5話 再会
翌日、学院長がアリーアの家に預言が発現したと伝えに来た。先日、写真を置いて帰った時とは打って変わって、学院長は預言書について思い出したらしく、アリーアに預言書の事を説明した。預言書に現れた預言は必ず現実になると。その預言が実行されるとその預言は消え、次の預言が現れるまで誰の記憶にも残らないのだと。
アリーアはどこかでその話を聞いた気がする。学院長は続けた。「預言が現実になる時が近づくと、預言書自らが図書館から消えて、預言を導く者の所に移動するのですが、まだ図書館のあの本棚の中に留まっているのです。預言がまだ動き出さない。動き出せないのかもしれません。アリーアさん。先日お渡しした写真のことは、やはり思い出せませんか?」と。いや、訳がわからない。アリーアは、なぜそんな話を自分にするのか、ただ困惑するばかりだった。で、私にどうしろと…。
学院長にはそのままお引き取り願おうとした時、ルークが部屋に入ってきた。学院長はしばらく呆然と立ち尽くしたまま「ルーク…。」と呟いた。アリーアは、そうか、この青年はルークっていう名前なのか…、子供の頃に私の家に迷い込んできた犬につけた名前と同じだと思うとおかしかった。この美しい青年が学院長の知り合いであることが意外だったが、なんとなく顔立ちが似ている気がする。でも、年齢はかなり離れているし…。関係を詮索したかったが、二人の間に流れる困惑と懐かしさと温かな空気に水を刺さないよう、森の散歩に出かけると言ってその場を離れた。




