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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

獏 Ⅱ

作者: いかすみ

獏 Ⅱ 麻美


「僕と付合ってくれないか」

放課後の学校の木の下だ。

全校の憧れともいうべき高木晶の告白だ。

他の女の子なら喜んで返事をしただろう。

でも麻美には好きな幼馴染の子がいた。

名前を高畠たかはた 高次こうじという。

こちらの気持ちには気づかない朴念仁だ。

その高次を焦らせるつもりで呼び出しに応じたのだ。

思わぬ結果に驚いている。

「今すぐに返事はちょっと・・」

あまりの告白に動揺は隠せない。


「すぐに返事をとは言わない。とりあえず友達としてどうかな」

その言葉にほっとする麻美だった。

「ええ、そういうことならいいですよ」

安心して友達として付き合うことになった。

それから一週間、

麻美の日常は壊れっぱなしだった。


友人からは麻美の煮え切らない態度に発破をかけられいた。

知らない女の子からは嫉妬に近い視線を浴びる毎日だ。

それなのに、肝心の朴念仁は知らぬ振り。

頭にくる麻美だった。


晶と会話するようになって徐々に深い内容になっていく。

晶自身、好きな子がいたと言うのだ。

その娘はつい最近転校してしまったという。

理由はお父さんの転勤ということだがそんなに遠くではなかった。

晶の兄の知り合いがたまたま引越し社の従業員だったから知っただけだった。

本来なら顧客情報は絶対に漏らさないのだが、晶が泣きついて教えてくれたのだ。

でも条件は絶対に先方の家には顔を出してはいけないというものだった。

それがなにを意味しているのかは判った。

その従業員と彼女は親戚で引越しの理由を知っていたからだ。

初めは疑っていた晶だがそれ以上は追及できなかったというのだ。

振られた経緯はわからないが娘が晶に会いたくないという。

そんな失意の中、気を紛らわそうとして麻美に声をかけたというのだ。


腹が立つのは承知だが、麻美を選んだ理由が問題だった。

麻美なら絶対本気にならないから安心して付合えるというのだ。

どういう意味かと問い詰めても答えてくれなかった。

ただ笑っていただけだ。

そんな晶にあきれながら男の付き合いのように過ごしていた。


事態が動き出したのは麻美の友人からだった。

駅前の路地に絶対当たる占い師がいるから相談にいったらというのだ。

友人に連れられて占い師のところに向かう。

なぜか探してもいなかった。

そんな時、友人がトイレに行くといって近くのゲームセンターに入っていった。

あきれながらその友人を見送った。

そして退屈なので周りを見渡したのだ。

すると、あれほど探していなかった占い師が目の前にいるではないか。

あきれながら占い師のところに歩いていく。


「おじさん、私の将来を占ってくれる」

すると、そのおじさん気軽に頷いてくれた。

「今、付合っているいる人がいるの」

「その男との相性かい」

「そうじゃなくて、・・・・・」

「最良じゃよ。なにも心配しなくていい」

「え、どういう意味」

「友人が来たようだ」

そう言うので思わず振り返った。

友人がゲームセンターから出てきたところだ。

思わず声を掛けた。

友人はすぐに走り寄ってきた。

「麻美、そんなところでなにをしているの?」

友人がなにを言っているのかわからなかった。

「占い師の人に相談していたところよ」

そう言って振り返った。

そこには誰もいなかったのだ。

たった今、話をしていたのにそこには誰もいなかったのだ。

友人は呆れ顔だ。

腑に落ちないままその場をはなれ再び探すのだがついに見つけられなかった。


二日後、机にメモが置いてあった。

そこには晶の名前で部室に来てくれとあるだけだった。

麻美はなんの疑いも持たず部室に向かう。

部室は運動場の端に立てられた鉄筋の建物だ。

周りでは野球部のものが練習している。

晶はバスケット部なので部屋もすぐにわかった。

そして部屋の扉を開けた。

いきなり引き込まれたのだ。

麻美は何が起きたのかわからなかった。

「今回も上玉だな」

あっという間に猿轡をされてしまい悲鳴をあげることさえ出来なかった。

「・・・・」

もがくが腕を押さえられてどうしようもない。

「あのお嬢さんに睨まれたのが運のつきだな、前回同様さ」

なにが行われたのかは想像がついた。

彼女が誰かまではわからない。

「助けはこないよ、バスケット部は今日は遠征さ」

麻美は絶望に目の前が暗くなる。

誰かが麻美を罠に追い込んだのだ。

思わずこれから行われることに恐怖を感じ目をつぶった。


「お嬢さん、気分でも悪いのかい」

やさしい問いかけに閉じていた目を開いた。

目の前にはあの占い師だ。

「どうしたの?」

一瞬、なにが起きたのかわからなかった。

占い師は先を続ける。

「今、付合っている人はあいにく好きな人がいるよ、でもねお嬢さんを思って

 いる人との相性は最高だからお嬢さんが動けば吉だよ」

なにをいってるのか頭には入らなかった。

「この程度のことだから御代はいらないよ。幸せにね。彼女がきたよ」

指を指されて、思わず振り返った。

友人がゲームセンターから出てくるところだ。

あの時と同じだった。

今度は友人を待たずにすぐに視線を前に戻し正面を見た。

あの時と同じだった。

目の前にはなにもなかったのだ。

時計を見ても二日分はなかったようなかんじなのだ。

真昼間夢を見ていたのかと不思議な感覚だった。


次の日、あまりの内容に高次に相談した。

笑って相手にもしてくれなかった。

そして、次の日だ。

机には同じメモが置いてある。

あの悪夢をもう一度かと覚悟を決める。

運命は逃げられないのかとあきらめたのだ。

そこにいくまでに誰にも会わなかった覚えがある。

人に相談しても幼馴染同様相手にされないのは当然だった。

いよいよ部屋の前の廊下に差し掛かった。

「麻美!」

声がかかったのだ。

笑ってごまかしたはずの高次がそこにいた。

そして、その後ろには警官がいた。

警官は麻美に替わって扉を開けた。

そこには三人の男がいたのだ。

夢の通りだった。

もし高次がいなければ夢は

気づいたら体の震えは止まらなかった。

そんな麻美を高次はやさしく抱きかかえてくれた。

「ごめん、不安にさせたようだね。あの占い師の話は聞いたことあるんだ」

「・・・・」

「夢を見せてくれるんだ。それはリアルな夢で信用しなければ現実になるんだ」

「・・・・」

「話を聞いたとき何とかしなくては思ったんだけど、誰も信用しないのは当然だ

 から、警官に不審者がいるといって来てもらったんだ」

「先生には?」

「信用されなかったんだ。だから懇意にしているお巡りさんにきてもらったんだ」

「どうして、お巡りさんは信じたの」

「姉さんの旦那さんだからさ。そして経験者さ」

「!」

「姉さんも助けられたんだよ。あの占い師に」

麻美は言われた意味を思い出していた。

あの占い師は「お嬢さんが動けば吉だよ」そういったのだ。

それではこの結果は。

麻美が夢だと判断して動かなかったら現実になっていた。


犯人は晶に恨みを持つ生徒の犯行だった。

警官の顔を見ておとなしくしたがっていた。

麻美は視界の端にあの占い師を見たような気がした。

しかし、振り返ってもだれもいないのだ。

犯人の供述は一貫していた。

ただ脅すだけで実行には及んでないというのだ。

晶に頼まれてここにいて脅しただけだと言うのだ。

しかし、晶はこの事件の犯人とは思えなかった。

麻美はそのことを晶に伝えた。

あの夢で言った犯人の言葉をそのままに。

晶はようやく真相を知ることが出来たのだ。



その後、晶は止められていた彼女の家に乗り込んだ。

そして、彼女を口説き落としたのだ。

彼女は犯人から晶が仕掛けたと思われされていたのだ

傷ついた彼女の心を晶の誠意が治していった。


後日、晶から真相を聞きだした。

高次が落ち込んでいる晶を元気づけようとして麻美を紹介したのだ。

ただ、絶対に横取りするなと念をおされていたらしい。

癪に障るから交際を申し込んだがやはり高次の言うとおりだめだったという。

その後、高次にスペシャルなおしおきが下った。

もっともあっという間の反撃をくらいその後は/////。




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― 新着の感想 ―
[一言] ハッピーエンドで、読み終わってホッとしました。
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