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神と罪のカルマ  作者: 乃蒼・アローヤンノロジー
19/63

神と罪のカルマ オープニングthird【03】


「本日はよろしくお願い致します」


 今日も引き続き、天気は雨。

 午後になり、朋音とともに仁樹は彼女の依頼主が住む一軒家へ足を踏み入れた。

 出迎えてくれたのは、とある母娘。

 何処となく弱弱しい母親を娘が支えているような感じに見える。


「ご相談ありがとうございます。本日は力の限り、精一杯ご協力させて頂きます」

「ありがとうございます……そちらの男性は?」

「俺はボディーガードです。たまに変な輩がいたりするもんで」

「なるほど。こんなに美人だと、大変そうですもんね!」


 玄関を開けて出迎えてくれた娘の方は、朋音のあまりにもの美しさに少しの間惚けてしまった。そのあとも、「綺麗ですね」「羨ましい」と話しかけてくるものだから、朋音は顔を真っ赤にして照れてしまった。

 何度も言われている言葉のはずなのに、いまだに朋音は周りからその容姿を褒められると照れてしまう。結局は、母親の制止の言葉が入るまで娘の方からの賛美は止まらなかったのであった。


「こちらになります」


 母親に案内されたのは二階のとある一室の扉の前。


「わかりました。それでは、()()()()()

「はい……」


 母親の返答をもらい、朋音は扉に数回ノックをした。

 しかし、部屋の中から返事はない。それでも朋音は「入りますね」といって、ゆっくりと扉を開いた。

 子ども部屋だろうか。ぬいぐるみが並べられて、壁には平仮名表が貼られている。好きな色なのか、ピンクをメインとした装飾の可愛らしい、いかにも「女の子の部屋」といったところだ。


「あっ……」


 朋音が暫く部屋を見渡していると、()()()()()()()()()()()()()()

 そして、その場に膝をついて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


()()()()……)


 朋音の行動に仁樹は察し、廊下で待機していた母娘を部屋の中へと促す。

 反対に自分は廊下へと引っ込んでいった。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


 そうして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



朋音は霊能力者。

死者とコミュニケーションが取れ、未来を予知し、死期を見る。


それは世界から愛されることと引き換えに、世界から与えられた彼女の宿命。


一生逃れることのできない力。……だが、彼女が受け入れた。


()()()()()()()()()、その大きな力を―――



「ありがとう、ございます……」


 そう言って母親だけでなく、明るく振舞っていたであろう娘の方も朋音にお礼を言いながら、ポロポロ流れる涙をハンカチで必死に拭っている。

 残念ながら、仁樹は途中、扉を閉じて退出をしてしまった。朋音がいうには「子どもが出て行って欲しい」ということで、ボディーガードということもあって仁樹は何かあったときのために廊下で待機することにしたのだ。


(()()()()()()()()())


 そうして暫くたった後に、三人が部屋から出てきたのだ。

 その時にはもうこの親子は涙が止まっていない状態で。そのまま落ち着くために、一回のリビングへと移動したのであった。


「お姉ちゃんが大好きだったんですね」


 突然、死んでしまった。

 事故でもなく、ましては自殺でもない。

 いつもの時間に起きないからと起こしに行ったときには、静かにベットの中で死んでいたという。


「はい……歳の離れた妹だからか、この子が積極的にお世話をしてくれて……」

「まーちゃん、まーちゃん……!」


 あの部屋の主……まーちゃんが抱っこをせがむように抱き着いたらしい。

 その様子を朋音が教え、泣いている娘の方にその場にしゃがむように伝えるとまーちゃんは嬉しそうに彼女の背中に飛び乗ったらしい。


「妹さんはお姉ちゃんについていくって言ってますね。お姉ちゃんを守るんだって張り切っています」

「この子が留学するからですか?」

「留学するのもそうですし、この先どんなことが起きても妹さんが守ってくれますよ」


 そうだよね、と。彼女の背に負ぶさっているであろう女の子に向かって問い掛ける朋音。勿論、返事は仁樹にも母娘にも聞こえないが、暫くして朋音が微笑んだことでみんな答えがわかった。



「あのお姉さん、とても優秀なんだと思う」


 その後、母娘と今後の行動などできる限りのアドバイスを伝えて、本日の相談は終了した二人は帰り道を歩いていた。


「原因は妬みか?」

「うん……。多分、本当はお姉さんの方が死ぬはずだったんじゃないかな」


 募りに積もった人の想いは呪いと化す。

 優秀過ぎるが故に、周りからの妬みを買い、自分の運命に呪いが絡まり始める。

 その呪いを払ったのが、可愛い妹の命。


「あの子が守護霊なら、お姉さんはこの先どんな危ない念が来ても大丈夫だと思う。それほどまでにあの子のお姉さんに対する愛情が強い」

「それでも、可愛い妹が自分のために死んだなんて認められないよな」

「うん。……認められないよ、一生」


 妹は大好きな姉の守護霊であると同時に、あの家の守護霊にもなっている。

 この先、どんな厄災がこようとも、その子が一生懸命家族を守っていくのだろう。


『〝お姉ちゃん、頑張ってね。後悔しない生き方をしてね〟って言ってますよ』


 後悔しない生き方をしてほしい。

 死者からメッセージだからこそ、説得力があるのだろう。


 残された生者ができることはただ一つ。

 与えられた自分の人生を後悔しないように。

 真っすぐ頑張って、『自分は生きた』と胸を張って言えるようになること。


 言うのは簡単なこと。だけどとても難しいものなのかもしれない――……




朋音ちゃんのモデルは超有名な人です。

検索したら一発で出てくるレベル。

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