£生きる£20150226
「命短し恋せよ乙女」
黒澤明監督「生きる」で主人公が口ずさむ歌です。「ゴンドラの歌」と言うそうですね。
いや~見たかったこの映画!!妹に頼んで見ることができました♪素晴らしい♪ありがとう♪
そして、2度と見たくない…と思ってしまった映画にもなりました。素晴らしい内容で、役者の演技なんて天下一品!1952年の映画なので白黒と、最近の映画しか見てない者にとっては衝撃でした。中日落合GMがその著書の中で、最近の役者の質が落ちたと書いていましたが、確かにと思えるほど役者の演技だけで引き込まれます。
映画の内容をそのまま伝えるのは面倒なので省きます。
なぜ見たくないと思ったのか?
今まで自分という人生を生きてこなかった男が胃ガンという当時では死刑宣告同様の病気を患い、死というものを受け入れながら初めて生きるための仕事をする。
この死を受け入れ生きる覚悟を決めるまでが感情移入しすぎてしまい、自分がそういう面もあるからこそ受け入れたくない!嫌だ!と主人公ばりばりの葛藤をしてしまうのです。
自分が認めたくないものをここまでかといぶりだす黒澤明監督に敬意と畏怖を覚えました。
葛藤を抜け出し、生きる仕事を決めてからの主人公は凄かった。
「この仕事をやり遂げる覚悟を決める」
そうやって、市役所という何もしないことが仕事という場所で反乱に近いかたちで市民の要望にあった公園建設に取りかかります。
仕事をしないことが仕事の市役所ですから、もちろん上手くいきません。疎ましく思われ、反対に近いかたちで妨害を受けます。
そんななか部下が悔しくないんですか?と問います。
「私には人を憎んでいる時間はない」
そして、忍耐としつこさ、諦めない行動で公園建設は動きはじめました。
とある場面でふと立ち止まり言います。
「綺麗な夕日だ。久しぶりに見た………いかん、私にはそんな時間はない!」
公園が完成した夜、雪が降る寒い時間に公園のブランコをこぎながら歌を口ずさみます。ゴンドラの歌を楽しそうに歌いながら彼の人生に幕を下ろしたのです。
「命短し恋せよ乙女…」
映画でここまで心が震えたのは久しぶりでした。黒澤明監督の映画を初めて観ましたが、時代に名前が残る監督という力を感じさせて頂きました。感謝です