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「ちっ、なんだこれは」


 俺は叫ばずにはいられなかった。

 スフレ、ツバキ、レーザムを連れ、上の世界に上がったはいいが、目に飛び込んできたのはとんでもないものだ。

 なんだ、あの巨人。ざけんな。

 俺は視線をさらに下へやった。この間襲ったらしい化け物が、既に帝都にほど近い村を火の海にしていた。


「青の巨人。あれはリガンテっすね」

「のようだ。上の世界は、まだまだ化け物が多い」

「しかしあれは……そう、伝説に伝わる破壊神でしょう。その昔、この巨人が大陸を砕いて島が出来たとか」

「スケールでかいなおい。あー、あれだ、どうにかできんのか」


 俺の問いに、しかし誰も答えはしない。やる気ないのかこいつら……

 今更どこで何人が死のうと関係ない。死ねば化け物は地獄に堕ちる。人間も、悪人なら地獄に堕ちる。

 だが……善人はどうなる?


「なあ、この世界に天国はあるのか?」

「あるっすよー。そこは昔、神が居た場所っす」

「神など今は居ない。それより貴様、いい加減に話せ。なにをしに来た」

「私が預かった手紙にはなんと?」

「民を救ってくれとさ」


 自分はどうなったっていいから、国民を助けてくれ。そんな内容だった。

 まあ、少なくとも悪魔に……地獄の王に頼む事ではないが。


「お人好しっすねぇ。で、どうするんすか?」

「待て。どうするもこうするもないだろう。助ける義理はどこにある」

「ないな。だが、見捨てる道理もない。でもなぁ……あの巨人を倒せる自信もない」

「率直に申し上げて、まず不可能でしょう」


 レーザムの言う通り。まず不可能だろうな。でっか……


「そもそも、あれを倒すのは上の勇者たちです。地獄の王様が真の力を解放された暁には可能かもしれませんが」

「いいよ。フォローしてくれなくても。んじゃあ、あれはまずおいとこう。さて……どうするよ。案だせ」%

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