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♥ これは式神  作者: 雪*苺
四日目 / 木曜日 4月25日
21/104

♥ 大学 1 / 昼休み 1 / お誘い


「 ──さん!! 」


玄武

たぞ、えい

  懲りない男だ 』


衛美

「( …………日本語がつうじないのかしら?? )」


玄武

は大学なのだろう?

  十分つうじていると思うが? 』


衛美

「( がよ…。

   “ 近付くな ” “ 構うな ” “ さわるな ” って、確かに言ったわよ? )」


玄武

『 余程、えいと “ 友達 ” とやらになりたいのかもな 』


衛美

「( ()()だけ強調しないで… )」


境戸託司

さん!

  昼食ランチを一緒に── 」


衛美

「 食べない 」


境戸託司

さん……俺、諦めないよ。

  諦めたらで終ってしまうからね。

  さんと友達になりたい俺の気持ちは本物だよ。

  だから、諦めたりしないんだ!!

  友達になってくれるまで俺は毎日、さんに声を掛けるよ。

  一緒に登校したいし、一緒に下校したい。

  お昼も一緒に食べたいから、昼食ランチにも誘う!

  俺、欲張りなんだ。

  覚悟してよね 」


玄武

『 転んでもタダでは起きない男だな 』


衛美

「( 私は拒否してるっていうのに!

   これじゃあ、ストーカーじゃないのよ… )」


玄武

『 友達になってやったらどうだ?

  襲われそうになったらワタシがるし 』


衛美

「( 加減が出来ないでしょ! )」


玄武

『 加減する必要はない。

  えいに危害を加える者は誰であろうと排除する。

  例外はない 』


衛美

「( …………いやよ… )」


境戸託司

さん、今朝の事…気にしてる?

  安心して、さんにはさわらないように気を付ける。

  さんが俺にさわってくれるまで、俺は待つよ。

  昔から待つのは得意なんだ(////)」


衛美

「( ………… )」


玄武

えい、どうした? 』


衛美

「( …………分からない。

   分からないけど…今、なんか…… )

  …………いいわ。

  確めてあげる… 」


境戸託司

「 え? 」


衛美

けい君が、友達になっても大丈夫な人なのか──って事。

  今から宜しく… 」


境戸託司

さん!!

  俺の方こそ、宜しく!

  お試し期間って所かな?

  それでも嬉しいよ(////)

  あっ、今は苗字呼びだけど、友達になったら下の名前で呼んでもいいかな? 」


衛美

「 …………なれたら、ね 」


境戸託司

がとう!

  さん 」


衛美

「( …………ほんなんだったのかしら?

   さっきの……一瞬感じたのは… )」


玄武

『 それをたしかめる為に──か? 』


衛美

「( だって、気になるじゃない?

   このまま放っておけないもの……。

   げん、私をってね… )」


玄武

『 ──えい!!

  ああ、勿論だ。

  あんじんして、不安要素をたしかめるといい 』


衛美

「( ……言っとくけど、ちゃんと手加減してよ! )」


玄武

『 ………………分かっている 』


衛美

「( 今のなに

   ちゃんとわかってるんでしょうねぇ? )」


玄武

『 ……勿論だ 』


衛美

「( なんで目を逸らすのよ!

   あの時の事、忘れたなんて言わせないわよ! )」


玄武

『 ……あの時??

  ──はて?

  なにかあったか? 』


衛美

「( ……怒るわよ。

   有り過ぎて分からないのね?

   なら、思い出させてあげる!

   私が小学生の低学年だった時よ。

   友達のF子ちゃんと私は、3人のクラスメイトの女子に校舎の裏へ連れて行かれたわ。

   覚えてる? )」


玄武

『 …はて? 』


衛美

「( ──くっ、とぼけるつもり?

   ──猫じゃらしを手に持ったR恵とN子とY子の3人に言われたの。

   わらいながら『 ズボンとパンツをろせ 』って。

   F子ちゃんは泣いてたし、私もわけが分からない。

   逃げれないようにって、3人に囲まれて、追い込まれて…2人でズボンに手を掛けたら──…どうなったか覚えてるでしょう? )」


玄武

『 …さあ? 』


衛美

「( 覚えてないって言うの?

   あんな酷い事をしといて! )」


玄武

『 酷い?

  ワタシはなにも酷い事はしていない。

  むしろ酷い事をしのは、あの3人だ。

  えいを辱しめようとした。

  ワタシは悪意の塊を砕いただけだ 』


衛美

「( 3人の子宮を破裂させといてなに、言ってんの!!

   3人共、大手術をして子宮を摘出したのよ!

   あの歳でよ。

   小学生よ、低学年でよ!! )」


玄武

『 それが?

  ワタシには関係無い。

  ワタシはえいの〈 〉だ。

  ワタシはワタシの役目を果たしたに過ぎない 』


衛美

「( ……やり過ぎ、なのよ… )」


玄武

『 当然の報いだ。

  えいを辱しめて、あの程度で済んだ事を感謝されてもいいぐらいだ。

  生き長らえているあの3人は今もこの空の下で、のうのうと人生を謳歌しているのだろう?

 ワタシは今でも生かしてしまった事が心残りだ… 』


衛美

「( 好きな人と巡り会えて、付き合って、結婚しても、子宮がなきゃ…愛してる人の子供は産めないのよ? )」


玄武

『 そうだな。

  えいを辱しめようとした当時の自分達の愚行を悔やんで苦しむのだろうな?

  物足りないが、いいのではないか? 』


衛美

「( くないわよ!! )」


玄武

『 ワタシは…あの時、えいがワタシに助けを求めてくれた事が心の底から嬉しかった。

  えいに必要とされていると感じたからだ。

  つい、感窮まってはしゃいでしまった(////)』


衛美

「( はしゃいで、あの惨事はないでしょ!

   F子ちゃんは3人が悲鳴を挙げて倒れたのを見て、お漏らししたまま気を失っちゃうし!!

   私…大変だったんだからね!! )」


玄武

『 …そう言えば、あの後、大勢の大人がていたな 』


衛美

「( そりゃ、あんな痛ましい事件が起きれば、誰も知らん顔なんて出来ないわよ……。

   大体、子宮の破裂は妊婦さんに起こるものなのよ?

   妊娠も出来ない子供も身籠れない小学生の低学年の女子児童の3人が、立て続けに同じ症状で倒れるなんて──普通じゃ有り得ない事よ。

   騒ぎになるわよ!

   ならない方がどうかしてるわ… )」


玄武

えい……。

  今回はワタシを信じろ。

  ワタシも過去のおこないから学んだ。

  大丈夫だ 』


衛美

「( …………いいわ。

   今は、信じてあげる )

  ──けい君はでランチしたいの? 」


境戸託司

「 ──え? 」


衛美

「 『 え? 』じゃなくて… 」


境戸託司

さんはで食べたいの?

  俺はさんに合わせたいな(////)」


衛美

「 ……そう、なの?

  変わってるわね…。

  ──そうね…今日きょうは天気がいから中庭のテラスで食べたい気分…かも 」


境戸託司

「 中庭のテラスだね。

  に座ろうか?

  日影が強いから、日蔭のテラスにしようか? 」


玄武

『 ……えい、今のが駄洒落か? 』


衛美

「( 違うと思うわ…。

   日影は()()()の事よ。

   別に駄洒落を言ったわけじゃないと思うけど? )」


玄武

『 そうか… 』


衛美

「 ねえ、けい君。

  今のって、駄洒落なの? 」


境戸託司

「 え?

  なにがだい? 」


衛美

「 『 日影が強いから、日蔭のテラスで 』って言ったでしょう?

  駄洒落を言ったの?? 」


境戸託司

「 えぇぇっ?!

  駄洒落を言ったつもりはないよ(////)

  けど…、そう聞こえちゃったんだね(////)」


衛美

「( 違うみたいよ )」


玄武

『 ノリが悪いな 』


衛美

「( …チャラいよりマシよ )

  中庭に行きましょう。

  けい君、手ぶらだけどなにか買うの? 」


境戸託司

「 え?

  あ…買わないよ。

  友達が弁当を作っててくれてて──、食堂で受け取る事になってるんだ 」


衛美

「 手作りのお弁当?

  モテるのね、けい君って。

  その子と一緒に食べなくていいの? 」


境戸託司

さん(////)

  勘違いしないでほしいんだけど…、弁当を作ってくれるのは女の子じゃないから(////)」


衛美

「 ……は?

  異性じゃないの?

  ──同性?!

  けい君って、恋愛対象はどうせ── 」


境戸託司

「 ち、違うから(////)

  有り得ないから(////)

  恋愛対象はちゃんと女の子だから(////)

  そっちの勘違いしないで!!

  気になってる子に言われたらへこむよ… 」


衛美

「 ……悪かったわ。

  料理男子と仲良いの? 」


境戸託司

「 うん…。

  『 彼女に作ってあげてる 』って言ってたよ。

  俺とは幼稚園からの幼馴染みでさ、ついでに作ってくれてるんだ。

  ──高校の時、女子が俺に弁当を作っててくれてたんだけど…とてもじゃないけど、食べきれなくて大変だったんだ。

  それを見兼ねた友達が── 料理好きな事もあってね──作ってくれるようになったんだよ。

  いい奴なんだ(////)」


衛美

「 苦労してたのね… 」


境戸託司

「 女子の手作り弁当のお蔭で太っちゃってさ(////)

  体型を戻すのにも苦労したよ(////)

  大学デビューに合わせてダイエットを始めたんだけど、間に合ってホッとしてるんだ 」


衛美

けい君は太り易い体質なの? 」


境戸託司

「 う〜ん……どうかな?

  そんな事なかったと思うよ。

  急激に太り出したのは、女子が差し入れてくれた弁当を食べ始めてからだし… 」


衛美

かったわね。

  体型が戻って 」


境戸託司

ほんにね!

  さんはなにを食べるの?

  そのバスケットは…… 」


衛美

「 作ってたの。

  ベーグルサンド 」


境戸託司

「 べ…ベーグルサンド!?

  朝からベーグルサンドを作ったの?!

  凄いね!

  さんも料理が好きなの? 」


衛美

「 違うわ。

  ベーグルパンは母が焼いたの。

  パン作りが趣味なのよ。

  私は冷蔵庫に入ってる食材を選んで挟んだだけ 」


境戸託司

「 いいな〜〜…さんの手作りベーグルサンド!

  俺も食べたいな〜〜 」


衛美

「 あげないわよ。

  料理好きの友達に作ってもらったらどう? 」


境戸託司

みやこし作ってくれるかな…。

  彼奴あいつの彼女、米派だからなぁ…。

  難しいかも知れないけど… 」


──*──*──*── 中庭


──*──*──*── テラス


「 おーい!

  たく

  弁当、持ってたぞーー! 」


境戸託司

「 あっ、みやこし

  サンキューな 」


衛美

「( …………第3者から見ると、絵になるカップルに見えるわ…。

   イケメン過ぎるのも問題ね… )」


玄武

『 あの目を見る限り…だが、彼女持ちか怪しいな 』


衛美

「( 目を見ただけで分かるの? )」


玄武

『 伊達に千年以上も生きてない。

  様々な男を見続けて(き)来た経験だな。

  みやこしとやらは十中八九、けいたくを好いている。

  恋愛視点とやらでな 』


衛美

「( …………教えてあげた方がいいのかしら? )」


玄武

『 教える必要はない。

  このまま知らぬ方が面白そうだ 』


衛美

「( 悪い式神さんね… )」

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