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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十二日目 / 金曜日 5月3日
103/104

♥ 瀬圉家 5 / 本家 5 / 別邸 5 / リビング


──*──*──*── リビング


 お弁当を重箱に詰めてくれているづるさんと、づるさん特製のココアをジョッキで飲んでいるげんを隣のダイニングキッチンに残した私は、ベッドに使っていたソファーベッドをソファーに戻して座る。


 TVテレビのリモコンを持って、TVテレビの電源を入れる。


 チャンネルを変えると、も原因不明の地震に関して報道している。


 突如、日本全国の都道府県に1本ずつ出現した巨大なじゅもくについても特番が組まれているし、地震によって尋常じゃない壮絶な被害を受けた県内の情報も報道されている。


 突然降った世界初の赤い雪についての謎も報道されているし、日本全国で起きている行方不明者の件もあって──、日本全国で立て続けにいろ(いろ)な事が起こり過ぎていて報道記者達や事件記者達は、きっと物凄く忙いんだと思う。


 毎日、ニュースのネタには困らないだろうから、ウハウハしてるかも知れないけど……。


 赤い雪や大量の行方不明者に関しては、オカルト番組でも取り上げられて放送されているみたい。


 やれ神隠し説やら、やれ妖怪に拐われた説やら、UFOユーフォーに連れ去られた説やらといろ(いろ)と怪しい説が浮上していて色んな物議を醸し出しているみたい。


 オカルト番組が水をた魚のように盛り上がっている──って事はく分かるわ。


 オカルト番組の情報源は全部、えいなんだけど…。


 えいは昔からオカルト系番組が好きだった。


 私もくオカルト系のホラーモノやSFエスエフモノを一緒に見てたわね…。


 SFエスエフモノはなにが面白いのか分からなかったけど……。


 TVテレビ画面に映っているようじゅを日本へ召喚する為に “ 行方不明者達の霊魂たましいが使われた ” なんて事が世間に知れたら大変な騒ぎになりそうよね…。


 “ 霊魂たましいを使われた ” って事は、もう生きていなくて、 “ 死んでる ” って事で──、しょうれいに “ 殺された ” って事なのよね…。


 …………無差別誘拐をして殺しちゃうなんて、酷い事を平気で出来てしまうしょうれいほんに放っとくつもりなのかしらね?


 私にはげんの考えが分からないわ…。


 つぎ(つぎ)ようじゅが召喚されているのは、地震で亡くなった人達の霊魂たましいを使っているのかしら…。


 ──えっ……緊急速報??


 側溝の中で腐敗している身元不明の死体が発見されました──??


 死体が発見…………えっ?!


 側溝の中で死体??


 ──それも日本中で??


 …………どうしてタイミングで身元不明の死体が発見されるの??


衛美

「 どうして…身元が分からないぐらい腐敗してるのかしら… 」


玄武

「 ──しょうれいは『 返してあげる 』と言っていたな。

  『 えいへの御褒美をあげる 』とも言っていた 」


衛美

「 ──げん?!

  腐敗した身元不明の死体が “ 私への御褒美 ” って言うの??

  随分と酷い御褒美じゃないの! 」


玄武

「 そうとも言えない。

  どんな形であれ、しょうれいに拐われた者達が戻ってた。

  腐敗した肉体としてでも家族の元へ帰れるわけだ。

  家族も帰ってるか分からず待ち続ける必要も無くなる。

  例え骨と化したとしても家族の元へ帰れる事は幸せだ。

  しょうれいがそんな気紛れを起こしたのかは分からないが… 」


衛美

「 気紛れ……。

  青龍がしょうれいを追い詰めたから…?? 」


玄武

「 それもあるだろうな 」


厳蒔弓弦

「 ──げんえい、待たせてしまったな。

  支度が済んだ。

  でも出られる 」


衛美

づるさん! 」


玄武

「 そうか、なら行くとしよう。

  えいえいへ送信する文章は、これで問題ない。

  でも送信すればいい 」


衛美

がとう、げん


 私はげんからスマホ(スマートフォン)を受け取った。


 スマホ(スマートフォン)を受け取った私はぐに、文章をえいLINEラインへ送信した。


玄武

づる今日きょうのデザートはなんだ? 」


厳蒔弓弦

「 カステラだ。

  店のカステラのようにはいかないが、自信はある 」


玄武

「 カステラか。

  づるはカステラまで作れるのか。

  楽しみだな! 」


衛美

「 ……カステラが食べれるからって、喜び過ぎでしょ?

  私も楽しみだけど(////)」


 づるさんから重箱を受け取ったげんは、式神の麒麟へ重箱を預けた。


 実体化していたげんは、転移陣を発動させる為に実体化をいた。


 リビングの床に転移魔の魔法陣が現れる。


 げんへ向かうつもりなのか、私は知らない。


 転移先は完全にげんへのお任せになる。


 魔法陣が光ると、づるさんと私の姿がリビングから消えた。

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