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神と罪のカルマ  作者: 乃蒼・アローヤンノロジー
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神と罪のカルマ オープニングeighth【03】


 『世界から除外された存在』

 世界から追放された仁樹は()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それは彼が世界に犯した『罪』によるもの。


 世界は真っ白なキャンバスだ。

 色は世界に生きるもの。


 命あるものすべては生まれたときからの絵師――いや、生まれる前からのもう絵師である。

 命の一つ一つが『筆』を握って生まれ、自分の作り出す『色』で世界を塗っていく。

 赤、青、黄、緑、桃、茶、黒、白―――と数えきれない色たちが力強く、時に丁寧に塗られていく。


 いずれその手が止まるまで。

 『筆』がボロボロになっても。

 折れるまで『色』を塗り続けていくのだ――


 生きるものにとって世界は必要。

 世界にとっても生きるものは必要。


 なのに、()()()()()()()()()――

 生きるものであることを。

 『人』であることを忘れて、その権利を『放棄』した。


 だから、世界は追放した。

 世界にとって異端なものだから除外したのだ。


 それが『世界からの罰』だ。


 世界から除外された仁樹には天国や地獄、転生といった死後の世界は存在しない。

 今世での命が尽きれば魂が消滅する。即ち、もう二度と愛する人たちと巡り合うことができない。

 魂の死刑――だから、いまの仁樹は猶予を与えられている状態である。


 そんな仁樹だが、世界から除外されたが故に手に入れた力がある。


 『人の死の運命を壊す力』――


 人は等しく死が訪れるが死ぬタイミグは違う。

 寿命で死ぬのか。病で死ぬのか。災害で死ぬのか

 だが、人に殺される死を迎える者はどれ程いるのだろうが。


 朋音の『死の瞬間を見る力』によって映し出された運命は仁樹によって壊されなければならない。

 仁樹が壊さなければその瞬間の死は回避できても、また次の死が訪れる。

 人によって殺される死は世界に決められたものであり、世界の外側から壊さなければならない。


 なんという運命だろうか。……いや、世界から除外された仁樹に『運命』という言葉を使うのもおかしいものなのかもしれない。


 ただ――魂の死刑を待っている状態だからと言って、すべての存在が納得するはずがない。

 仁樹に殺された人々が許すわけない。故にその身体には死者の怨念が付き纏うことになる。


 本来ならば、世界から除外された時点で世界が作り出す因果とは関係のない存在になってしまった()()()()()――

 

《ユルスモノカ――!!》


 〝人の想いが世界の理を超えた瞬間である〟――


 世界が作り出す因果関係など知らないとでもいう様に激昂する死者の魂たちの想いが彼に罰を与える。

 世界が与える生易しい罰など認めはしない。

 永遠に苦しめ。楽に死ねると思うな。罪悪感に押しつぶされながら生き地獄を味わえ。


 世界の罰を認めず、仁樹から与えられた『恐怖』を人が与え返す因果を作り出した。


 それが『人からの罰』だ。



 怨念は凄まじく通常の霊媒師は払うことはできない。また、他の霊たちも怨念に恐れてしまって仁樹に近づこうとはしない。

 ただ一人―ー世界に愛された朋音だけは臆することなく、仁樹への怨念に語り掛ける。


 彼女自身の霊能力者として腕もあるが『彼女の存在』ということもそれを成し遂げられる理由の一つだ。

 世界に愛された存在である朋音は人々にも愛される。

 故に死者であっても人である彼らは朋音を愛している。故に嫌われたくない。

 そんな朋音に愛されている仁樹の心を完全に殺すことができない。もしも殺してしまえば、朋音の強いはずの『精神(こころ)』も一緒に殺してしまう。

 だから、手出しができない。


 そして、もう一つ。

 仁樹には怨念とは反対の力――〝守護の念〟が掛けられている。


 朋音からの愛とその身に纏う〝守護の念〟。

 この二つがある限り、仁樹が怨念に負けて自ら命を絶つことはない。




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