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神遊び唄  作者: オピオイド
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説明してみよう!! 前編


「でさー、最近の仕事ってのが…」

「ストーーーーーップ!!」


そうやって止めるのは何回目だろうか?

思わず私は肩を落としながら息を吐く。


「どったの?」


そう言いながら不思議そうな声色で聞いてくるのがテーブルを挟んで対面にいる女性。

声色と言ったのは訳がある、それは目の前の和装の女性の顔の上半分が不思議な文字を書き連ねた包帯で覆われているからだ。

しかし、そうは言ってはいるものの顔下半分の唇は不思議そうな感じで歪められているのであながち間違いではないだろう…とは思う。


「どったのじゃない!!愚痴を言うか手を動かすかしなさい!!」

「あははー、出来ればどっちもお願いしたいんだけどー」

「出来るかー!!」


そう言って手を合わせて彼女はお願いしてくるのは私と彼女の手元にある書類の山だった。

書類の内容は様々だが『各世界の情報』や『世界同士の情勢』などと言ったものばかり、その中でも私達がやっているのは『高校化学』と銘うたれたプリントだった。


「てか、なんで私また呼び出されて此処でこんなことしてんの?」

「私達友達じゃない?だから人手が足りなくて呼んだのよ?」

「えええぇぇ…この神様、才能の使い方を絶対無駄使いしてる!!それにいつから私達友達?前回初めて来た時に私、あなたに名前を名乗んなかったよね?」

「なに言ってるの?あの夜私の愚痴を一晩聞いてくれたじゃない、それだけで私はもう友達だと思ってるから。それに名乗らなくても解るわ、あなたの名前は『オリキャラの女の子』略してオリ子よ…ありがとうオリ子のお蔭で明日の宿題何とかなりそう」

「一寸待てーいろいろ突っ込みたい所もあるけど、オリ子って何ー!?」


手を動かしながらの絶叫。

もう何と言うか、明らかにこの目の前の宿題モノが終わらないと帰して貰えない感じだ。

やっている事は神様なのに悪魔に近いと言う…なんて理不尽。

まあ、取りあえずは帰してくれるのは解っているし逆らっても無駄だと解っているので私は今出来るだけの事をしようと手を動かす。


「そういえば」

「どうしたの?」


この間の八つ当たりの時から聞きたかった事を少し聞いてみる事に。


「この世界ってどうなっているんです?と言うか此処の世界は私の世界なのかと?」

「う~ん、どうなってるかー。」


そう言って彼女は宿題に顔を向けていた顔をこちらに向けて考え込む。


「この世界の成り立ちは一概に言って難しいのよ、まあこの世界は貴女の世界との時間軸が大きく違うのだけど」

「時間軸が大きく違う?」

「そう、量子学の多世界解釈や宇宙論で言う所のベビーユニバースなんかが有名だけどさ、全ての私達人の形を持つ者が知る世界には一つの絶対的共通なものがある、それが時間よ。」


そう言いながら彼女は手を振り上げると、アラバスターホワイトから反射した淡く白い光で包まれた大広間のあらゆる場所に数多の映像が投影される。

砂漠の風景もあれば森の風景、サバンナを駆け巡る馬のような八本足の生物や海の底に棲むクラゲの様な生物の集落やら様々なものがそこに映し出されていた。

その幾つかには以前私が行った世界の風景や顔見知りの人間が生活しているモノもあった。


「解る?これ全てが今私たちがいる時間軸に合わせているの」

「本当だ、以前一緒に戦ったヨシュアがとっても若い…世界によって時間軸が違うから一箇所の世界に合わせると時間が時期が変わるって事なんでしょうか?」

「まあそんな所、世界は無限にあるって事は覚えておくといいわ。」


そう言って彼女は手を振ると映像を一気に消し去った。


「もう一つの質問に答えましょう。この世界の成り立ちよね、突然だけど世界の壁って厚いと思う?」

「えーっと。そう一概に言えません、その純然たる証拠が自分自身ですから」


私は自分を指差しながらいう。

私はあらゆる世界に移動したりして冒険をしている。

そう、世界同士は意外と薄いそれを立証しているのは意外と自分自身だ。


「正解ー世界の壁は意外と薄いと言うか無きに等しいの、あくまで私が認識する世界ってのは電波の流れのように流れる世界、それにうまく重なるように世界同士が重なっているってだけだから」

「よく解りません、と言うか想像出来ず理解できません」

「仕方がないわね」


再び現れる空中の映像、今度はかなり広い画面に世界と書かれたシャボン玉のようなものが管で他の幾つものシャボン玉と繋がっている映像だった。


「これは?」

「ベビーユニバース論を解りやすく映像化したものよ、ほら世界と世界が量子トンネルで繋がってる」

「…ごめん、勉強は苦手」

「よく異世界で生き残れたと思う」

「余計なお世話」

「あはは、これは大まかな世界の成り立ちだけど、実際はもっと細かく起こってるのよこれ」


そう言われて気付く、私の事か。


「そう、その通り。意外と世界には簡単に穴が開く。大概は偶然、あと多いのは世界の意思か神の意思か人の意思か、どれかは解んないけどねー」

「何となく理解してきました」

「そう、良かった。」


何となく落ち込んでくる。

私が使命感を持ってやって来た事、その切っ掛けが偶然…なんか複雑な気持ちになってくる。


「いいじゃない、偶然でも貴女が求められてあなたの運命を全うしたと思えば」

「…ありがとう」

「それより話の続きね、まあ偶然とはいえ世界からはじき出されたエネルギーや物…大抵は他の世界へと流れるんだけど、何百万分の一よりもっと少ない確率、天文学的な数字の確率でどの世界にも流れ着かない場合があるのよ」

「え?まさか?」




「そのまさか。この世界はあらゆる世界の中でもあらゆるモノが流れ着く最果ての地。『天の浮橋』よ」

大学生活が忙しいので少し執筆が遅れております。

気を長くしてお待ちくださると喜びます!!

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