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♥ これは式神  作者: 雪*苺
四日目 / 木曜日 4月25日
25/104

♥ 下校 2 / 湖世苺公園


──*──*──*── 湖世苺公園


玄武

『 ──が例の公園か 』


衛美

「( まい公園ね。

   この先に汚いみずうみがあるのよ。

   ──ほら、案内図に描いてある )」


玄武

『 確かに大きなみずうみだな。

  深そうだ 』


衛美

「( ちょっと……物騒な事を考えたりしてないでしょうね… )」


玄武

『 まさか… 』


衛美

「( だったら、ちゃんと私の目を見ていいなさいよ! )」


玄武

なにも考えてない… 』


衛美

「( ほんに、げんって── )」


境戸託司

さん、みずうみがあるよ!

  随分と大きいなみずうみだね。

 ( いーよな〜〜。

   みずうみでボートデート。

   …さんとボートデートしたい。

   ──ああ、でも…の水は汚いから駄目なんだっけ…… )」


衛美

「 深そうね。

  コッシー、いるかも 」


境戸託司

「 コッシー??

  ──ああ!

  まい公園だから、コッシー?

  ハハハ、さんって、UMA(謎の未確認生物)を信じてるの?

  可愛いね(////)」


衛美

「 言ってみただけよ…。

  みずうみなんていいのよ。

  早く専門店へ行きましょう 」


境戸託司

「 あっ、待って!

  さん 」


玄武

『 店が見えてたな 』


衛美

「( オシャレな外装ね。

   専門店というよりカフェぽいわ )」


境戸託司

「 うわ〜、アレが苺スイーツの専門店なんだね。

  外装から女子向けだね… 」


衛美

「 入るのめる? 」


境戸託司

「 入りたいよ!

  折角、までたんだから、入るよ!

  恥ずかしくなんかないよ、俺は!!(////)」


衛美

「 そう…。

  なら、入りましょう 」


 えいは、その場にけいたくを残したまま、スタスタと専門店へ向かって歩き出した。


境戸託司

「 あっ、待ってよ、さん!!

  置いて行くなんて冷たいよ… 」


衛美

みずうみの水よりは冷たくないと思うけど? 」


玄武

『 雨水程度だ 』


衛美

「( 式神に温度が分かるの?? )」


玄武

れいのうりょくの強弱によるがな 』


衛美

「( そうなの?

   私のれいのうりょくじゃあ、温度は感じられない? )」


玄武

『 実体化していない状態で温度を感じるのは無理だな。

  実体化しているなら感じるかも知れないな 』


衛美

「( なによ、確めた事ないの?

   今まではどうだったのよ? )」


玄武

『 意識をしていなかったからな。

  分からない 』


衛美

「( なら、今夜辺りにでも試してみましょ )」


玄武

なにをして試す? 』


衛美

「( そうね、先ずは浴槽で実体化するの。

   次に熱湯を肌に掛けるの。

   温度を感じるか分かるでしょう?

   手っ取り早くていいでしょう? )」


玄武

『 ふむ…なる程な。

  い案だ』


衛美

「( …………言ってはみたけど…火傷しないわよね? )」


玄武

『 それはどうかな?

  今夜が楽しみだ 』


衛美

「( …………不安だわ。

   他の方法も考えてみる… )」


玄武

『 そうか?

  楽しみにしていよう 』


衛美

「( そりゃどうも… )」


境戸託司

「 うわぁ……近くで見ると想像以上にファンシーだね…。

  さん、中に入る前に写メ、撮っていいかな??

  実はさ──……こんな事も有ろうかと、自撮り棒を持参してるんだ。

  店をバックに一緒に撮ってもいいかな?? 」


 けいたくは自分の鞄から愛用の自撮り棒を出すと、えいに見せる。


衛美

「 …………用意がいのねけい君は… 」


境戸託司

「 ……俺と写るのは、いや…かな? 」


衛美

「 別にいやじゃないわ。

  私はカメラに魂を抜かれるなんて思わないもの 」


境戸託司

「 アハハ!

  懐かしいな〜、それ!

  中学生の頃だったかな?

  写真を撮る時、ネタにして友達とふざけてたよ 」


衛美

「 撮るなら早くして 」


境戸託司

「 あっ…うん!

  ぐ撮るよ 」


 けいたくは、愛用の自撮り棒に自分のスマートフォンを取り付けた。


 苺の専門店をバックにして、えいけいたくが横一列に並ぶ。


 えいの肩と自分の肩がれる事のないようにと、けいたくは、1つ分の拳が入る隙間をける。


 男性不信で男性恐怖症のえいへの配慮だろう。


境戸託司

「 ──じゃあ、撮るよ、さん。

  ──さんはい、おいちーず☆ 」



 カシャッ



衛美

「 ……ちょっと、今の掛け声はなんなの? 」


境戸託司

「 え?

  ああ、『 おいちーず 』の事?

  『 はい、ちーず 』の事だよ。

  意味は全然…違うけどね。

  ── “ 美味しいチーズ ” を縮めて “ おいちーず ” って言うんだ。

  俺…チーズが好きだからさ、写真を撮る時の掛け声に使うようにしてるんだ(////)」


衛美

「 そ、そう… 」


境戸託司

「 ──見て、さん。

  きれいに撮れてるよ。

  初めてのツーショットだね(////)」


衛美

「( …………げんは写ってないわね )」


玄武

『 式神だからな。

  実体化すれば画面にも写る 』


衛美

「( そう言えば…、実体化したげんを写真に撮った事はなかったわね… )」


玄武

『 今夜にでも撮ってみるか? 』


衛美

「( そうね。

   いいかも )

  けい君、その画像、私のLINEにも送ってくれるわよね? 」


境戸託司

「 え?

  ──うん!

  勿論だよ!(////)」


衛美

「 写真も撮った事だし、早く中へ入りましょう 」


境戸託司

「 うん…そうだね!

 ( ああ…ほんとうにデートみたいだよ…。

   夢なら覚めないでほしいな〜〜〜。

   さんと2人きりの時間が、ずっと続けばいいのになぁ…。

   両想いになってさんの名前を呼びたいよ。

   “ えい ” って……近くで呼びたい。

   いや、耳元で優しく囁きたいな!! )」


衛美

「 どうしたの、けい君。

  出入口で突っ立っていたら邪魔になるわよ… 」


境戸託司

「 ……え?

  あれ??

  ──うわたぁあっ?!

  す、すみません!! 」


 我に返ったけいたくは、ぶつかりそうになった3人組の女性に頭をげて謝った。


衛美

「 ボーとしてるなんて…、具合でも悪いの?

  大事を取って帰る?

  無理するのはくないわよ 」


境戸託司

さん(////)

  違うから!

  俺の身体からだは元気まん丸だよ!

  具合は頗る快調だから!!

  さんとスイーツを食べれるのが嬉しくて意識が飛んじゃっただけだよ(////)」


衛美

「 はあ?

  意識が飛んだの?

  ……ほんに大丈夫なの?? 」


境戸託司

「 大丈夫だよ、さん。

  俺は男だからね!

  ちょっぐくらい意識が飛んだって、どうって事ないよ。

  それに、健全たる男子には、よくある事なんだ。

  心配は無用だよ☆ 」


衛美

「 そ、そう…なの?

  けい君がまで言うなら気にしない事にするわ… 」


境戸託司

「 うん。

  がとう!

  それじゃあ、今度こそ、ほんとうに中へ入ろう! 」


衛美

「 そうね 」


 えいけいたくは、苺の専門店の自動ドアを抜けて、店の中へ入った。

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