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£袖振り合うも多少の縁£20150122

「袖振り合うも多少の縁」


出会いとは必然であり、例えわすがな時間での縁でもそれは「かけがえのない縁」である。


3日前は四人部屋を一人で使っていた。同室の方がインフルや退院で去っていったためであるが、個室とは違い四人部屋を一人というのは楽なぶん奇妙な寂しさもあるものだった。


2日前からまた一人、もう一人と部屋が埋まっていった。新たな入院患者さんだ。

お二人とも検査入院ということで1週間よろしくお願いしますとのことだった。

僕は今週末には転院が決まっていたため、お二人より早くこの四人部屋を出る予定だった。




今日は眠れない。僕のとなりにいるはずの人が僕より早く病室を出ていった。


1時からの検査だった。3時を過ぎ4時を過ぎてもその人は帰ってこなかった。


そして5時前にようやく帰ってきた。

看護師二人に連れられて主がいたはずのベッドだけが帰ってきた。

しばらくして2日前にご迷惑をかけますと挨拶に来られた奥さんがもう一度来られた。


ご迷惑おかけしました。




人の死とはこうも隣にあるものなのか?

久しぶりにリアルというものを感じた。灯りだけが灯るベッドはやけに寂しい。

この繰り返しを見せられる人達の思いはどんなものなのだろう。


「袖振り合うも多少の縁」


人の出会いに別れには意味がある。その意味をつけていくのは僕の仕事。

僕は忘れない。この日はいつかのためにある。


あんたは筑後の人?堤の姓は多かもんね~


わずかな時間、会話しかできませんでしたがご冥福をお祈りいたします。

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