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いたいけなほしくず  作者: 有城 沙生
ドウシィとプレマルジナ
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序・遭遇


 ぴかって、そらがひかって。

 どぉんって、おっきなおとがして。

 

 お母さんにだっこされていたわたし。

 すごいスピードでとんで。

 どんって、とまって。


 お母さんがわたしを、ぎゅってして。

 からだが、いたくって。

 お母さんから赤いぬるぬるした水が、たくさんながれてきて。

 わたしにどんどん、ながれてきて。

 なまぬるくて、きもちわるくなって。

 くちに、はいって。

 まずくて。

 おなか、すいて。


 ないてるのに。

 なにも、きこえなくて。

 目をあきたいのに、あかなくて。

 手でこすりたいのに、うごかなくて。


 ないてるのに

 お母さんは、何も言ってくれなくて。

 いいこ、いいこもしてくれなくて。

 だいじょうぶもなくて。

 だんだん、つめたくなって。

 お母さん、かたくなって。


 おなかすいたな、てぼんやりしていたら。

 お母さんがやっと、はなしてくれた。

 だけど、わたしのからだは、ぜんぜん、うごかない。


 知らない手が、だっこしてくれた。

 かたくて、でもあったかくて。

 きらきらしたバッチ、きらきら。

 きれい。


 口になんかはいってる、いたい。

 つばがのみめなくて、くるしい。

 からだが、うごかない。

 お母さんにぎゅっ、てされてる時と

 にてるけど、ちがう。


 白いてんじょう、ぴかぴか。

 め、いたいよ。

 おうちじゃない。

 お母さんじゃない。

 お母さん、お母さん!

 おなか、すいた!


 おきた。

 いつ、ねたんだろう。

 おひるね長いって、お母さんにおこられちゃうかな。

 ね、お母さん、ごめんなさい。

 お母さん?


 白いてんじょう、ねるまえはぴかぴかしてたけど、こんどのは、してない。

 め、いたくない。

 お母さん、どこ?

 こえ、でない。


 しらないおにいちゃん。

 だあれ?

 けど、きらきらのバッチ。

 あ、しってる、お母さんをどかして、だっこしてくれたよね。


「お母さんは?」


 しらないおにいちゃんが、なきそうで。

 なきそうなおにいちゃんみてたら、なきたくなったけど。

 バッチがすごくきらきらしてて。

 じっとみてたら、おでこにキスしてくれた。

 

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