♥ 放課後 3 / 公園 2 / デート 3
衛夛── 正確には伯父さんのお金だよね ──にクレリーヌ・クレアンのクレープをご馳走になった。
メニューの写真で見ただけじゃ分からないけど、実物のクレープは意外とボリュームがあって、食べごたえがあり過ぎた…。
1つにしといて良かったと思う。
3つも食べる羽目になっていたらと思うと、ゾッとするもの…。
衛夛も私も今は、高級車の後部座席に座っている。
助手席に座っているのは、財布係兼SPの眞迺さんだ。
運転手の凱和さんも、黒いサングラスをしていて、2人の素顔は分からない。
見た感じ、若そうだけど…実年齢が気になる!!
衛夛
「 衛美ちゃん、折角だしさ、久し振りに本家へ寄ってかない? 」
衛美
「 本家に?
どうして? 」
衛夛
「 利樹さんが来てるかも知れないからだよ!
会うの久し振りだろ? 」
衛美
「 利樹さん…………あっ!
≪ 蒔邑寺社 ≫の利樹さん?! 」
衛夛
「 そっ☆
どう?
寄ってく? 」
衛美
「 寄る寄る!
勿論だよ。
リッちゃんに会えるなら行っちゃう♥ 」
衛夛
「 決まりだな!
凱和。
本家だ 」
凱和
「 はい 」
衛夛に命令された凱和さんは、慣れたバンドル捌きで高級車を発進させた。