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♥ これは式神  作者: 雪*苺
三日目 / 水曜日 4月24日
15/104

♥ 瀬圉家 1 / 本家 1


──*──*──*── 本家


衛美

「 相変わらず、大きな屋敷ね〜! 」


 本家の土地は、かなり広い。


 住宅の10件家分の敷地の別邸が東西北の位置に1ヵ所にずつ建っていて、その左右には大きな倉が1つずつ建っているし別邸の後ろには離れまである。


 3ヵ所の別邸の真ん中には時代を感じさせる本邸がある。


 本邸の大きさは、3ヵ所の別邸を合わせた敷地面積よりも広い。


 時代を感じる大きく立派な倉なんて本邸の後ろに4つも建っている。


 離れに至っては本邸の左右に2件も建っている。


 しかも本邸は池に囲まれていて本邸へ行く為には、これまた時代を感じるおごそかな橋を渡らなければいけない。


 橋は正面に1つしかない。


 橋に行きく前には、立派なしゃが建っている。


 つまりしゃの後ろに本邸と別邸があるって事。


 ≪ しゃ ≫は寺と神社が1つになっている。


 こんにち、日本では神棚と佛檀と別々に祭っているが、以前は一緒にまつっていたものを実は分離したのである────と教わった。


 平田新道の影響を多分に受け、王政復古と同時に、新道復古、はいぶつしゃくを唱え、明治政府が樹立するや、江戸時代の佛教中心の宗教政策を改め、新道中心主義を採用して、明治元年3月祭政一致、じん官再興の布告が発せられ、続いて神佛分離、国民総氏子の布告が発せられて、一大宗教改革がなされて、こんにちに至ったものである────と教わった。


 そんなわけで、宗教改革が行われる(本来)の在り方で寺と神社を1つにしているのだとか。


 ≪ まきむらしゃ ≫も同じ。


 ≪ しゃ ≫の右横には、実践哲学の勉強を學べる建物が建っている。


 “ 実践哲学(科学と学問)を學ぶ場所 ” という事でなまびと呼ばれている。


 私もえいも、両親に連れられて行ってたっけ。


 中学生になってからは、かの部活に必ず入部して部活動に励まないといけなかったから、私の方はスッカリ御無沙汰になってしまったけど……。


 本家の養子となったえいは毎日、欠かさずに勉強会に参会していたのかも知れない。


 えいは私と違って頭もいから、勉強会の内容にも付いていけると思う。


 佛教大学の教授や佛教学者にも理解するのが難しい内容らしいから……。


衛夛

えいりつさんが出てたよ! 」


 えいに声を掛けられたえいなまびの玄関辺りへ目を向ける。


 なまびの玄関から出てたのは、長身の若者だ。


 長身の若者は誰かと親しに話をしていた。


 離れた場所から見ても、彼の背が高い事がよく分かる。


衛美

りつさん……リッちゃん。

  …………やっぱりカッコいい(////)

  ねぇねぇ、数年見ない内に前よりも男前になったんじゃないの!! 」


衛夛

「 そうか?

  変わらないと思うけどな〜。

  オレ、しょっちゅう(なまび)で顔合わせるしな〜 」


衛美

「 毎日見てるから分からないんだよ!

  ねえ、だフリーかな?

  私も大学生になったんだし、リッちゃんと付き合っても犯罪にならないと思うの 」


衛夛

「 諦めてなかったの? 」


衛美

「 当然でしょ!

  『 女子大生になったらね 』って言われただけだし。

  約束どおり、女子大生になれたもん 」


衛夛

「 ……………………遠回しに “ 断られた ” って思わないの?

  りつさんと俺達って親戚同士だからさ、オブラートに包んで、やんわり断ってくれたんだと思うんだけどな… 」


衛美

「 はあ?

  どうして?

  付き合えないなら、ちゃんと付き合えない理由を言って断ればいいじゃない。

  なんでそんな回りくどい断り方する必要があるの?

  自分が悪者になりたくないから?? 」


衛夛

「 …………オレに聞かれても分からないよ… 」


衛美

「 いいよ、もう!

  リッちゃんに言ってるから! 」


衛夛

「 あ〜〜〜……うん…断られてもドンマイな? 」


衛美

「 “ 断られる ” って決め付けないでよ!! 」


 えいに怒るとなまびの前で話しているりつの元へ走った。


衛夛

「 …………………… “ 自覚がない ” ってのは恐いねぇ… 」

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