5-12:授業開始
アラフォー女子が異世界転生して第三王子になりました。
いろいろ有りますが、主人公アルムは今日もBLではぁはぁが出来るネタを探して我が道を逝きます。
まだボヘーミャに来て受講すら受けていないのに私の周りではバタバタする事ばかりだった。
「やはり気になって仕方ありません! アルム様どうぞ私も一緒に!!」
「それは決まりに反する、あきらめたまえ」
マリーがイラマさんの事で気が張っていて、やはり私たちと同じ部屋でないと安心できないと言い出した。
とは言え、ここはロディマスさんも下がれないところ。
学園には学園の決まりもあるしロディマスさんの立場というものもある。
「しかしアルム様とタフト様だけではいつ彼女の毒牙にかかるるやもしれません! できればその前にアルム様の初めてだけはこの私が!!」
「ちょとまてぇぇぇぃいいぃぃぃっ! それじゃマリーもイラマさんと同じじゃないの!?」
血走った眼で無理矢理部屋に入ろうとするマリーを後ろから羽交い絞めで阻止しようとするロディマスさん。
マリーさん、あなた私の従者じゃなかったの!?
「まったく、マリーが盛ってるニャ。アルム、明日は迎えに来るからちゃんと自分で起きるニャよ?」
騒いでいるマリーたちの後ろでカルミナさんがつまらなさそうにそう言う。
「くーっくっくっくっくっ、我が主よどうぞご安心してお休みください。この私めが陰ながら御身を護衛します故」
アビスはアビスでそんなことを悪そうな笑みを浮かべて言う。
まぁ、こいつなら本当にどこかの物陰にでも潜みそうだけど……
「マリー殿、ご安心くだされ。噂ではイラマ殿は夜這いをかけるのではなく引き込むことを好むと聞いています。流石に学園の男子寮まで夜這いには来ないでしょう」
「でもッ!」
「あー、安心したまえ。ここへの入り口は管理人室の前を通る。私もちゃんといるし彼らの身の安全は保障する」
タフトがマリーをなだめるも、納得のいかない様子のマリー。
羽交い絞めをしているロディマスさんもそう言いながらなだめるも、まだマリーは納得いっていない。
「マリー、大丈夫だって。何かあれば僕だって逃げ出すことに躊躇はしないから。大丈夫だって」
「しかし、アルム様……」
私からもそう言われてマリーの勢いがそがれる。
それを見て私はたたみかける。
「とにかく今日はおとなしく戻ってよ。明日はいよいよ授業に初めて行くんだから、ちゃんと準備してよね?」
「……わかりました。アルム様が初の登校となればしっかりと準備をしなければですね。でもアルム様、洗濯物、特にパンツだけはちゃんと私に回してくださいね? ガビガビになったえたらすぐにアルム様を大人の男性にして見せますから!」
「なんなんだよそれッ!!」
思わずそう叫びながらマリーを部屋から追い出す。
情けないマリーの声が聞こえた気がしたけど、私は大きなため息を吐きながら部屋の中のタフトに向き直る。
するとタフトはにやにや笑いながら言う。
「君はとても愛されているね?」
「いや、これお巡りさんこのお姉さん案件だから!」
思わずそう叫んでしまう私だったのだ。
* * *
翌朝、さっそくマリーたちがやって来て着替えをしたけど、真っ先にパンツを確認していた。
マリーさん、あなた……
「さて、準備もできたし朝食をとったら行こうか」
「あ、うん、、そうだね」
にっこりと笑うタフトに促され、私たちは初めての授業を受けるために部屋を後にするのだった。
* * *
教室は割と普通だった。
魔法学園という事で、もっといろいろ魔法的なものが飾られているのかと思ったらそうでもなかった。
かけられた肖像画が勝手に動くとか、網目のような階段が勝手に動いて迷路のようになるとか。
「ここだね、さぁ入ろう」
タクトは目的の教室の扉を開けて入ってゆく。
そこは大学の講堂のような半アーチ形の部屋だった。
教壇である一番奥は低くなっていて、私たちのいる場所が一番高い。
階段の様に段々になっていて、その段ごとに机が付いている。
受講者である生徒はそこへ座って下に見える黒板と教壇を見ながら受講を受けるのだろう。
部屋にはすでに数名の学生がいた。
大体私たちと同じくらいかそれより少し年上の者が多い。
小学生高学年から中学生くらいと言えばわかるだろうか?
そして数名が私たちに気づきこちらを見る。
「あれ? あの子たち昨日イラマ姫に絡まれてた……」
「あ、本当だ」
「確かにイマラ姫が目をつけるわよね~」
「あっちの青髪の子ってかわいくない?」
「シーナ商会の関係者らしいぜ」
うん既に話題になっている。
ひそひそとあちらこちらでされている。
「はいはい、みんな授業を始めますよ! 着席して!!」
ひそひそと話の波が広がってきた頃に、そう声がして教室へ先生がやってきた。
ローザス先生はずかずかと教壇まで行ってから私たちを見る。
「はい、タフト君、アルム君こっちへ来て」
いきなり名を呼ばれて私とタフトは顔を見合わせてから教壇へと向かうのだった。
*******************
何とか再開始まりましたが、なかなか以前のように書けません。
当分書いたりかけなかったりが続きそうですので、どうぞご了承ください。
……今回これしか書かないのに3日もかかってしまった。
うーん……
面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。
誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。
*読んで頂きありがとうございます。大変申しわけございませんが本作は不定期更新となります。どうぞご了承いただけますようお願い致します。