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13話 願い

 ボロボロになったルークが自分の命と引き換えに再び災いを終わらせようとしている。アリーアは叫んだ「ルーク」。ルークはアリーアの姿を見つけるとホッとした表情から困惑した表情になった。「大丈夫かい?でもこんな危険なところに来てはいけない。」。こんな時にもまだ自分の事よりもアリーアの心配をするルークが愛おしかった。「ルーク、もう私を一人にしないで。もうあなたを忘れるのは嫌。一緒に連れて行って。お願い…。」アリーアは預言書を持ったまま、両手をルークに伸ばした。ルークが放つ虹色の光が大きく広がる。ルークは迷ったような顔をして聞いた。「いいのかい?それは僕の運命と最後まで付き合うと言うことだよ。でも君にそんな過酷なお願いはできないよ。」。アリーアは笑って「これが私のただ一つの願いなの。お願い、私の願いを聞いて…。」とルークにさらに手を伸ばした。預言書は誰にも見られず、書き変わった。


 精霊は再び 一人の青年に巡り合う

 安寧は終わりを告げる

 子の親に降りかかる悲しみ

 不老不死を求める人々にもたらされる災い

 額の「刻印」が証

 子を探す人が預言を導き 精霊に繋ぐ

 災いに向かう一人の青年と精霊がこの災いと預言を終わらせる 

 神は祝福する 


 預言書を強く持ったまま手を伸ばすアリーアの元へルークが近寄り、微笑んでアリーアの手を取った。お互いの手を硬く握って強い虹色の光を放ちながら災いの中へ預言書と共に吸い込まれていく。虹色の光は大きくなって災いを覆い尽くすと、予言書のページは空白に書き換えられ全てが消滅した。


 オーランたちは、虹色の大きな光が黒い大きな塊の雲を飲み込んでいくのを見て、全てが終わったのだとわかった。そして、みんなの無事を喜びあった。オーランは一人空を見上げ、青年と精霊の二人に感謝し、平穏な時間が訪れるよう、そして二人に神の祝福がもたらされるよう祈った。


 学院長もまた、虹色の大きな光が黒い大きな塊の雲を飲み込んでいくのを見ていた。「ルーク、アリーア、私は二人の事も災いの事も全て覚えているよ。終わったんだね。」と晴れた空を見上げた。溢れる涙を拭おうとはしなかった。「ありがとう。」。

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