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2. 始まりの街「エフェス」

【始まりの街「エフェス」に移動します】


画面が切り替わって、大きな鏡のある部屋になる。

始まりの街「エフェス」に到着したようだ。初心者の街、チュートリアルの街などと呼ばれるプレイヤーが最初に訪れる街だ。


【アイコン等の説明をします。まずメッセージは、視界の下側に表示されます。現在出ているものです。視界の表示が煩わしい場合にはスワイプ操作でオンオフすることができます。上から下にスワイプでオン、下から上にスワイプでオフです。なお、戦闘時やダンジョンに入った際には自動で表示されます】


視界に色々なアイコンがあって確かに違和感を感じる。下から上にスワイプしてみたら視界に出ていたアイコンが消えた。逆にスワイプして表示を戻す。


【視界の右側の上からステータスボードアイコン、自身のHPバー、MPバー、SPバー、装備、魔法、スキル、アイテム、鑑定、クエストアイコンです。右下にマップ表示、その左にストレージアイコン、所持金表示、時間表示、です。左下はユーザー同士の通話とメッセージ機能アイコンになります。ステータスボードにある設定から表示変更可能です】


所持金は11,000G。

通常1G1円で課金ができる。…課金しましたが何か?

だって無課金だと1000Gスタートだし、装備も全く可愛くない職業ごとの普通の服だ。魔法使いは黒いローブ。せっかく可愛いアバターにしたのにこれを着るとか無理。

ちなみにお金の単位「G」は、普通に「ゴールド」と読む。分かりやすくていいと思うよ。


私がした課金は超おすすめ1回限りのお得なセットで、1万Gにおまけが付いた初心者お助けセット999円と、このアバターにどうしても着せたかった選べる装備3980円が初回のみ半額で1990円だ。初期投資ということで、後はまた考える。


【装備を整えましょう。装備は一式ストレージに入っています。ストレージは視界の右下にある倉庫マークの「ストレージ」アイコンをタッチ、または「ストレージオープン」と言うことで開きます。該当の装備をタッチ後、「取り出す」ボタンをタッチしてください】


倉庫マークのアイコンをタッチしてストレージを開くとイラスト付きの一覧が表示される。RPGでよく見るアイテムボックスだ。

「んー、財布、パン、水筒、初級ポーション、初級マジックポーション、タオル、石鹸、マニュアル本、和風装備セット(女性狐人族用)、ローブ、短剣、っと…結構あるな」

ストレージから和風装備セットを出して着替える。鏡に映った姿は我ながらとても可愛い。

ショートボブの銀髪に、同じ色の大きめの狐耳が生えている。あるべき所に人間の耳がないのが不思議な感じだ。ふさふさな尻尾も生えている。色白で小顔、パッチリした青銀の瞳の美少女だ。スレンダーな体型にしたので元の私の原型はほぼないが、身長だけは一緒だ。だから何だという話だが。

この姿に似合うと思って買った衣装は、卒業式に着る袴っぽい衣装だ。袖は長くない。白地に赤いラインでパイピングされた、浴衣のように合わせて着る衿が特徴のデザインの上着と、前でリボンを縛るハイウエストの黒いロングスカート。獣人仕様で尻尾が出るようになっている。足元は編み上げブーツ。意外と歩きやすい。そしてこの容姿によく似合う。

くるっと回ってみると、鏡の中の少女も回った。


【扉から外に出てみましょう。一度出るとこの部屋にはもう入れません】


外に出る前に部屋にタンスとかツボとかないかと思ったけど、鏡しかなかった。いや、普通に人んちでやったら泥棒だからやらないけどね。


扉を開けて外に出る。

広場のようだ。綺麗に整備されて花が咲いている。カラフルな露店も並んでいる。

風が髪を揺らした。街の人々のざわめき。露店からいい匂いも漂ってくる。

すごいな。バーチャル・リアリティで五感があると知ってはいたが、こんなにリアルだとは思わなかった。

近くにあるからくり時計が開いて、出てきた人形が鐘を鳴らした。カーンと澄んだ音が広場に響く。

振り向くと扉はなくなっていた。


【ここからは自由行動となりますが、いずれかのギルドまたは教会に登録することを推奨します。ギルドの場所は地図看板で確認できます】


ギルドか。

すぐ隣に立っていた地図看板によると、始まりの街「エフェス」にあるのは、冒険者ギルド、商人ギルド、職人ギルド、薬師ギルド、テイマーギルドの5つだ。プラスして聖職者用ともいえる教会がある。

ギルドは冒険の手伝いをしてくれる所で、お金を稼ぐためにも登録は必須だ。


「よし、薬師ギルドに登録しよう」

錬金術師を目指すのに薬師になるのがとりあえずの目標だ。

薬師ギルドは、街の北東にあった。中央にある広場から見ると、大通りを北に行って突き当たったら右で着くようだ。

マップ機能は使えるのかと思い、マップ表示をタッチしてみる。マップの表示が大きくなり広範囲に切り替わった。


【クエスト「街を探索してみよう!」が発生しました】

ポーンという音と共にメッセージが表示される。

「おっ?」


【初めてクエストが発生しました。クエストに関するチュートリアルを開始します】

おお。クエストだ。チュートリアルも始まった。


【クエストは条件達成により自動的に発生します。内容はクエストメッセージが出ている間にメッセージをタッチするか、右にある宝箱マークの「クエスト」アイコンから確認できます】

クエストアイコンは、宝箱に!マークが付いたアイコンだ。タッチしてみるとクエストメッセージが表示された。


◆クエスト「街を探索してみよう!」

地図または地図看板を確認した後マップを表示すると、探索した場所がオートマッピングされます。街を探索して地図を完成させよう。

達成条件:街を探索し、始まりの街「エフェス」の地図を完成させる。

期限:なし

報酬:マップ機能追加

獲得しますか? はい/いいえ


【内容を確認してクエストを獲得するかどうかを選んでください。クエストには達成条件や期限が決められており、失敗するとペナルティが発生する場合があります】


今回のクエストにはペナルティはなさそうだ。期限もないし、はい、っと。


【クエストを獲得しました。獲得したクエストは、クエストアイコンから確認することができます】

クエストアイコンの!マークが消えている。獲得してないクエストがある時に!が付くのかな。


マップは探索していない場所はうっすらと表示されている。現在いる広場はマッピングされていて、広場にある屋台の種類も確認できるようになっている。ハンバーガーやクレープなどが売っているようだ。美味しそう。

15分ほど歩いて薬師ギルドへ到着。

街の端の方にあり、隣に畑が隣接している薄い緑色の建物だった。畑では薬草等を育てているらしい。


【薬師ギルドへ入場しました】


「登録お願いします」

受付のお姉さんに話し掛ける。ギルドはあまり人がいなく、静かだ。ハーブのような匂いがしている。


「新規登録ですね。登録料が1000G掛かりますがよろしいですか?」

「はい。大丈夫です……?」

…お金はどうやって払うんだろう。ストレージを開けばいいのかな?確か財布があったよな。


【少額の支払いをする場合にはストレージから財布を選ぶか、下にある所持金部分をタッチすると財布の出し入れができますので、そこから支払ってください】

なるほど。

コインマークの隣にあるのが所持金だ。タッチしてみると、キャメル色の長財布が現れた。なかなか素敵な財布だ。

財布を開けると紙幣が入っていた。10000Gと1000Gと書かれている2枚だ。お金を崩すため10000Gで払うと5000Gと、1000G札4枚がお釣りで返ってきた。日本の貨幣と同じだな。分かりやすい。

薬師ギルドは登録料が高い。無課金だとすっからかんだ。他のギルドは無料が多い中、かなり高額の登録料。だが理由がある。


「では、こちらの水晶玉に手をかざしてください」

カウンターに置かれた水晶玉。手をかざすと、白い光がじんわりと光った。これで登録完了らしい。簡単だ。


「リリーさんですね。こちらがギルドカード、ブロンズランクスタートです」

お姉さんから渡されたギルドカードは銅色で、写真の他は簡単に名前と種族が載っているだけだ。

…よく考えたら、名乗ってもいないのにそれだけの情報を取られたということになる。こわい、水晶玉。


「こちらは登録記念の薬師キットと、初級ポーションのレシピになります」

「あっ、ありがとうございます!」

登録料が高い理由はこれだ。


薬師ギルドで登録すると、ポーションなどを作る道具が一式手に入るのだ。普通に買うよりかなりお安い。

薬師になりたいなら、薬師ギルドで登録するのが手っ取り早いと攻略サイトでオススメされていた。

調薬スキルを上げて、薬師ギルドでシルバーランクになれば第2職業に薬師を選べるらしい。とりあえずそこが第1目標だ。

貰った薬師キットは色々入っているだけあって、かなり大きい。ストレージに入れたいけど、どうやるんだろう?そう思っているとメッセージが出てきた。


【ストレージにものを収納をしてみましょう。収納したいものに触れるか、手をかざし「収納」と言うとストレージに収納をすることができます。また、ストレージを開いて直接ものを入れることもできます】


薬師キットに手をかざして「収納」と言うと薬師キットが消えた。ストレージを確認すると「薬師キット」一式が入っている。

おお。すごいな。持たずに収納できるなんて超便利。

そのまま開いたストレージにギルドカードを入れてみた。この入れ方も量が多い時とかに便利そう。というかストレージすごいな。現実で欲しい。


「あの、ランクを上げるためにはどうしたらいいですか?」

「多くの種類のポーション等を作り納品することでギルド貢献度が上がります。規定まで貢献度を上げて中級ポーションを作れるようになればシルバーランクですよ」

お姉さんが答えてくれる。

「なるほど」

一種類だけでなく色々作らないと貢献度は上がらないのか。

レシピがないと調薬の成功率が低くなる。多くのレシピを手に入れていかないとならないって訳か。

「ひとまず、その初級ポーションのレシピを使って初級ポーションを作り、納品してみてください」

「分かりました」


【クエスト「初級ポーションを作ろう!」が発生しました】

またもや、ポーンという音と共にメッセージが表示される。クエストだ。


◆クエスト「初級ポーションを作ろう!」

レシピを確認して、初級ポーションを作ってみよう。

達成条件:初級ポーションを作り、薬師ギルドへ納品する

期限:なし

報酬:40G、調薬スキル、初級マジックポーションのレシピ

獲得しますか? はい/いいえ


今回のクエストにもペナルティも期限もない。そして調薬スキルが報酬で手に入る。もちろん獲得しておく。


初級ポーションのレシピを確認する。

貰ったレシピによると初級ポーションの素材は薬草、癒草、魔力水、ポーションを入れる瓶。


薬師ギルドでも素材は売っていた。薬草が一束2G、癒草が10G、魔力水入の瓶が20G。初級ポーションは50Gで売っていて買取金額は40G。ほとんど儲けがないな。期限もないし、せっかくだから素材集めからやってみよう。探索もしたいし。


「素材集めに行きたいんですが、素材の図鑑とかあります?レシピとかも売ってるんですか?」

「ありますよ。こちらがおすすめの「薬師と魔道具師のための素材図鑑(初級編)」です。レシピも付いていますよ。500Gしますが…」

「買います」

お姉さんのおすすめを即購入した。まだ1万Gあるから余裕だ。お金があるって素晴らしいね!


「初級ポーションの素材採取なら泉の森がおすすめですよ。図鑑も買ってもらったので地図をお渡ししますね」

「色々ありがとうございます!」

地図ゲット!やったね!


図鑑によると薬草は草原や森に、癒草は水辺に生えてると。割とどこでも採れるらしい。

泉の森は、エフェスから徒歩で20分くらい。めっちゃ近いな。早速行ってみよう。


「泉の森には弱いですが魔物も出ます。なにか武器はありますか?」

「短剣があります」

「躊躇せず、グサッといってくださいね。あと、泉から先は魔物が強くなりますので気を付けて」


…受付のお姉さんから不安になるアドバイスをいただいた。


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