礼致します 」って言ってからドアを開ける。
お母さんが会釈をして応接間に入るから、私も真似して会釈をしてから「 失礼しま~す 」って言って客間に入った。
因みに応接間のドアを閉めたのは私ね。




