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はじめまして、異世界人です。ー22

ゆいが出て行って、すぐにまた何人か入って来た。

初老の女性、後から入って来た男の人が二人と、水竜の子ども。

子竜は腕の辺りにのせられたが、自分で私の頭の上に移動して座った。

前足らしきものを頭にのせている。

わりとサラサラしていて、足の裏?手のひら?はやわらかい感触だった。

右側から布団と背中に腕が沿うように入っていって、子竜が鳴く。

風が当たらなくなって、ふわっと宙に浮くような感覚がした。

ちゃんと抱えられてるのに、自分だけ無重力になったみたいな。

ゆいよりもちょっと高めの声がすぐ上から降ってくる。

「もうすぐ助けるからね、」

そして、鼻先にふっと暖かい風がかすめて、唇をひらくように彼の唇が重なった。

直後、全身に毛虫が這うようなおぞましさで気持ち悪くなり、逃げたい衝動に駆られる。

この人が生理的に無理とかそういうのじゃなくて、皮膚と皮膚の間に何か入ってくるみたいな。

おぞましさがすぐに痛みに変わって、肌の中から剣山が刺さってくるような。

やめて!

やだ!!

痛い痛い痛い!!!!!

何でよ?!

やだやだ!!!!!

助けて!!!!!

お父さん!!!

お母さん!!!

酷いよこんなんじゃ痛くて死んじゃう!

どうせ死ぬならお父さんお母さんの傍で死にたい!

ゆいも私も突然いなくなって、絶対心配してるもん!

こんなワケわかんないところで知らん顔のイケメンに殺されるなんて嫌!!!

痛い!!!!!

体をよじらせて私にキスする男を張っ倒したいのに、意識と神経ブチ切られたみたいに指一つ動かない。

たまらず流す涙すら出てこなくて、もうどうしたらいいのかわからない。

頬に熱を帯びた水滴がぱたぱた流れてくる。

すぐに途切れなくなった。

彼の汗だろうか、彼の体温が流れてきてるように感じる。

同じように苦しんでたらいいのに。

されるがまま重なってる唇の中に、舌が入ってきた。

ぬるっとした感触がやけにはっきりと感じられて、痛い感覚と分離してるみたい。

もうやめて。

もういいから。

怖い………!!!!!











生ぬるい液体と鉄の味が口の中に広がった。

喉に流れて、その奥が勝手に音を鳴らしている。











体はどこも痛くない。

感触はどこも。

痛くて痛くてたまらないのに、どこも痛くない。

唇を重ねてる彼が血を吐いたって思った。

同じように苦しんでたのかな。

そんなになるまでやらなくていいって言いたいのに、何にも出来なかった。

ただ体をえぐる感覚がして、堪えるしかなかった。

ふと、えぐられた底からぽっと温かいものが生まれる。

痛い感覚がそこだけ消えた気がした。

気のせいと思う余裕はなかった。

逃れたくて、そこに意識を向けていく。

温かさがどんどん広がって、心地よさを感じた。

彼のちょっと高めの落ち着いた声がよぎった。

透明感のある、よく通る女性の声に変わる。

切実さと悲しみをはらんだ中に安らぎを得たような、声。

誰かもわからない。

痛みが消えていく。

ほっとして、そこで薄暗い視界が真っ暗になった。












もうすぐ助けるからね、





ずっと、待ってた。





やっと………、


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