彼女の秘密を俺は知る(1)
翌日、俺は少し早めに家を出た。
涼風は朝いつも早く来る。と坂崎が言っているのを思い出したからだ。
俺が教室のドアを開けると教室には涼風一人だけがいた、彼女はノートを広げ何か書いていた。
「おはよう涼風さん」
俺がそう話すと彼女は驚いた顔をしてこちらを見た。それもそうだろう俺と涼風は今年初めて同じクラスになったし、クラスでも班活動くらいでしか話さない。
けれど名簿番号が近く進級時の席が近かったのもあり向こうも俺の存在を覚えていたのか俺の顔を見ると。
「おはよう湊君」
なんとか挨拶は返してもらえた。
俺はその後自分の席にカバンを置くと彼女の席の近くへ向かった。
彼女に近づくと彼女は不思議そうな目でこちらを見てきた。
「何か用ですか?」
「他に人がいないからしばらく話したいなって思って」
「そうですか」
その後俺と涼風は5分ほど他愛もない話を続け
「そういえば昨日坂崎たちとカラオケ行ったんだけどさ涼風さんもいなかった?」
「えっ」
彼女はとても驚いたようだった
「……いたけど」
「やっぱり! 部屋通り過ぎるときに歌声聞こえたけどめちゃくちゃうまいね」
彼女はまた驚いたようだった。
「歌い終わった後にノート書いてたけどあれ何書いてたの?」
彼女の顔が少し暗くなったように見えた。
(ヤバい、聞いたらいけないことだったかな)
「ごめん言いたくなっかたら言わなくていいよ」
俺が慌ててそう言うと。
「教えるけど、もうすぐ他の生徒が来るから明日でもいい?」
「分かった、じゃあまた明日ね」
そう約束して席を立ち自分の席に向かうとちょうど他の生徒が来た。
(ノートの内容くらいすぐ教えれると思うけど)
俺は少し疑問に感じながらもいつも通りの生活に戻った。