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♥ これは式神  作者: 雪*苺
三日目 / 水曜日 4月24日
16/104

♥ 瀬圉家 2 / 本家 2


衛美

「 リッちゃん! 」


蒔邑利樹

「 ──えいちゃん?! 」


衛美

「 えへへ(////)

  え〜と……6年振り? 」


蒔邑利樹

「 …………そ、そうだね(////)

  また一段と可愛くなったんじゃないか? 」


衛美

「 え?

  ……そ、そうかな(////)」


蒔邑利樹

「 うん…元から可愛いけど、可愛さに磨きが掛かったみたいに可愛いよ 」


衛美

「 リッちゃん(////)

  あ…あのね、私…大学生になったの。

  女子大生になれたんだよ! 」


蒔邑利樹

ほん?!

  そうか……もしかして、俺との約束…覚えてくれてたって思っていいのかな? 」


衛美

「 うん(////)

  中学時代は強制的に部活動に励まないといけなくて……、部活と勉強の両立でいっぱいいっぱいだったけど、高校時代は3年間は帰宅部になって、大学受験に向けて勉学に励んだの。

  ……初めの頃はリッちゃんのかよってる大学を目指して勉強してたんだけど……『 自宅からかよえない大学は駄目!! 女の子の1人暮しは許しません!! 』って両親に怒られちゃって……。

  電車通学になるけど、近い大学に変更する事になったの…… 」


蒔邑利樹

「 そっか…。

  そうだな……俺のかよってる大学は県外だからな…。

  確かに外国に比べたら日本の治安はいいけど、女の子の1人暮しは俺も賛成は出来ないな。

  第一、えいちゃんは≪ ≫ の大事な跡取り娘だからな 」


衛美

「 分家の──だけどね 」


蒔邑利樹

「 勉強にたのか? 」


衛美

「 え?

  ……ううん、えいに『 久し振りに寄らないか? 』って言われて。

  ちゃった 」


蒔邑利樹

「 なんだ……。

  俺に会う為にてくれたんじゃないんだな… 」


衛美

「 えっ……。

  リッちゃん(////)」


蒔邑利樹

「( ………………相変わらず、えいにベッタリなんだな。

   あの妖怪(あやかし)は……。

   俺にも見える事をえいちゃんには言ってないのか…… )」


衛美

「 リッちゃん?

  どうしたの?? 」


蒔邑利樹

「 ……いや。

  ああ、そうだ…これから夕飯を食べに行くんだ。

  えいちゃんもるかい? 」


 夕食に誘おうと声を掛けると、えいの横に立っているげんが、りつに満面の笑顔を向けた。


 笑顔を向けられたりつは、背筋に悪寒が走り、今にも凍らされてしまいそうなげんの鋭く冷血冷淡な瞳に恐ろしさを感じた。


蒔邑利樹

「 ……勿論、えいも一緒に、だけどな… 」


 咄嗟にえいの名前を付け足すと、げんから発せられていた殺気が薄れる。


 りつは、命拾いした事を心の中で安堵し、胸を撫でろした。


衛美

「 いいな〜!

  リッちゃんと夕飯♪♪♪

  リッちゃんは夜の勉強にも参会するの? 」


蒔邑利樹

「 そうだよ。

  は休みだからな。

  泊めてもらう事になってるんだ 」


衛美

「 泊まる──って、(えい)(の家)に? 」


蒔邑利樹

「 いや、東の別邸にある離れ。

 { えいと夜更かしする事になってるんだ }」


衛美

「{ よ、夜更かし?!

   いいな〜…… }」


衛夛

えいちゃん?

  までりつさんと話してんの? 」


衛美

えい…ごめん…… 」


蒔邑利樹

「 これから夕飯に行くんだ。

  えいいよ。

  外食、好きだろ? 」


衛夛

「 まあ、好きだけど?

  なんでそんな必死な顔して言うの?? 」


蒔邑利樹

は気にしなくていい。

  るだろ?

  たいよな? 」


衛夛

「 ………………いいよ。

  えいちゃんには、オレから連絡しとく。

  えいちゃんが言うと反対されそうだし… 」


衛美

えい〜〜〜ありがと♥ 」


衛夛

「 どう致しまして。

  俺の車で移動しよ。

  その方がなにかと安心だろ? 」


衛美

「 安心だけど…街中に高級車が停まってると落ちかないよ。

  軽車で行こうよ 」


衛夛

「 軽車ぁ〜??

  せめて普通車に…… 」


蒔邑利樹

「 5人乗りの車なられでもいいよ。

  どうせ全部、黒塗りだろ。

  運転手もSPも付いてるのは変わらないからな 」


衛美

「 全部、黒塗り…なの?

  黒、好きだね 」


衛夛

「 言っとくけど、オレの趣味じゃないからね!

  もう行くの?

  行くならぐに用意させるけど 」


蒔邑利樹

「 そうだな。

  貴重品は持ってるし、ぐに出れる 」


衛夛

  ──まきない

  外食する。

  ときに “ 五人乗りに変える ” と伝えろ。

  正門で待つ。

  準備が済次第、い。

  軽車でな 」


眞迺

「 はい、若 」


 短く返事をしたまきないさんは、ときさんが乗っている高級車の元へ走って行った。


衛美

まきないさん、足が速いね〜。

  陸上選手みたい!! 」


衛夛

「 運動神経は抜群にいいからな〜。

  ときも速いよ。

  ≪ ≫に仕える使用人は全員、凄い人達ばかりだよ 」


衛美

「 そんな凄い人達に毎日守られてるえいも凄いよ 」


衛夛

「 そうかな(////)

  正門に行こうか 」


衛美

「 うん♪

  行こ! 」


蒔邑利樹

「( ハハハ──。

   えいちゃんは変わらないな。

   変わらないでくれて嬉しい…。

   俺を好きでいてくれたあの頃のえいちゃんのままだ。

   ……気持ちも変わってないと嬉しいんだけどな。

   …………付き合えないけど… )」


 そう思いながらりつは、えいの左横を歩きながら、楽しそうに話しているえいを見詰める。


 えいの左横にはげんが、まるで金魚のフンのようにピッタリとくっついて浮いていた。

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