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71話 主君とはなんぞや!?




 ムゥがアレクとセラにも同じように見せているらしく、エリィ以外の全員がじっと固まっている間に、女将さんがスープとパンを持ってきてくれた。

 自分の食事をする前にアレク、セラ、ムゥの食事も用意しておく。

 椅子によじ登って席についてから、未だ動かない3名を眺めた。


(……一応鑑定しておくとするかしらね…)


 ムゥの方に顔を向けて軽く鑑定してみると、結構レベルが上がっていた。


(いつの間にかレベル11にもなってるし、ステータスも結構上がってるわね…って耐久2000!? ハレマス調屯地では1だったと思うのに…で、ん…? スキルも増えてるなぁ、捕食に浄化、隠密…隠密!? おおう、魔法も1級魔法までは全属性解禁されてる…めっちゃ有能なんじゃ? 待って捕食に『※』付いてる…何々…通常捕食及び魔法捕食、時空捕食…時空捕食!? ぁ~…これがさっきの演目の正体か…、後は耐性だの無効だのがずらり…ムゥが有能なのかスライムが有能なのか…どこかで違う子を鑑定してみるかなぁ…とはいえスライムって調屯地以降、全然見かけないんだけど。でもって称号が…『忠魔』って…何…??)


 一度整理してみるとしよう。

  ・ムゥのレベルは現在11(意外と上がっていたわね)

  ・当然ステータスも上がっている(耐久値が2000とは恐れ入ったわ)

  ・浄化が追加(ムゥが問題なくできる浄化は、今後丸投げしてもいいかも!)

  ・隠密が追加(もしかしてそんなに心配しなくていいのかしら…)

  ・1級魔法は全属性解禁(1級って初級って事だったかしらね、でも十分よ)

  ・捕食には種類があった(通常に魔法、そして時空も捕食できるって何!?)

  ・称号に『エリリアードの忠魔』とある(忠魔って何!?)


 こんな所だろうか。

 気になったのでセラも軽く鑑定してみると、やはり『忠魔』になっている。


(自分のステータス確認って面倒だから放ってたけど、そういう訳にも行かないかしら…以前見たと時には確かに『テイム』なんてなかったし、いい加減確認しておくべきかも…って、そうよ、思い出したわ。ギルド証の内部情報確認しとけって言われてたんだっけ…ついでにやってしまっておいた方が良いわね…絶対忘れるわ)


 首から下げていたプレートを外し、手に持った所で裏面を見てみると、証札と同じ表記があった。



 名称 :エリィ

 誕生日:紫暗月 9日



 次に内部情報の開示をしてみると、自分の知らない自分情報が表示された。




 名(真名):エリリアード・アメジスト(-----)

 性別   :女性

 誕生日  :紫暗月 9日

 種族   :-----(補足:カイジン)

 代表称号 :主



 レベル  :-----(補足:マイナス補正中)

 代表魔法 :全属性魔法

       治癒魔法

       時空間魔法

 代表スキル:鑑定

       探索

       全製作

 連絡先  :無


 以上、問題がなければ、以下に触れてください。

 問題があった場合、直ぐに最寄りギルドへ来訪をお願いします。


 〖問題ありません〗

 



 能力値、ステータスはやはり出ない様だ。

 それ以外にも空欄や不明な個所がいくつかあるみたいだが、これで良いのだろうかと少々悩んでしまう。とは言え実際これで通っているので、問題はないと思われる。

 『代表』と付くものは3つまで表記されると聞いているので、4つ以上ある場合は割愛されるのだろう。


(真名と種族、レベルは不明って事なのかな…それとも表記不可とか? まぁわからない事を考えても仕方ない。称号には空欄があるから今は『主』ってだけなのね…それにしても『主』って何よ、ほんと。スキルだけでも画面の方を見てみるかなぁ。とりあえず完了だけさせておかないと…ポチっとしてこれで良いかしらね)



  問題がないと確認されました。

  これを以て、帰巣機能の解放となります。

  ありがとうございました。



 そこまで表示されると、そのまま文字は消えた。

 プレートに残っている文字は、裏面の呼び名と誕生日だけになった。犯罪歴はないので表面も綺麗な鈍銀色だ。


 プレートを首にかけ直し、自分のステータス画面のパネルを中空に呼び出し、ざっと流し見る。


(魔法に魔術…魔術って魔法を読み解いて、魔紋に再構築すれば魔石なんかで魔法が発動できるって奴だったっけ…全製作…移動系、鑑定、探索系かこの辺は…どこよ…ここら辺かしら……各種耐性に無効化…あぁもう…こんなに並んでたら反対にわかりにくいわ…えーっとぉ…本当に列記やめて…いや箇条書きにされてもどこまでスクロールしないといけないかって話になってしまうけど……ん?…主君…主君って何…ぁ、ちょっと待ってよ…そうよ検索かければ良いんじゃない!?)


 画面にある虫眼鏡マークの横の入力欄に『テイム』と入れて検索してみる。

 出された結果はヒットなしだ。

 やはり自分にはテイム能力はなく、この主君スキルとかいうのが怪しいと結論付け、詳細を覗いてみれば、このスキルで間違いなかった。


 主君スキルを持つ者は、魔物やそれ以外にも慕われるようで、それらが仕官して来る事があるという………大名か何かだろうか…なった覚えは微塵もないのだが。ただ魅了等と違って強制力はないらしく、そこは安心だ。

 命名で仕官完了で、魔力交感で忠魔となるようだ……まぁ、あくまで従魔側の気持ちがあってこそのスキルのようなので、信頼関係に不安は出る事はなさそうなのはほっとした。


 とりあえずアレクに口うるさく言われていたテイム能力の確認も終わったし、ギルド証の帰巣機能開放も終わった。

 アレクとセラとムゥはと言えば、現在進行形でじっとしたまま動いていないので、絶賛再演中なのだろう。

 ふっと息を抜いてすっかり冷めてしまったスープとパンを頬張る。

 塩味が強めなのは、やはり兵士や傭兵などの肉体派が多いせいだろうか、まずくはないが自分で調理したいと切実に思う。

 別に前世も料理人だった訳じゃないが一人暮らしが長く、家事は日常作業だった事もあり、自分味付けがしたいだけなのだ。


(明日は買い物と…ギルドでお仕事探しも良いかも)


 食事を終え自分の浄化も済ませる頃には、アレク達も動き出していて、口々にムゥを絶賛している。

 その様子に笑みを浮かべるが、やってきた睡魔には抗えず、先に就寝することにした。


 ――おやすみなさい。


 翌朝、かなり早い時間に目が覚めた。

 自分の準備を整えながら何を買わないといけないか考えていると、アレク達も目覚めたようだ。

 足元にすすっと滑るように近づいてきたムゥに、エリィは顔を向けてから屈みこみながら。


【皆おはよ。気分悪いとかないかしら?】

【ムゥ元気ぃ!】

【僕も平気やで、まぁ昨晩のムゥには驚かされまくったけどな~】

【確かにアレには驚かされた】

【一応共有しとくね、あのカデリオっていうのが、テントでニアミス邂逅した人物】


 見回せば全員が小さく頷いている。


【あの場面だけで分かる事は殆どないけど、彼らが望んで犯罪行為をしてたわけじゃなさそうなのは確かかもしれない。まぁだからと言って彼らの罪が無くなることはないけど】

【せやな…できればもう関わることがないよう祈っとくわ】

【そうね、面倒事は御免よ】

【彼らの顔や気配は覚えたし、今後近づかないよう、気を付けるとしよう】

【うん。話は変わるけど、皆はここで朝御飯にしとく?】


 全員から肯定が返ってきたので、肉を収納から出しておく。


【食べ終わったら、ムゥ、その辺の片づけと浄化をお願いしても良い?】

【はーい!!】


 触手を1本、ピッっと上に伸ばしてから敬礼のポーズをするムゥに笑顔で頷く。


【それじゃ私は外でオリアーナさんを待つとするわ。こっちの事はお願いね】


 エリィはそっと扉を開け、静かに廊下へと出て行った。

ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

リアル時間合間の不定期投稿になるかと思いますが、何卒宜しくお願いいたします。


そしてブックマーク、評価、本当にありがとうございます!

とてもとても嬉しいです。

もし宜しければブックマーク、評価等して頂けましたら幸いです。とっても励みになります!


修正加筆等はちょこちょこと、気づき次第随時行っております。お話の運びに変更は無いよう、注意はしていますが、至らな過ぎて泣けてきます><(そろそろ設定が手の平くる~しそうで、ガクブルの紫であります;;)

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