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♥ これは式神  作者: 雪*苺
四日目 / 木曜日 4月25日
24/104

♥ 下校 1 / 校門 / 待ち合わせ


──*──*──*── 校門


境戸託司

「( うわぁ〜〜〜!!

   さんからの初LINE!!

   う、嬉しい(////)

   あぁ…でも、なんて素っ気ない内容だろう…。

   顔文字や絵文字を使ってる俺が馬鹿みたいだよ……。

   さんとのあいだに温度差を感じる……。

   いや、でも…この温度差を埋めないと!

   Wデートの為に!! )」


玄武

『 ……スマホとやらを見ながらニヤニヤしているな。

  …無視して帰るか? 』


衛美

「( ……しないわ。

   ちゃんと声は掛けるわよ )

  ──けい君、お待たせ 」


境戸託司

さん!

  大丈夫だよ。

  さんの為なら、なん時間でも待つよ! 」


衛美

「 ……待たなくていいから。

  けい君の最寄り駅は? 」


境戸託司

「 え?

  俺の最寄り駅は──徳条駅だよ。

  さんの最寄り駅は? 」


衛美

「 善師駅。

  反対方向ね 」


境戸託司

「 …………ほんとうだね。

 ( まさかの反対方向?!

  これじゃあ、大学から最寄り駅までの15分しか話せないじゃないか!

  ……いや、だLINEがあるし!

  仲良くなるチャンスは幾らでも…ある筈!! )」


衛美

「 どうしたの?

  駅に行くでしょ 」


境戸託司

「 あ、うん…。

  ──あのさ、駅に向かう前にか寄らない?

  今の時期は日も長いし、電車の数も1時間に4本もあるし、寄り道とか──。

  い、いやかな? 」


衛美

「 いいけど…。

  に寄るつもり? 」


境戸託司

「 ええと…… 」


玄武

『 考えてないのか。

  思い付きで言うとは… 』


衛美

「 そう言えば、近くに公園があったわね?

  まい公園──だったかしら? 」


境戸託司

「 え?

  ああ、うん。

  確かにあるね。

  大きな湖があって、ボート漕ぎが出来るんだよね。

  桜の咲く季節にはカップルがボートデートしてる 」


衛美

「 湖の水は濁っていて汚いのに…人気スポットなのが不思議だわ 」


境戸託司

「 桜が綺麗だからね…。

  ボートに乗らなくても花見が出来る場所もあるし…。

  夜はライトアップされるから夜桜が綺麗だよ。

  夜ならボートに乗っても湖の水の濁りも気にならないと思うし、ロマンチックだよ 」


衛美

「 そうかしら?

  夜だろうと昼間だろうと湖の水が汚い事には変わらないわ。

  夏には蛍を湖に放し飼いにするみたいだけど、蛍が可哀想…。

  湖には蛍の死骸が浮いているし、ロマンチックとは言えないわ 」


境戸託司

「 …………た、確かに蛍は可哀想だね。

  …綺麗な水辺でしか生きられないみたいだし… 」


衛美

「 ボートに乗ってなにが楽しいのかしら?

  水が汚いのに…。

  芽生えるものも芽生えないと思うわ。

  デートコースとしてはね 」


境戸託司

「 …………手厳しいね…さん… 」


衛美

「 ボートデートはきらいなの 」


境戸託司

「 そ、そうなんだ?

  …さんはボートデートした事があるの??

  そんな相手がいたんだね…。

  ──なんか先を越されたみたいで悔しいな… 」


衛美

「 デートする相手なんていた事ないわ。

  湖の水を見たら、ボートに乗らなくても幻滅するでしょう? 」


境戸託司

「 え?

  あれ、いないの?? 」


衛美

けい君にとっても湖の水は、どうでもいい派なのね…。

  気が合わなくて残念だわ 」


境戸託司

「( え〜〜〜……… )

  ……水が綺麗な場所でならボートデートしてもいい? 」


衛美

「 そうね。

  どうせボートに乗るなら、水の綺麗な池や湖がいいわ。

  誘われたボートデートの水が汚かったら、気持ちも冷めるわ。

  この人にとって、私はその程度だったのね──ってね 」


境戸託司

「 …………そ、そうなんだ…。

  ボートデートには水の綺麗さも大事なんだね… 」


衛美

きらわれても構わないなら、水に拘らなくてもいいと思うわ 」


境戸託司

「 …………覚えておくよ 」


衛美

「 そう?

  気にしない女性の方が多いかもね。

  ボートの話は終わるけど──、まい公園にはビニールハウスがあるわよね 」


境戸託司

「 ああ!

  あるね。

  年中無休で苺を育ててる──って。

  さん、もしかして? 」


衛美

「 その “ もしかして ” よ。

  苺のスイーツ専門店が公園の中にあるでしょ? 」


境戸託司

「 うん、確かにあるね!

  に寄りたい? 」


衛美

「 どうせならね。

  いい? 」


境戸託司

「 ──勿論だよ!!

  男が1人で入るのに恥ずかしい外装だから、諦めてたんだよ(////)

  初めて行く相手がさんで嬉しいよ(////)」


衛美

「 そう?

  ……変わってるのね 」


境戸託司

「( 駅と反対方向だから寄る機会はなかったけど…行けてラッキーだな〜。

   あとみやこしに自慢してやろう!

   写メって見せびらかせてやらないと!! )

  ──行こう、さん! 」


衛美

「 張り切っちゃって…。

  そんなに嬉しいの? 」


境戸託司

「 嬉しいよ!

  今なら、空だって飛べそうだよ!! 」


衛美

「 ……そりゃかったわ… 」


玄武

『 吹っ飛ばしてみよう 』


衛美

「( めてあげて!

   死んじゃうから。

   ……それに、不安の原因が分からないままになっちゃうでしょう? )」


玄武

『 死にはしない。

  今までえいに危害を加えた者は生きているだろう 』


衛美

「( そうだけど…。

   兎に角、今は余計な事しないで )」


玄武

『 苺スイーツに免じてな 』


衛美

「( ……ありがと )」

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