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4-27:ガルザイルに向けて

アラフォー女子が異世界転生して第三王子になりました。

いろいろ有りますが、主人公アルムは今日もBLではぁはぁが出来るネタを探して我が道を逝きます。


 ぴこぴこっ!



 なんだかんだ言ってエルピーは新たな体を手に入れた。

 しかし彼女は今までのエルピーとは違う。



「うん、なんだかんだ言って記憶の融合はうまくいったわね。エルピートゥエルブになる寸前のエルピーイレブンまでは記憶は共有されているから、その後の分かれた部分を互いに補填し合って狂ってしまった時や怒りの感情をエルピーの記憶がうまく抑えている。もう大丈夫ね」



 見た目はその、頭部がやや大きくなって耳ではなくツインテールになってた。

 そして胸が少し大きくなっている?



「あの、エルさんこの子ってエルピーでいいの?」


「うん、名称はエルピー。契約者は私。長く活動してもらいたいから双備型魔晶石核も私が作った精霊の魔晶石を使っているから長寿タイプよ!」


 満面の笑みを浮かべるエルさん。

 だから胸が大きくなっているのか……


 私がエルピーを見ていると、それに気づいて胸を隠して警戒しながらエルさんの後ろに隠れる。


「はいはい、エルピー大丈夫だから。アルム君もいきなり胸やお尻触ることはないから安心なさい」


 ぴこぴこぉ~?


 いや、別にマシンドールの胸やお尻触りたいんじゃなくて、その機構とかが気になっただけで私にそんな趣味はない。

 しかしエルピーはそれでも警戒を解かずにエルさんの後ろで私を睨んでいる。


「はぁ~、何もしないって。ごめんねエルピー。あの時はマシンドールの機構に興味があっていきなり触っちゃったことを正式に詫びるよ。すみませんでした」


 ぴこっ?


 私がそう言って頭を下げるとエルピーは驚いたように私とエルさんを見比べる。

 するとエルさんはにっこりと笑って言う。


「ほら、彼もこうして謝っているんだからもう許してあげないさいよ。それに明日にはここを出発するからエルピーはいい子にこのシーナ商会でみんなとお留守番してるのよ?」


 ぴこぴこぉ~


 ちょっと残念そうにツインテールを下げているけど、エルピーは私を見てツインテールをピンッと立ててからエルさんの前に出てきた。

 そして手を差し出してくる。


「あ、えっと……」


「許してくれるって。それとあの時エルピートゥエルブを守ってくれてありがとうだって」


 差し出された握手の手にちょっと戸惑っていると、エルさんが通訳をしてくれる。

 それを聞いた私はすぐにエルピーの手を握り返す。



「うん、どういたしまして!」


 ぴこぴこッ!



 その揺らすツインテールに今回だけはエルピーが何を言ってるか分かったような気がしたのだった。




 * * * * *



「それでは行ってくるわね」


「はい、道中お気をつけて」


 ぴこぴこ~



 私たちはユーベルトの街から首都ガルザイルに向かって出発しようとしていた。

 シーナ商会を出る時にはイプシルさんやエルピーの見送りがあった。


 どういうわけかあの後エルピーは私に対してやたらと友好的になった。

 まぁそれはいいのだが……



 ぴこぴこぴこ~♪



 うん近い。

 と言うか、マリーみたいにやたらと抱き着いてきたりしてる。

 ずいぶんと好かれたもんだ。



「ん、じゃぁ行っています」


 ぴこぴこ!



 うーん、行ってらっしゃいって言っているようだ。

 何となくエルピーの言ってることが分かるように感じるのはなぜだろう?

 

 私はエルさんに続き馬車に乗る。

 そして窓の外を見るとエルピーたちが手を振って見送ってくれている。

 まぁ、ここへ次に来ることはもうないだろうけど、もしまたここへ来た時はエルピーにあいさつにくらいは来ようかな?

 


 こうして僕たちの乗った馬車は揺られガルザイルへ向かうのだった。

 


面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


*読んで頂きありがとうございます。大変申しわけございませんが本作は不定期更新となります。どうぞご了承いただけますようお願い致します。

*すみませんが年末年始の本業の関係の為に当面の土、日曜日の更新を止めさせていただきます。どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

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>こうして僕たちの乗った馬車は揺られガルザイルへ向かうのだった。  …………だめだ。  ガルザイルって文字を見るたびに必ず一回は空見して、なぜかマチガイル……待ちガイルになる。  しかも今回は待ちガ…
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