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はじめまして、異世界人です。ー17

前回から、半年以上も更新せず、申し訳ございません。。

あれから無事引っ越しを終え、新しい生活を送っております。

引っ越し中、もちろん腰は死んでました(笑)

立ってても座ってても痛かったです。


そしてゆっくり書き進めてはいたんですが、なかなか苦戦してました。

イメージと文章が合わなくて、何度も書き直してました。

もう少しでようやく凜都の出番が回ってきます。

長い間更新してなかったわりにはあんまり進んでおりませんが、またお付き合いくださいませ。


俺達が休んでる間に、ヘルガはユリの妹に魔力酔いの抑制剤を追加してくれていたらしい。

さすがというか、タイミングも効果が出始める頃に合わせて魔力同化が出来るようにしていた。

彼女を診察室に移動するのも済ませてあった。

だからもう、いつでも始められるとの事。

アルベルトが忘れてた子竜はユリと一緒にいるらしく、ヘルガと話した後に彼の寝ているベッドに向かうと、何故かずぶ濡れの二人がいた。

滝のようにアルベルトの頭上に降り注ぐ大量の水と、それを美味しいって顔してごくごく飲んでる子竜と、身体半分濡れてるユリ。

ユリが無言で子竜を指さした。

子竜はものすごい勢いでがぶがぶ飲んでる。

そんなに飲むんか。

じゃない、子竜の仕業か。

「ピィィ!」

子竜が鳴くと同時に光って、水が消えた。

満足げにすんげえ笑顔。

「コレは怒ってイイと思う、」

ユリがアルベルトを仰ぐ。

一度身震いして、濡れた左側の髪の毛をかきあげた。

額の端から頭皮に向かって古い傷跡がうっすら浮いているのが見えた。

「………シルフィ……、」

「ピィ?」

「俺とユリが濡れてんの、何でかなぁ?」

「ピッ」

子竜がアルベルトとユリを何度か交互に見て、首をかしげた。

アルベルトの言う状況より先に、彼が怒っているのを察して、混乱している様子だ。

「どうしたらイイと思う?」

「ぷきゅ………、ピィィ!」

子竜が光って、暖かい風が吹いた。

一瞬で二人が乾いていく。

アルベルトがため息をついて、子竜へのアメとむちの言い聞かせが始まった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あ、ゆいさん!もう起きても大丈夫なの?」

風呂から戻ってきたジュディスが、長いピンクっぽい金髪の女の子と一緒に仕切りの中に入ってきた。

明るく笑いながら両手を振っていて、ユリがそれに左手を軽く上げていた。

聞き覚えのある声と、見覚えのある顔立ち。

「………アケか?」

「え、ハイ!アケですよ~っ」

「その髪、」

「あ!さっきのはカツラです!髪の毛は染めてるんです!だから生え際黒いでしょ?」

アケはバッグから黒い塊を出して見せて、内側からくるっと回すと、笑って金髪の上にかぶせた。

それだけ見ると生首の後頭部みたいで、何とも言えない。

「すみません、アケの国の人は黒髪黒目が殆んどなので、まさかカツラだとは思ってなくて…、」

ジュディスが申し訳なさそうに俯いている。

謝る必要ないのに。

「ちゃんと人毛だからね!」

「アケちゃん、そういう問題じゃないと思う、」

アルベルトが面白そうにカツラを眺めていた。

「カツラはこっちの世界にもあるけど、あまり普及してないからね。凄いな、眼の色も髪の色も道具一つで簡単に変えられるんだ」

「でもあの目玉の皮は気持ち悪いぞ、」

コンタクトレンズって言ってたか、突然眼の中に指突っ込んだ時は焦ったけど、そこからまた薄い膜みたいなのを剥がした時は何が起こったのかと思った。

あれがあったら、変装もバレにくいだろうな。

クィンシー様とか、すんげえ喜びそう。

「目玉の皮?」

「あ、ゆいさん、コンタクトの事みたい」

「ああ、確かに皮っぽいか。俺は見事に向こうの世界に置いてきたから、もう着けることないな、」

「使い捨ての度なしならあるけど、」

「要らん。んなもん使ってどーすんだ。視力0.08ナメんなよ、充分何も見えねんだからな。

ーーーところでアケちゃん、どこ行ってたんだ?」

「ジュディスと一緒にお風呂!騎士団の使わせて貰ったんだ。

個室もあるって聞いたから最初はそっちに行ってみたんだけど、開いてた所の湯船が薄汚れてて一面に垢ビッシリ浮いてるし、床は砂だらけで気持ち悪かったから大浴場に入ったよ、」

「え、マジかそれ!」

「ダルフ様、とりあえず個室は全部閉鎖しました。テレサ様にも速攻で報告して対応をお願いしています。詳しくはテレサ様に、」

「ありがとう、ジュディス。アケもごめんな。せっかくキレイにしたのに、結局こういうのがいるんだよな、」

風呂掃除の者達からのクレームがあるにはあったが、そこまで深刻だとは思ってなかった。

四年前の内乱では防護壁が間に合わず、攻撃を受けて風呂場が全壊した。

一応は直すことも出来たが、いい機会だと設備を充実させて、せっかくキレイに改装したのに、また露天に戻りたいのがいるらしい。

前は入れ替え制で、男性騎士の後は汚いって女性騎士からのクレームもあったから、ほぼ男だろうな。

「まったくです!もうホントにビックリしました!あんな湯船に入ったら、皆病気になりますよ!汚れた服脱いだらそのまま入って、湯船で身体をこすってるんだと思います!」

「ジュディス叫んでたもんね」

「元々怪我で傷口が治ってない者や、そういう身体を見られたくない者の為に用意したんだけどなぁ……、個人風呂じゃねっつの、」

「利用者の管理表とかないのか?出入口で使う個室と時間、所属、名前を記入してから入って、出る時も時間記入してから出るみたいな、」

「え、何それ。個室は自由利用だよ、」

アルベルトがまた嬉しそうな表情をして尋ねた。

絶対期待してる。

ユリは自分の発想力が自分を縛ろうとしてるなんて、思いもしないだろう。

「ないのか。それならこれから作ってみたらどうだ?まあ、ごねる奴もいるだろうけど。出入口に管理人を置いて、個室番号と入る時間ちゃんとわかれば滞在時間もわかるし、長い時間入ってたら様子見に行って、それで万一風呂場で事故って倒れてても発見出来るし、もちろん入った時に風呂が汚れてたら、それより前にその個室使ってた誰かだから、特定も早いよ、」

「銭湯の番台さんみたいですね!」

「はは、いきなり昭和だな。

あとは利用の時間制限設けるのもアリだけど、いきなりだと反発が強いだろうし、名簿管理にした時の反応だけでも充分、大体の察しはつくだろうから、」

ごねる奴が風呂場汚しの犯人って事だな。

そんな風呂場の使い方をしてるくらいだから、何にも考えずに単純に騒ぐ確率も高い。

長湯好きは様子見に来られたら落ち着かないっていう事もあるだろうが、断固拒絶する理由もない。

そういう意地の悪い発想まで忘れず盛り込んでくるのか。

アルベルトの口元が完全に笑っていた。

面白くて良かったな。

ただ、このユリの提案はイイかも知れない。

結局風呂掃除の担当からの報告で入浴の注意を貼り紙や回覧した所で、実際に改善していない。

管理人や名簿、新しい規則を作るのは手間だ。

基本は自由利用のままでいたいが、直らないなら安全衛生面からの見直しをしなければならないだろう。

まだユリに対しては不信感があるが、ここに留まって裏切らない理由があれば、俺の補佐官にちょっと欲しくなった。

城の管理体制が変わるかも知れない。

少なくとも、風呂場の管理はしやすくなるだろう。

「……確かにそうだな。衛生管理も安全管理も出来るのか。とりあえず今は閉鎖してくれたから、後で体制整えてから再開する事にする。ありがとう、ユリ」

「いや、仕事で倉庫管理するのに、鍵の所在がわからないとかがあって、そういうのやってたことあるだけ、」

「私もお店の金庫管理にそういうのやってた~!開けたら他の子のリップクリームも出て来て、笑ったよ~、」

「なるほど、忘れ物も誰のかわかるわけか。マジでいいな、それ、」

「後の奴が持って帰ってなければ、ある、」

「でもアメニティだと、明らかに使われてる時もあるかな……、」

「……それはそれで複雑だな……、でも、個室ならその使った奴もわかるな。わかった。参考にしたいから後で詳しく聞いていいか、ユリ」

「ん、わかった、」

アルベルトがニヤニヤしながらこちらを見ている事は、気付かないふりをしよう。

ほら、欲しくない?って顔に書いてあることも。

「さて、お前さん達。こっちはもう準備出来てるが、いけそうかい、」

ヘルガが仕切りから顔を覗かせた。

ユリの妹の魔力同化と、俺の防護壁、その様子観察と、人員は一緒だ。

ユリの時とは比べ物にならないくらいの緊張感がある。

アルベルトの魔力がどれだけのものか、万が一暴走した時に、この城主の防護壁でも完全に防げる保証はない。

そんな可能性はないって余裕の表情をしているアルベルトのその自信は、本当にどこから来るのか。

それにまた妙な安心感覚えてる俺もどうなんだ。

無事に終わればいい。



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